昼休みの慌ただしい時間に、ブライアンが、どうして自宅の食事に誘ってくれたのか分からない。
1キロも歩いて、トシを家まで連れて行ったのは、自宅で食事をするために帰ろうとしていたところに、たまたまトシに出会って誘ったのかもしれない。
前に一度だけしか会ってなくて、彼と話をしたのが、その時だけだったのである。
自宅まで帰ってランチをするのに、誰かを誘うことがしばしばあるのだろうか。
後になって聞いても、「昼時、家の食事に誘ったひとは、ミスター・ヤマダが初めてだったよ!」ということだったのである。
何とも気まぐれだとしか言いようがない。
彼が台所に入って行ってコトコト音をたてていたが、10分もしたころに、「できたよ!」と声がした。
少しは手伝った方が良いかなという気がして台所に入って行った。
短い時間に、どのようにして作ったのだろうか、大皿には、イタリア風のピラフが盛ってあり、その横には野菜がこんもり山盛りされていた。
出来上がった2つの皿を居間のテーブルに運んだ。小鳥たちのための食事も小皿に盛られていた。
ピラフは、大きく切ったトマトとアボガドがご飯の合間に見えていて、彩りもよく美味しそうだ。
食べて見て、実際美味しかったのである。
アメリカ人の男性は、料理が得意な人が多いのは知っていた。というより積極的に奥さんと一緒に台所で働く人は多いのだ。彼は、そのような人なのだろう。
トシとしては、ハワイに来てまだ一か月、自分で食事の用意をするような暇がなかった。
ファーストフッド・レストランで食事をすることが多く、このように家庭的というか、整った食べ物は久しぶりだった。
小鳥たちも、同じテーブルで食事を啄ばみ、ときには、何思ったか、トシの皿にまでやってきて、食べ物を横取りした。
小鳥と食事をするなんて日本では考えられない、信じられないことだが、なんだか心地のいいひと時だった。
以前カリフォーニアのヨセミテに妻と行ったとき、屋外のテーブルで食事をしていたら、リスが、テーブルにやってきて、大胆にも、トシの食事を横取りして食べ始めた。
貴重な瞬間だと思ったので、カメラを取り出し、その情景を写そうとした瞬間、フラッシュの光に驚いて、リスは逃げて行った。そんなことを思い出してしまったのである。
その後ブライアンとは、よくお昼の食事をした。
その時の気分次第で、「家に行く?」という時もあるし、キャフェテリアで済ますこともあった。
今でも憶えているのは、キャンパスの外れにある「ピザハット」によく一緒に行ったことである。
歩いてかなりの距離だったが、ブライアンは、ピザが好きなのか、適当なところが思いつかない時など、「じゃあ、ピザハットはどう?」などという結論になることがあった。
ピザハットでは、ランチタイムのメニューに、パンピザのぺぺロンチーヌとベーコンピザが3ドル50セントであった。窯から取り出されたピザが熱々のフライパンに乗ったままでてきた。
「5分以上待たせたらお代はいりません!!」というキャッチフレーズがあって、学生たちは、注文した瞬間に時計を見て、果して5分以内に出来上がってくるのか興味津々のようすだった。しかし大概は、3分もするとテーブルに運ばれてきたのである。
トシもピザは気に入っていたが、ブライアンもピザが好きなようだった。ブライアンは、今でもピザが好きである。
時々、カパフル通りを歩きブライアン家に行く時、もしまだ奥さんが夕食の支度を始めてなければ、ピザ屋さんに立ち寄って、「ピザを買って行こうか?」と電話をすることがある。
彼の家でワインを交わしながら、3人でピザを頬張るのは気持ちがいい。
ピザの箱を開けて、「3人では食べきれないかも?」というときには、近所に住むジーナに電話をして、「良かったらピザを食べに来ない?」などと誘うこともある。
あの人のいい90歳になる女性である。食事を済ませていても、大概彼女はやってくるのは、お喋りをしたいからである。
もう10年ぐらい前からだと思うが、ブライアンは、チーズを食べるとアレルギー反応を起こすようになってきた。
元々彼は、色が白くて、強烈なハワイの日光には辟易している。裸で、海岸に10分も座っていると、肌が焼けて赤くなってくるのだ。
ビーチに出て楽しむ時には、つばの広い帽子をかぶって木陰に座っていることが多い。日差しが強い時は、なかなか水に入ろうとはしなかったのである。
太陽が沈み、日差しが欠けてくるとようやく水に入って来た。肌が日差しに敏感に反応するようだった。
ピザには、チーズが必ず附いている。彼のピザは特注で、「チーズ抜き」で「アンチョビを加える」ことにしている。
カパフル通りで、ピザを買って持っていく行く時、いつも注文する「パパジョンズ」の店では、彼の為に、「チーズ抜き」で「アンチョビを加える」を注文していた。
知り合った頃、大学の「ピザハット」に行って、ぺぺロンチーニのピザを何の問題もなく食べていたのだが、何時の間にやら彼はチーズ嫌いになってしまった。
私も友人と、よくランチに行きます。
おしゃべり、食事、珈琲 とっても素敵。
ピザはパリッとした、焼き立てなら好きです。
冷えたものは、あんまり~ ^^
チーズ無しのアンチョビ入り、食べてみたいです。
でも、しばらくピザを焼いていないので、焼きたくなりました。
日本では、「寿司」を家まで配達してくれると言ったら、アメリカ人たちはびっくりしていましたが、今ではアメリカでもピザは配達してくれます。持ってきた人に幾分かのチップが必要ですが。
アンチョビはおいしいですが、やはりチーズはあった方がいいです。
日本人もそうあって欲しいですね。
"男子厨房に入るべからず"ふた昔前の日本ですかね・・・?
我が家の旦那もそう言う考えが残っています。
今からでも変えていかないと!!
時代の流れには沿っていかないと!
パーティが多いのでそのおかげもあるのかもしれないですね。
我家の場合、まだ現役で働いてるので静観していますが
定年後は少しできるように教えていかねば と思っています。今のところは!
でもダメっぽい(´・ω・`)
当然器用に料理を作ることができるし、得意なレシぺもあるようです。
ブライアン家は、奥さんが料理が好きというか、得意で、いつもおいしいです。
思い出すと、長い間ブライアン家のディナーを楽しんできました。
奥さんたちは、テーブルでワインを楽しみながら、友人たちと喋っている場合が多いです。
食材を買いに朝市に行く時も男性たちも一緒に行き、あれこれ吟味しながら買い物をしています。
旦那だけでなく、子供たちも、台所で一緒に料理しています。