マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" How about Mexican food ? " (メキシコ料理はいかが?)

2013-08-25 08:56:30 | ハワイの料理

 

(2)

 

(アラモアナフッドコートのメキシコ料理)

 ハワイに着いて、先ずはしなくてはならないことは、*市役所に行って、バスの定期の手続きをすること、2番目に、*マスイさんの墓参りをすること、そして3番目は、
 *メキシコ料理を食べに行くことである。
 
 別にメキシコ料理が、ほかのどの料理より好きということではない。今の日本では、どこに行っても、フレンチ、イタリアン、中華、エスニック料理などのレストランがあって、好みによってどこの国の料理でも食べることができる。
 しかし、アメリカでよく行っていたギリシャ料理、地中海料理、メキシコ料理などレストランは、トシが住んでいる九州ではなかなか見つからないのである。
 
 若い時、友人たちと誘い合ってよく行ったメキシカン・クジーンがなんとも懐かしいのである。  メキシコ料理も様々で、店内でマリアッチの演奏がある高級なものもあるし、そこらで立ち食いするようなごく手軽いものまである。
 どちらかというとメキシコ料理は、身近で庶民的で、安いというイメージがある。腹がすいたら何となくメキシコ料理を思い出してしまう。タコスをほうばりながらメキシコビールのコロナを飲めば、満足だ。
 
 ハワイに行ったら、まずメキシコ料理にありつきたいという気持ちがあって、つい馴染みのローカルなレストランの入って行くこともあるし、それこそアラモアナにあるフッドコートに行くこともある。
 フッドコートは、いつ行っても人で溢れていて、空席が見つからないほど混み合っているが、そんなところでも気にしない。
 どこかに空いた場所を見つけて、アンチラーダを運んできて、テーブルに座る。
 メキシコ料理の何が気に入っているかと言えば、何でもいい。ケサディーヤ、アボカド・サラダ、チリベルディ、チーズディップ、アンチラーダ、トルティーヤ、タコスなど、どれでもいいのである。そのすべてに、日本にいた時は、味わいたくても、その機会がなかったメキシコ料理の漂う香りが目の前にある。

 ハワイにいたころ、友人たちと何かの記念日などにウオードセンターにある「コンパルドス」に行っていた。
 ここはメキシコレストランでもハイクラスで、中の造りなどラテンの雰囲気があり、時間によってはマリアッチの音楽が生で聴くことができた。
 ここに行っていた理由が、仲間内の学生がウエイトレスのアルバイトをしていたからである。
 予めその学生に電話で予約を入れておくと、海が見えるいい席を確保してくれたのである。そればかりか、最初にビールかマルゲリータを注文すると、近くの席のお客に料理を運んできたときに、さりげなくビールやマルゲリータを無料でもってきてくれた。

 いつかカハラのチリズというメキシカンレストランの屋外テラスで食事をしていたら、隣の席にあの有名なミュージカル「南太平洋」「さよなら」「ハワイ」の原作者ジェームス・ミッチェナー夫妻が食事をしていたことがある。
 彼であることを確認するために、こっそりトイレに行く風をしてレストランの中に入っていき、カウンターにいたマネジャーに尋ねてみると、「間違いなくジェームス・ミッチェナーさんです!」と教えてくれた。
 新聞記事から彼の年齢を計算したら、その時は76歳だった。二人の会話の中で、一緒に座って食事をしていた女性を、盛んに「マリ!」と呼んでいたのでその女性はまぎれもなく奥さんのマリのようだった。
 奥さんは、日本人か、あるいは日系人ということで、3番目の結婚相手だということだった。おそらくミッチェナーさんより10歳くらい若く見えた。
 "  Do not feed birds !  " (小鳥に餌をあげないでください!)と立札がテーブルに置かれていたが、そんなことに気づかないのか、パン切れを摘まんで小鳥たちに与えていた。何か話に夢中のようだった。

 新聞を読んでいて、奥さんの名前が、Mari・Yuriko・Sabusawa (マリ・ユリコ・サプサワ)というのだと知った。食事の時、奥さんのことを「マリ!」と呼んでいたのを思い出した。
 "  Is Mari a Japanese or a Nikkei ?  "  (マリは、日本人なの、それとも日系アメリカ人なの?)と友人に訊くと、
  "  I don't know, but she speaks a fluent English.  " (わからないが、英語は上手だよ)
  "  I know that, actually I heard her speaking  English in such  a fluent way.  "
    (それは知っているよ、マリが流暢に英語を話しているのを聞いたから)

