「ホームステイプログラム」で、学生を送り込んできたミシガン州立大学は、ミシガン州のちょうど真中辺りにある。
東に行くと、自動車の生産で有名なデトロイトの街があり、西に進むとシカゴという大きな街がある。
大学は、イーストランシングという小さな町にあって、閑静な住宅地が取り巻いている。
秋になると、カエデの街路樹が、色ついてきれいになるが、やがて落葉して道を埋め尽くす。毎日のように取りのける作業をしないと、湿った葉っぱで車が滑って事故を起こしたりする。
飲酒運転、窃盗、万引きなど、どちらかというと、初犯で、軽犯罪の罪にとわれた人たちが、「勤労奉仕」を命ぜられて、道の清掃をやっている。
悪びれるでもなく、通行人に、「ハーイ!」とか、笑顔であいさつをしている。
キャンパスは、広大である。
どこかの学部に行く時は、ちゃんとした目的地を確認して行かないと、どこをどのように歩いていいのか分からないほどである。
出来れば、目的地まで車を利用するか、自転車で行く方が便利である。
あらゆる学部が網羅されていると言っていい。
その中でも、産業心理学部は、全米一位のレベルの高さを誇っている。サプライマネジメントは、全米2位の評価を得ている。
デトロイト近くのアンアーバーという町に、ミシガン大学がある。 この大学は、どういう訳か、私立であるが、州からの補助金も得ていて、「私立・公立」を併せ持つ大学である。
学問のレベルは非常に高く、戦後日本からも、フルブライトの留学生がたくさん学んだところである。
フォード大統領もここの出身で、有名人を輩出してきたところである。
こちらミシガン州立大学は、スポーツで有名で、フットボールに至っては、全米カレッジフットボールリーグで、何度か優勝をしている。
バスケットボールも強い。全国優勝をしたこともあり、常にトップレベルを保っている。
アイスホッケーも有名である。
したがって、どちらかと言うと、スポーツが強い大学と言うイメージが定着しているが、着実に学問のレベルを高めており、学部や研究機関を含めて、高いレベルを確保しているのである。
日本人も、ここを出た人で、有名な人たちがたくさんいる。政治家、東北大学、神戸大学、慶応大学、同志社などで教えている学者、そのほか医学者など多士済々である。
野外劇場で、聴いた音楽やシェイクスピア、テネシー・ウイリアム劇など、今でも心に残っている。懐かしい思い出である。
キャンパスを縫って「レッドシーダー川」が曲がりながら流れている。
川岸に両側に、並木のように木々が茂っていて、そばを散策するのは、心が和むように気持ちがいい。
ちょっと変わっていると思うが、キャンパスには、火力発電所があって、大学の電気消費をこれで賄っていることである。
立派なホテル、博物館、美術館、ホールもあるし、面白いのは、プラネタリウムがあることである。
夏の時期、農学部の方を散策して、一面に咲き誇るお花畑を見るのは壮観である。
イーストランシングは大学町であるが、町はずれに「オールズモビル」という自動車の工場があって、その近くにある住宅地には、恐らく工場で働いているメキシコ系ラテンアメリカ人がたくさん住んでいる。