カハラと言えば、ハワイでも高級住宅地として知られている。近年マウイ島やハワイ島のコナなどに高級住宅地や別荘地が出来たりしているようだが、カハラは、昔から高級感、格式を誇っていて、アメリカの映画スター、銀行家、企業家など、いわゆる「リッチ&フエイマス」と言われる人たちの所有物になる家が多い。
どんな家なのかは、一般の人たちの目に触れることはなかなかできない。というのが、海から斜面を登って、岩場にへばり付いたように家が建っていて、普通では見えないのである。
ここにあるワイアラエ・カントリー・クラブは、有名で、数々の世界規模のゴルフ大会が開催されている。
青木功さんがハワイアン・オープンで、逆転優勝した時など、テレビで全米に放送され、試合終了後、青木さんは、一生懸命英語でインタビューを受けていたのが印象的である。
テレビのインタービュアーが、青木さんのことを、何度も「ミスター・エイオーキ」と発音していたのを覚えている。
レーガン大統領が、中国の北京を訪問した際、高齢のためか、途中ハワイに立ち寄って休養をした。
当初の報道では、空港で大統領夫妻の歓迎式をして、花輪を受け取り、オープンカーに乗って、カハラの当時の「カハラ・ヒルトン・ホテル」(現在のカハラ・ホテルアンドリゾート)に泊まるということになっていた。
レーガン夫妻が通ると予想される道には、早朝から人垣ができ、更には、銃を持った兵士がガードを固めていた。
朝から、上空にはヘリコプターが、飛び回り、騒音がこだまして、街中が緊張していて、とても散歩にも出れない状況であった。
ところが、大統領専用機はホノルル国際空港ではなく、軍の基地に着陸した。
空港で大統領夫妻を歓迎しようと待ち構えていた人たちをも、すっぽかして、軍の基地からヘリコプターで一気にカハラに飛んだ。
ヘリコプターが着いた場所は、ヒルトンではなくレーガンさんの長年の友人宅の庭だった。ヒルトンで待ち構えていた報道陣をも、すっぽかしたのである。
カハラの住宅地は、それぞれの家に入って行く道も個人の所有物になっていて、自由に入ることはできない。
勝手が違った、ハワイの当局、一般市民、報道陣は、つむじを曲げ大統領報道官に詰め寄ったが、すべて後の祭りであった。
大統領に接近するチャンスをすべて失った報道陣は、カンカンだが、翌日の新聞にスクープが載った。
無謀にも、ゴムボートで、沖の方から、レーガンさんが泳いでいる写真を撮ったカメラマンがいて、この人が撮った写真が一大スクープとなり、ひときわ世間の話題になった。