マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Japanese temple in Hawaii " (ハワイのお寺)

2017-10-19 20:52:26 | ハワイ

               (妙法寺の境内)

 ハワイに行くたびに妙法寺(Myohoji Temple)に行くことにしている。マスイさんが眠っているところである。
 初めて訪れた時、先代の住職にお会いした。トシのことをハワイの住人と思ったのか、英語で話しかけてきた。もうずいぶんハワイに住んでいるようでかなり上手な英語だった。しかしすぐに日本人だとわかって日本語に切り替えた。出身は九州の佐賀だということで、ちょっと佐賀弁だった。

 この前、妙法寺を訪ねた時、跪いてお祈りをしていたら、後ろの方で何かの気配を感じて振り返ると、法衣をまとった人がこちらを見ていた。
 「お詣りですか?」
 「ハイ、友人が眠っていますので」
 マスイさんのことを話すと、「あのような有名な方をお祀りできて光栄です」と言われた。
 この方は新しい住職で、まだ若い人だ。
 「佐賀のご出身ですか?」とつい言ってしまった。「いえ、神奈川県の鎌倉の出身です」

 山村尚正(ヤマムラタカマサ)さんだった。東京の音大を出て、ロータリーの奨学金を得てイタリアに留学した。もともとはテノール歌手なのである。
 2002年に、新国立劇場でデビューして以降、日本はもとよりハワイでも活躍していて有名な方である。さらにはイタリアやオーストリアなどヨーロッパでもコンサートに出演している。
 ハワイのオペラシアターに出演しているのは新聞で読んだことがあった。ブライスデールのコンサートシアターに貼られたポスターを見たことがあるが、黒髪のふさふさした如何にも歌手の風貌なのだが、目の前にいる同じ人は頭を丸め法衣をまとっていて、お坊さんそのものだった。
 一方では仏門でハワイの妙法寺を守り、この分野でも広く活躍されていて、変わり種と言ってしまえば、そうかもしれないが、尊敬すべきお人なのである。

 「失礼します」と言って辞そうとしたら、「ちょっとお待ちください」と本殿のほうに入っていって、何か包みをもってこられた。
 「これをどうぞ」と言って、その包みをくださった。
 持ち帰ってよく見ると、日本、インド、中国などの国のお茶の詰め合わせだった。あとで家の仏壇に供えて恭しくいただいた。

 


" Go to City Hall " (市役所に行く)

2017-10-12 21:27:53 | ハワイ

 

          (クリスティが所属するクラブティーム)

 日本からハワイにやってきて、空港でシャトルバスに乗りコンドミニアムに行く。チェックインして部屋に入り、シャワーを浴び、下着を着換え、ハワイ風の服装をしてから出かける。
 オアフ島はどこに行くにもバスが便利である。ハワイに着いてすぐあちこちに行く用事があるので「定期」(Bus Pass)を確保するようにしている。そのために市役所に行って、すでに持っている「シニア・パス」を「有効」(Valid)にしてもらう手続きをする。手続きが終わるとバスの利用が可能になる。

 市役所は、日本と同じように土曜日、日曜日は休みで手続きができない。日本を出るとき、ハワイに着く日が休日以外の日になるようにスケヂュールを組んでいる。
 定期は、一か月ごとに申請を出さなくてはならない。手続きをした日から1か月と言うのでなく、手続をした月の1日から月末までということだから、次の月はまた申請する必要があるのだ。
 それに、その月の1日から15日までの間に申請をしないとその月はもう申請できない。したがって利用する月の1日から15日までの間にハワイに着くようにしなくてはならない。手続きは簡単で窓口で『利用します』と言ってシールを貼ってもらうだけである。市バスに現金を払って乗るとなると、その都度2ドル50セントかかるので、一日に10回、20回は利用するので、この手続きは絶対やっておくべきなのだ。