 


" Bus trip "   ( バスの旅 )

2013-08-18 08:37:09 | ハワイの思い出

  ( 1 )

 

  

( 妙法寺境内 )

 日本からハワイに行って、先ずしなくてはならないことがいくつかある。
 
 *市役所に行くことである。
 ハワイでは、車を持っていないので、もっぱらバスで移動している。バス網が発達していて、とにかく便利なのである。
 4年間有効の「バスの定期」( Senior Citizens Buspass )を持っているのだが、このままでは使えない。
 定期を有効にするためには、市役所でシールを貼ってもらう必要がある。このシールを貼ってもらうと、その月、一か月自由に何回でも、そしてどこまで乗っても無料である。
 手続きは簡単だが、それでも市役所まで行かなくてはならない。
 最初は、市役所の本庁まで行っていたが、友人が、そのためにダウンタウンまで行く必要はないだろう、どこか近くの市役所の支所で手続きができるはずだと、教えてくれた。
 まさにその通りで、本庁で長い列に並んでもたもたするより、ずいぶん簡単だった。

 はじめハワイにいたころバス料金は、50セントだったが、それが60セントになり、1ドルになり、1ドル50セント、さらには2ドル、現在は、2ドル50セントにもなった。
 定期がないと、乗車するたびに、2ドル50セントを払わなくてはならないし、一日何度も利用するので、金額もばかにならない。いつも注意して小銭を用意しなくてはならないので面倒である。
 このバスパスを作るとき、最初は写真を撮ったり、書類を作ったりで10ドルか20ドルかかるが、原則無料である。
 定期を使って、どこにでも行けるから本当に便利なのである。
 オアフ島巡りもできる、ハナウマベイに行くことも、シーライフパーク、ポリネシアン・カルチュラルセンター、ノースショアでも、それこそ、島に張り巡らされたバス網をすべて利用できるのである。

 *マスイさんのお墓参りに行くことである。
 マスイさんは、妙法寺に眠っている。
 妙法寺は、日本領事館の近くの高級住宅地の中にある。そばには、小川が流れていて、こんもり木々が茂り、静かなところである。 
 隣接して「さくら」という高級アパートが建っている。
 住職によれば、ここには、日本領事館に勤める人たちが住んでいるようで、前庭には、ちょっとした可愛い日本庭園が作られている。
 初めてここにやってきたときは、場所がわからず、大学で聞いたら、サロンにいた女性が調べてくれた。
  " Myohoji Temple is along Nuuanu Avenue.  Perhaps No.4 bus will take you there.  "
  ( 妙法寺は、ヌアヌ通りにあるわよ。たぶん4番バスに乗れば行けると思うけど )と言った。

 大学の前で4番バスに乗った。
 山手をぐりぐり迂回しながら、今度は、一気に坂を下って海が見えるダウンタウンに降りてきた。 バスは、ビルの間を抜けながら、結局ついたところは、メイシー百貨店の裏口だった。
 お客はすべて下りてしまい、運転手まで下りて、トシがひとり車内に取り残された。「さて!終点かなあ」と思い、開け放たれたドアから降りて、ベンチに座った。そうこうすると別の運転手が乗ってきた。
  " I wanna go to Myohoji Temple.  Is this bound for that ?  "
   ( 妙法寺に行きたいのですが、このバスはそちらに行きますか? )
 "  Is that a Japanese temple ?  "
   ( それ日本のお寺ですか? )
 その運転手も妙法寺がどこにあるのか知らないようだった。それでも、
  "  I'll take care.  "
   ( なんとかしてあげます )と言った。
 バスを運転しながら、お客さんたちに「妙法寺を知りませんか?」などと訊いてくれたが、だれも知らなかった。そこで、バス停でもないガソリンスタンドの横に車を止めて、運転手がバスから下りた。どうも妙法寺がどこにあるのか訊きに行ったようだった。
  "  I've got it !  "
   ( わかったよ! )と言いながら戻ってきた。
 そして再びバスは走り出した。今度もバス停でない妙法寺の前でバスを止めてくれた。
  "  Thank you !  "   ( ありがとう! )と言うと、 "  Take care !  " ( 気をつけてね!)という言葉が返ってきた。何とものどかなバスの旅だった。


