マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Sento "  ( 銭湯 )

2013-01-28 18:53:40 | ブライアン

 

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 ( カピオラニ公園にラクロスの試合を応援に行った )

 大きな波が押し寄せ、サーファーたちが波乗りをしている風景が目の前に広がるノースショアの家でパーティをしていた。
 いかにも平和な南国ハワイの風景だった。
 このようなところで、あの悲惨な「阪神淡路大震災」を思い起こすのは、いかにも似つかわしいことでなかった。
 たまたま見つけた震災の記事を見ながら、ブライアンが、
  "  We happened to be in Kobe at that time !  "   ( 私たちは、丁度あのときここにいたのだよなあ!)
 と漏らした言葉を聞きつけた、近くに立っていた女性が怪訝な顔をした。
 さらに、ブライアンは、横にいたトシを見ながら、 
  " Sensei came all the way as far as Kobe from Kyushu for us " (センセイが、九州からはるばる私たちのために来てくれたのだよ!)と言った時、皆はパーティの華やかな雰囲気に浸って居た時でもあり、俄かに、あの大惨事とブライアンを結びつけることができなかったのだろう。
 ブライアンが言っていることが、その場の雰囲気に合わない、いかにも唐突であり、みんなをからかうような感じがしたのは確かだった。

  震災後は、電気、ガス、水道など日常生活に欠かすことが出来ないすべてが機能しなくなり、更に何度も襲う余震に、みんなが脅えていたようだ。
 救援隊が各家を廻り、負傷している人を助けたり、死者を確認する作業に追われていた。
 家を離れて、小学校の校庭に集まるよう指示されたようだ。そこに行くと、毛布などの寝具、飲み物、食べ物などが支給されて、何とか生き延びれるよう手だてが施されていた。

 ブライアンは、自分の安否を心配してくれているだろう人たちに何とか連絡を取りたい気持ちはあっても、もとよりその方法がなかったのである。
 一週間ぐらいして、小学校の校庭にテントが張られ、仮設の電話が設置された時はほっとした。
 まずはカリフォーニアで心配しているだろう母親に電話をすると、すぐに通じたのである。
 受話器の向こうにいる母の声を聞いた時は、この上なく安堵した。今まで気丈にふるまってきたブライアンだったが、その時は思わず涙が出た。

 "  We've been to Sento.  "  ( セントウ《銭湯》に行ったよ )
  "  What's Sento ?  "  (  セントウって、なに? )
  "  A sort of Japanese communal bathhouse  "  ( 日本の共同風呂のことだよ )
 水着など着ないで、素っ裸で、知らない人たちと一緒に入る風呂のことだと説明したら、そこにいた女性が、
  "  I'm not likely to bathe in with others.  "  ( 私は、他の人と入浴できそうにないわ )

 ブライアンが言っているのは、自衛隊が小学校の校庭にテントを張り、簡易の共同風呂とシャワーを設置して、そこに被災者の人たちがやってきて体を洗っていた、そのような施設のことだった。
 彼も、気後れすることなく、みんなと一緒に入ったよ、ということだった。

 

 

 

( バスストップ: 右側の男性は、いつも変らぬ姿勢で座っている )


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6 コメント

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銭湯は (guroriosa)
2013-01-30 19:56:38
日本文化のひとつなので、
外国のかたがたには、前もって説明しておかないといけませんね。
石けんを持って浴そうの中に入ったり 、シャワーは立ってとか??

外国旅行から帰った人に聞くと、
「ゆっくり湯船につかりたい」 とよく言われます。
バスタブは、寝そべるような形でなんかなじめませんねぇ~

ハワイの道路で、
置物か人間かわからないようなオブジェ風のものをたくさん見ました。
突然動き出して驚きました(ノ゜⊿゜)ノ!!
すばらしい作品でした!!

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guroriosaさんへ (yamada)
2013-01-30 22:07:44
 確かに銭湯や温泉は、日本独特の文化ですよね。

 風呂に入るためのマナーがあって、洗い場で体を洗ったり、石鹸やタオルを中に持ち込まないなど、よく彼らに説明しなくてはいけませんね。

 ハワイで最初に住んだアパートにはシャワーだけで風呂がありませんでした。
 どうしても風呂に入りたくて、時々、サラの家に行って風呂を貸してもらっていました。

 ハワイでは、大きな建物の前には、必ずと言っていいほど彫刻があります。

 これらを見て回るのも楽しいです。
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バスストップに (ほっとひと息)
2013-01-31 16:00:13
面白いですね。
場所とマッチしています。

お風呂と言えば、私はバスタブで試みたい事があるのです。
それは泡風呂です。
映画にあるシーンに憧れて一度チャレンジしてみたいです。
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ほっとひと息さんへ (yamada)
2013-02-01 15:47:39
 戦後朝日新聞に「ブロンディ」という4コマ漫画が連載されていました。
 
 この漫画は、家庭生活、社交、人々のマナーなど、いわばアメリカの文化を知る上で貴重で、人によっては切り抜いてノートに貼ったりしていました。

 冷蔵庫があるのには驚きましたし、二階に風呂があって、旦那さんがバスタブの泡風呂の中で居眠りをしたり、新聞を読んだりしているの見てはびっくりしました。

 
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こんにちは (さくら)
2013-02-05 11:08:56
私も小さい頃は銭湯に行きました。
ご近所さんの溜まり場みたいで、楽しかったです。
ムト―ハップの薬風呂なんかもありましたね。
なつかしいです。

外国に行くといつも閉口するお風呂。
どんな高級ホテルでも×なんです。
シャワーが高い。 チビなので・・・
湯船と洗い場が欲しい ^^
私も泡風呂やってみたいな~
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さくらさんへ (yamada)
2013-02-06 18:24:14
 京都とか東京で、銭湯に行った思い出があります。

 銭湯もだんだんなくなっていますね。

 ハワイにいたときは、朝出かける前にシャワーを浴びて着替えをしていました。

 大学で横に座っている女性たちも、朝シャワーを浴びて、化粧をしてくるようでした。

 風呂に入ることは、あまりなかったですね。
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