 ハワイに初めて住むようになったときは、バスは50セントだった。その後インフレや物価の上昇で、バスシステムを維持するのが困難になってきて、その都度値上げをしてきた。60セントになり、1ドルになり、1ドル50セント、さらに2ドル、今では2ドル50セントにもなった。
 以前ハワイに住んでいた時フォードのトーラスに乗っていたが、ハワイでは自分の車を持つよりバスのほうが便利がいい。現在大阪の大学で教えている友人は、おんぼろキャディラックを買って乗っていた。950ドル(約10万円)だったが、もともと高級車で、しかしかなりの年月乗っていたので本当は廃車にする直前に彼が譲り受けたものだった。
 これが乗り心地が良くて海に遊びに行くときなど乗せてもらっていたが、本当に高級車の感じが漂っていた。ちょっと遠くのスーパーに行くときや日曜日のレジャーにつかっていたが、何しろ狭い島なので、行った先々で駐車場を探すのが大変で、ついには手放してバスを利用するようになった。

 ハワイのオアフ島は、バスシステムが充実していて、これをうまく利用すれば何処にでも行ける。「全米で最もすぐれた公共のバスシステム」だとして表彰されたくらいである。
 ハワイ大学の先生たちも、自家用車を皆さん持っているのだが、朝は交通渋滞などがあり、ハワイカイやカネオヘなどから通勤する人たちは、高速の道路が渋滞するようで、バスのほうが速いということでバス通勤する人が多かった。
 大学のキャンパスに複数の路線バスが入ってきていて、それらを利用すれば、研究室のすぐ近くに止まってくれる。 


" Somewhere, sometime (1) " (どこかで、あの時: あの有名人)

2017-10-05 17:37:38 | ハワイ

 

 昼時、食事をしようとカハラのレストランに入っていった。
 「屋内がいいですか、それとも外のテラスがいいですか?」と言うから、「外がいいですね」と言った。外のテラス席に案内された。心地よいハワイの風が頬をかすめる。何とものどかな昼下がりである。
 
 ミケロブビールとアンチラーダを注文した。やがてウエイトレスがビールを運んできた。それを飲みながら周りを見渡した。
 隣の席に老夫婦と見える二人が食事をしていて、何かの話題で盛り上がっているようだ。
 " DO NOT FEED BIRDS! "(小鳥に餌を上げないで!)と書かれたカードがテーブルに置かれているのに、まるで気づかないようで、奥さんの方がパンをちぎって群がってくる小鳥たちに与えていた。
 それとなく聞こえてくる二人の会話が気になった。マーロン・ブランドが監督といさかいを起こしたとき、二人に割って入って喧嘩をやめさせたみたいなことを言っていた。「エツ!」と思った。単なる映画ファンの話かと思ったが、まるでその場に居合わせた当事者の会話だったからである。
 ひょっとしてハリウッドの関係者かなという気がしてきたが、ちらっと見た眼鏡をかけた横顔はまるで知らない人だ。
 「サヨナラ」や「トコリの橋」のこと、グレイス・ケリーやウイリアム・ホールデンなどの私的な話題がちらっと耳に入ってきた。ひょっとするとあの有名なジェイムズ・ミッチェナーかなという気がしてきた。あの壮大なミュージカル「南太平洋」の原作者である。まさかこんな所にいるだろうかとは思ったが、それからそわそわしてしまって、トイレに行く風をしてレストランの中に入っていった。
 
 店のマネジャーに、"  Is he James・Michener ; the gentleman having lunch outside、if I may ask?  " (彼は、ひょっとしてジェイムス・ミチェナーですか?)と問いかけると、彼はいかにもという感じでうなずいて、「でも話しかけないほうがいいですよ」と言った。「わかっているよ」と私は言った。

 夕方、家に帰ってから、友人に、「今日、ジェイムス・ミチェナーを見たんだけど!」と言うと、
 "  Possibly could be !  he is in Hawaii now.  " (ありうるね!彼は今ハワイにいるよ)
 "  Where did you see him ?  "(どこで彼に会ったの?)
 "  I met upon at a restaurant in Kahala.  "(カハラのレストランだよ)