" outlet "(アウトレット)と言う言葉は、「出口」とか「コンセント」などの意で、そのことは知っていたが、アメリカの新聞で、アウトレットという言葉が、ちらちら出始めていたころ、友人に、これはなんなんだと訊いてみたことがある。
「はみ出し商品」つまり正規のルートでは売れないブランド品など高級なものを破格の値段で売っている店のようだった。それも都心になく、何処かわかりにくい郊外にあって、看板のない倉庫のような所でひっそり商いをしている店のようだと教えてくれた。
当時ニューヨークの郊外のそれらしい店を探して車で行ったこともある。カリフォーニアのロスアンジェルスから南下して、かなり走ったところアナハイムに大きな店があって、辿り着くために途中車を止めて何度も人に道を尋ねたことがある。
ミネソタに「モール・オブ・アメリカ」と言うのがあって、その近くにアウトレット店があったが、ミネアポリス市内からずいぶんかけ離れたところだった。
ブランド店から注文を受けて、工場で商品を作りすぎて、それらにブランド名を付けないで、こっそり80%も値を下げて売っていたりする。
シーズンを過ぎて売れ残った商品を問屋がまとめ買いして叩き売っていたりすることもある。また商品に小さな傷があったりして出荷できないものなど破格に値を下げて売っている。
いずれにしても、消費者にとってはありがたい限りで、ブランド店で買えば、10万円もするのに、ここで買えば5,000円ぐらいで買えたりするのである。
マディソンの家から歩いていける距離に、「ティ・ジェー・マックス」( T・J・Maxx ) というアウトレット店があって、散歩がてらによく行っていた。
年齢のせいか、今では何かを買いたいという購買欲が無くなってしまって、店に行っても、あまり買いたいという気も起らないが、若い時は、ズボン、シャツ、ブレザー、ベルト、時計、下着、靴下、旅行鞄、毛布、タオル、シーツ、男性用化粧品、靴、食品、コーヒーなど行くたびに何かを買っていた。
このティ・ジェー・マックスがハワイに出店してきたのである。
「ロス」( Ross Dress for Less ) よりちょっと小奇麗な店で、しかし商品の陳列、売っているものなどお互いよく似ていて、ひょっとしたら同じ経営者ではないのかなあなどと思ってしまう。
ハワイの「ロス」にもよく行っていた。
特に買い物をするわけでもなく、ダウンタウンに出たついでに、待ち合わせの時間などに、ぶらっと立ち寄って、ハンガーに吊り下げられたシャツなど手に取って、似合うかなあと眺めるだけでも楽しい。
トシが知っている限りでは、ロスは、ダウンタウンに一店舗あっただけだったが、最近で、ウオードセンターの近くにもあるし、アラモアナから山手の方に500メートルぐらい歩いて行くとウオルマート・ショッピングセンターがあって、道を挟んで隣合わせにも一軒ある。
それに、カハラの「ノーブル&バーンズ」が、取り壊されて、その跡地が新しい「ロス」になった。
これは、あまり知られていないかもしれないが、ロスは、火曜日は、シニアの人たちは、10%引きで買い物ができるのである。カウンターで、シニアーのバスの定期を見せればいい。
買いたいものがあっても、すぐには買わないで、火曜日に行ってまとめ買いをすると、かなり節約ができるのである。
ロスがワイキキのど真ん中にもできた。おそらく日本人旅行客を意識して作ったのだろうか。以前は、「JCBも利用できます」なんて日本語で書いていた。
この建物は以前は映画館だったところで、よく映画を見に行ったりしていた。
封切り物が、5ドル(500円くらい)で見れたので、新聞などで評判になった映画を見に行ったりしていた。
大学の仕事がうまく行かなくて、落ち込んだりした時は、映画を見に行ったし、コンサートにも行った。映画を見たり、音楽を聞いたりしている間は、余計なことを考えないで済んだ。
映画は、大概は、ハワイ大学のキャンパスにある映画館に行くことが多かった。
大学の中だから、税金がかからなくて1ドルぽっきりだった。
古い映画が多かったが、封切りして3か月目ぐらいのも来ていたし、結構いい映画も見れたりした。
" I went to the movie theater on campus yesterday. " ( 昨日映画に行ったよ! )とサラに言うと、
" Why didn't you tell me ? "
( どうして誘ってくれなかったの? )
と言うが、落ち込んでいるときは、一人のほうがいい。