マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Shopping around " ( 買い物に行く )

2015-04-22 09:48:52 | ハワイの思い出

 

 

 
 " outlet "(アウトレット)と言う言葉は、「出口」とか「コンセント」などの意で、そのことは知っていたが、アメリカの新聞で、アウトレットという言葉が、ちらちら出始めていたころ、友人に、これはなんなんだと訊いてみたことがある。
 「はみ出し商品」つまり正規のルートでは売れないブランド品など高級なものを破格の値段で売っている店のようだった。それも都心になく、何処かわかりにくい郊外にあって、看板のない倉庫のような所でひっそり商いをしている店のようだと教えてくれた。

 当時ニューヨークの郊外のそれらしい店を探して車で行ったこともある。カリフォーニアのロスアンジェルスから南下して、かなり走ったところアナハイムに大きな店があって、辿り着くために途中車を止めて何度も人に道を尋ねたことがある。
 ミネソタに「モール・オブ・アメリカ」と言うのがあって、その近くにアウトレット店があったが、ミネアポリス市内からずいぶんかけ離れたところだった。

 ブランド店から注文を受けて、工場で商品を作りすぎて、それらにブランド名を付けないで、こっそり80%も値を下げて売っていたりする。
 シーズンを過ぎて売れ残った商品を問屋がまとめ買いして叩き売っていたりすることもある。また商品に小さな傷があったりして出荷できないものなど破格に値を下げて売っている。
 いずれにしても、消費者にとってはありがたい限りで、ブランド店で買えば、10万円もするのに、ここで買えば5,000円ぐらいで買えたりするのである。

 マディソンの家から歩いていける距離に、「ティ・ジェー・マックス」( T・J・Maxx ) というアウトレット店があって、散歩がてらによく行っていた。
 年齢のせいか、今では何かを買いたいという購買欲が無くなってしまって、店に行っても、あまり買いたいという気も起らないが、若い時は、ズボン、シャツ、ブレザー、ベルト、時計、下着、靴下、旅行鞄、毛布、タオル、シーツ、男性用化粧品、靴、食品、コーヒーなど行くたびに何かを買っていた。
 このティ・ジェー・マックスがハワイに出店してきたのである。
 
「ロス」( Ross Dress for Less ) よりちょっと小奇麗な店で、しかし商品の陳列、売っているものなどお互いよく似ていて、ひょっとしたら同じ経営者ではないのかなあなどと思ってしまう。
 ハワイの「ロス」にもよく行っていた。
 特に買い物をするわけでもなく、ダウンタウンに出たついでに、待ち合わせの時間などに、ぶらっと立ち寄って、ハンガーに吊り下げられたシャツなど手に取って、似合うかなあと眺めるだけでも楽しい。
 トシが知っている限りでは、ロスは、ダウンタウンに一店舗あっただけだったが、最近で、ウオードセンターの近くにもあるし、アラモアナから山手の方に500メートルぐらい歩いて行くとウオルマート・ショッピングセンターがあって、道を挟んで隣合わせにも一軒ある。
 それに、カハラの「ノーブル&バーンズ」が、取り壊されて、その跡地が新しい「ロス」になった。
 
 これは、あまり知られていないかもしれないが、ロスは、火曜日は、シニアの人たちは、10%引きで買い物ができるのである。カウンターで、シニアーのバスの定期を見せればいい。
 買いたいものがあっても、すぐには買わないで、火曜日に行ってまとめ買いをすると、かなり節約ができるのである。
 
 ロスがワイキキのど真ん中にもできた。おそらく日本人旅行客を意識して作ったのだろうか。以前は、「JCBも利用できます」なんて日本語で書いていた。
 この建物は以前は映画館だったところで、よく映画を見に行ったりしていた。
 封切り物が、5ドル(500円くらい)で見れたので、新聞などで評判になった映画を見に行ったりしていた。
 大学の仕事がうまく行かなくて、落ち込んだりした時は、映画を見に行ったし、コンサートにも行った。映画を見たり、音楽を聞いたりしている間は、余計なことを考えないで済んだ。
 映画は、大概は、ハワイ大学のキャンパスにある映画館に行くことが多かった。
 大学の中だから、税金がかからなくて1ドルぽっきりだった。
 古い映画が多かったが、封切りして3か月目ぐらいのも来ていたし、結構いい映画も見れたりした。
 "  I went to the movie theater on campus yesterday.  " ( 昨日映画に行ったよ! )とサラに言うと、
   "  Why didn't you tell me ?  "
  ( どうして誘ってくれなかったの? )
と言うが、落ち込んでいるときは、一人のほうがいい。 

