カリフォルニア大学のマリナム教授が学会を終えて会議場の外に出た。ほっとしたようで空を見上げながら深呼吸をした。さてこれからどうしようかなあという仕草で、" Any place to eat ? " (どこか食べるところはあるかなあ!)と独り言のように言った。何か聞き取れなかったので、" What ? "(何ですって?)と聞き返した。
一日前にモールで「神戸ビーフ」を買っていたことを思い出した。思わず彼女に向かって、" What do you say to coming to my home and dining together ? "(うちに来て一緒に食事をしない?)とか言ってしまった。" Such wonderful !! "(すばらしいわ)ということで、家で「すき焼き」をすることに決まった。
「すき焼きパーティ」は人気があって、うわさを聞いた人たちが集まってくる。参加希望者が増えて困ることがある。このたびはひっそりと催すことに決めた。
近くに住むミラーさんには声をかけた。前に何回かすき焼きパーティに来ていたこともあって、料理の手伝いをしてくれるからである。それに可愛い女の子いつも一緒にやって来る。この娘がお喋りで、その場の雰囲気を一手に引き受け、みんなを楽しませてくれる。
急に電話をしたのだが、何はさておいてもやって来るというので、夕方ご主人を伴っていそいそとやってきた。家の中の雰囲気が一気に華やいだのは娘のニーナのおかげである。さそっくマリナム教授と話を始めたのである。
以前は、すき焼きなどマディソンではできなかった。食材が揃わなかったのである。
シカゴに行った序に帰りに「ヤオハン」に立ち寄り、ようやく日本の食材を買っていたのである。
最近では、マディソンに「オリエンタル・フッズ・ストア」ができて、主に中華料理の食材が揃っているが、日本の食材も手に入るようになった。
前日にすき焼きをしようと白菜、しらたき、えのき、ねぎなどを買い揃えていた。マディソンのモールに行けば「神戸ビーフ」も手に入る。