" Let's bon dance ! " ( ハワイの夏 )

2013-08-08 09:48:03 | ハワイの思い出

 

 

 

 

                                       ( ホノルルのダウンタウン )
 


  初めてハワイを旅行する人はともかく、2度3度と訪れる人は、観光地を巡ったり、グルメに舌鼓する、ブランドを買いあさる、海辺のテラスでフラショウを見ながらカクテルを飲むのもいいが、実際に「ハワイ人」として生活をするのが、よりハワイに溶け込み、実体験を楽しむことができる。
 コンドミニアムに滞在して、自分でスーパーに買い物に行き、食料品など買い込み、料理するなど、この上ないアメリカ生活の実体験である。
 Japan Culture Center に行くのもいいかもしれない。文化教室やギャラリーなど設備があり、日系人のことを知るいい機会だ。日本語を話す人たちと会話ができるし、文化教室に参加することで、知り合いや友達もできるかもしれない。
 観光を楽しむのもいいかもしれないが、ハワイ人として生活することで、よりハワイに興味を持つようになるだろうし、ハワイにいる楽しみがだんだん増してくるはずだ。                                   トシなど、日本人学校に行って、知らない人とマージャンをしたり将棋をしたりすることがある。そこにいる人たちは、日本語を理解しないが、何となく心を通じ合えるものだ。
 ローカルのコーヒーショップやレストランでパンケーキを食べたり、ベーグルのサンドイッチを注文するのもいいかもしれない。ハンバーガーでも、店によって違った味がある。
 ハワイを知るには、この時期、盆踊りに参加してはどうだろう。
 別に浴衣を着なくてもいい。T-シャツと短パンで、踊りの輪に入っても違和感はない。

  "  The Obon season perpetuates the Buddhist tradition of honoring family ancestors, who are said to return to the mortal world to visit relatives during the festival. 
  The colorful bon dances, featuring taiko drums, food booths, games,and other activities, have become a must-do cultural event for the residents and visitors alike, regardless of religious affiliation.  " 
  
 ( お盆のシーズンは、家の祖先を敬う仏教の伝統として引き継がれていて、お盆の間に、祖先が身内を訪ねてこの世に戻ってくるといわれている。
  太鼓、屋台、遊戯、そのほかにいろいろな催しなどもあって、どの宗教に属しているかに関係なく、ハワイの住人もハワイを訪れる人たちも同様、欠かせない文化的イベントになってきた。 )

 ハワイ最大の日刊紙 Star-Advertiser を読んでいたら、盆踊りのスケヂュールが載っていた。
 日本では、盆踊りは、8月13日から15日に集中するが、ハワイではそうではない。
 盆踊りは、7月に始まって、9月まで続く。
 ハワイには、たくさんの寺院がある。宗派はさまざまであるが、真言宗、日蓮宗、禅宗、真宗などのお寺が、お互いの領域を侵さないようにボンダンスのスケヂュールを組んでいる。7月に始まって、毎週末にどこかで盆踊りがあり、それが9月まで続くのである。

 盆踊りの開催場所は、寺院だけでなく、ワイキキのホテルであったり、州立図書館、カピオラニ公園、サトウキビのプランテーションだったりする。
 今やハワイの夏の風物詩になっていて、日系人に限らず、ハワイの現地の人たち、白人、アジア系の人たちも参加して楽しんでいる。
 今やこの祭りは、仏教徒だけが祝うものでなく、キリスト教を含め、信仰がどうであれ多くのハワイの人たちが参加している。

 会場には、大きな櫓が組まれて、提灯が張り巡らされ、まるで日本の盆踊り会場と変わらない。
 屋台では、焼きそば、うどん、たこ焼き、イカ焼き、シェーブアイスなどが売られている。子供たちは、プラスティックでできた金魚をすくって楽しんでいる。人々は、ハッピや浴衣を着て、うちわを持って集まってくる。
 照明で照らされた会場には、拡声器から大きな歌声、東京音頭、炭坑節、マツケンサンバなど威勢のいい音楽がかかる。参加者は、音楽に合わせ、うちわをひらひらさせながら踊っている。まるで日本のどこかで盆踊りをしているかのように錯覚をする。小さな子供たちの踊りはなんともかわいい。

 ワイキキだけで楽しむのでなく、ちょっと地方に出てハワイを満喫するのはどうだろうか。