 

 


" Discount store in Hawaii " ( ハワイのアウトレット店 )

2015-04-09 11:01:38 | ハワイの思い出

 

 ( ウイスコンシン州のマディソンの家から歩いて、ブランド品のアウトレット店【ティー・ジェー・マックス】によく行っていた。
 夏の時期はよかったが、冬の零下10度にもなる中歩いて行くのは、とにかく寒かったが、店内は、Tシャツ姿の人がいるくらい快適だった。
 この店も「ロス」と同じように20%から80%引きの品々を売っていて、商品も多様で、見て回るだけでも楽しかった。このティー・ジェー・マックスがハワイに出店してきて、びっくりしてしまった。
 写真は、ハワイ店である。)

 ハワイの数ある本屋の中でも、カハラの「ノーブル&バーンズ」は、トシにとって貴重な存在だった。
 カハラモールに買物に行ったときなど、真先にこの本屋に立ち寄ったものだ。何か特別な本を探す時もあったし、そうでなくても立ち寄って、書架を見ながらぶらぶら店内をさまようのも楽しかった。時には思いがけない本を見つけて買って帰ったりしていた。
 
 マディも、ママに似て本を読むのが好きだった。
  "  I'm not busy now.  "( ひまなんだけど )
とマディが言った。
  "  So what ?  " ( それがどうした? )
とトシが言う。
  "  How about going to ' Noble ' ?  " ( 本屋に行くというのはどう? )
  "  Sounds good !  " ( いいかも )とか言って、妙にそんな時は、お互いの気が合って、クリスティを誘って3人で出かけたりした。
 本を見たり読んだりしてひと段落したころに、マディが、
  "  Toshi ! There's an unoccupied seat !  " (トシ!席が一つ空いているよ!)と言いながら走ってくる。
 書店内のコーヒーショップは、いつもお客でいっぱいで空席を見つけるのが難しい。マディは、気を利かせて時々コーヒーショップを覗いては空席を見つけるとトシのほうに走ってきて教えてくれる。
 
 土曜日あるいは日曜日には、早朝ブライアン夫妻と、カピオラニ・コミュニティ・カレッジの朝市によく行った。
 農家の人たちがどこからとも集まってきて、露天を作り、野菜、ベーコン、果物、パン、ケーキ、チーズ、手作りの手芸品、色とりどりの花などを陳列していた。
 新鮮で農薬をあまり使っていないから体にいい。その上安いから遠くからも車で買いに来る人は多い。
 ブライアン夫妻は、日曜日には教会に行っていたから、土曜日に来ることが多かったが、それでも日曜日の礼拝が終わってからカピオラニに行くこともあった。一通り買い物が終わってから近くのレストランで「サンデーブランチ」を楽しんだ。その後で必ず訪れたのがカハラの本屋さんだったのである。

 女医のシーゲルさんとも、待ち合わせをするときは、必ずここの本屋さんだった。
  "  Could see you at six, right ?  " ( 6時には会えるけど )と仕事で忙しい病院から電話をかけてきた。「ジップス」や「トニー・ロマ」で、一緒に食事をした。
 
 カハラの高級住宅地に日本人の家族が住んでいた。
 もともとは東京日本橋のお医者さんの家系だったが、長男が医院を引き継ぎ、次男だったご主人は、アメリカに留学して博士号を得た。
 その後は、長い間アメリカの大学で教鞭をとった。そのご主人も、20年ほど前に亡くなったということだ。
 その奥さんは、もう90歳にもなっていた。他の人たちとは、英語でしか話せなかったが、奥さんとは日本語で会話をした。
 レストランなどで、みんなが気を利かせて奥さんとトシを隣り合わせの席にしてくれた。
 「日本語を話せてうれしいわ」と喜んでくれた。奥さんは、昔風のきれいで上品な日本語を話した。
 奥さんとも、この本屋さんで待ち合わせた。90歳にもなって、さすがに体は自由とは言えなかったが、つえを突きながら、エレベーターで屋上階まで上がってきた。もう60過ぎの娘さんと一緒にやってきて、トシを見つけるとにこやかに「ヤマダサン!」と声をかけてくれた。
 そのようなことを思い出してしまうのだ。この人たちはほとんどがアメリカ本土に移り住んでいったが、いまどのようにしているのだろう。

 ここの跡地は、友人によると「ロス」( Ross Dress for Less )と言うアウトレット店に変貌するようだ。
 ロスは、もともとアメリカに展開する衣料などのブランド品を20%から80%ほど値引きして売っている店である。