マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Nono-Chan " ( ノンノちゃん )

2015-12-13 11:50:50 | マディソン

 

 

 

 
 トシが勝手にその人を「ノンノちゃん」と呼んでいるが、ほかの人たちがそのことを知っているのかどうかは知らない。彼女は、研究所の副所長でエライ人である。
 学会で日本にも時々やって来る。東京に来るのがほとんどだが、この前は京都に来た。ノーベル学者にも会って話をしたそうである。
 ノンノちゃんは以前からどんなきっかけかは知らないが、日本に関心を持っていて、かなりの日本通である。テレビで日本の衛星放送を引いて、英語版の日本のニュースを見ている。大相撲の時は、録画を予約して、帰宅してくつろぎの時間にその放送を見ながら、まるで自分が相撲を取っているみたいに体を揺らせながら興奮して見ている。
 
 彼女の飼い猫の名前が「バンザイ」である。どうしてそんな名前を付けたのかも知らない。ノンノちゃんが前に住んでいた家は、大きな家ではなかったせいか、バンザイは、外に出たがってドアに爪を立て引っ掻いて出してくれと訴えていた。今の家は豪邸で、外に出たがるそぶりも見せず、家の中を端から端に走り回っている。「バンザイ!」と呼ぶと何処からか走ってくる。
 ノンノちゃんは、日中は仕事で家にいないので、ネコのために自動で餌と水が出てくる装置を置いている。食べたいときに、また水分を取りたいときに、食べたり飲んだりできるので、やたら食いまくり、体重を増やしていって、ついには階段を登れないほど太ってしまった。
 走りまわるどころか、腹を床に擦りつけるようにしてようやく歩いている状態だった。
 14歳になったころには「バンザイ」は老いぼれて覇気が無くなっていた。今度はやせ細って、棒切れのようになった。「バンザイ!」と声をかけるとよぼよぼしながら近づいてきた。
 トシが日本に帰っていた時、「バンザイ」が死んだという知らせを受けた。ノンノちゃんに心からの哀悼を込めてメールを送ると、折り返し感謝の気持ちをまるで詩を読むような文章で伝えてきた。

 ノンノちゃんは、何処で買い集めたのだろう、たくさんの古い時代の日本の家具を持っていた。江戸時代のものかなと思える漆器、陶器、タンス、日本刀などちょっと見てもかなりのコレクションだと思えた。
 前に住んでいた家がそんなに大きくなくて、コレクションのために別棟を建てていた。いわば倉庫なのだが、中にびっしりそれらのコレクションが詰め込まれていた。人目につかないところに収納していたので、自分で鑑賞するのも、ほかの人たちに見せることもできなかった。
 今は風呂が3つもある大きな家に住んでいる。部屋の要所要所に自慢の収集品を飾っている。パーティの時など、訪れる人たちはまずコレクションに目を見張る。それらを見たくていろんな人たちがやってくるのである。

 ノンノちゃんはシカゴで生まれた。もともとは金持ちの出なのだろう。彼女が料理をするのを見たことがない。一度パーティの時に、トシが天ぷらを揚げている横で「春巻きみたいなもの」を作っていた。なんか危なかしい手つきだったので思わず手伝った。
  "  Your mom has taught you how to make it, perhaps !  " ( 作り方をお母さんに習ったの? )
  "  No ! Mom does never cook.  "  ( いいえ、母は料理をしないの )

 どうもベトナム人の家政婦が家で作っていたのを見覚えたものだと言っていた。
 ホールフッドで買ってきた材料がよかったのか、かなりの出来で、いかにもエスニックな味がした。


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1 コメント

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Unknown (さくら)
2016-01-30 22:37:28
御元気ですか?
最近ハワイに行って来ました
いいところですね  驚きました
物価が高いのが残念です
リゾート税も困りました ^^

ビーチの美しさ 気候の良さ 凄いです
虹がみたかったな~ 
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