マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

" Madie made a painting of Yuri " ( マディがユーリの絵を描いた )

2013-04-28 17:15:35 | マディとクリスティ

 

 

 

( マディ + " a little bit " 《少しだけ》 トシの美術館: 愛犬ユーリの絵 )

   "  Don't !  Don't move !  I'm drawing.  You understand ?  " ( だめよ! 動いてはダメ! 今描いているところなんだから、わかっているの? )とか、マディは、動き回るユーリを叱りながら、悪戦苦闘である。
 まあ、しかし頑張ったおかげで、この絵は、雰囲気としてかなりユーリに似ている。

 トマソン先生がマディが持ってきた宿題の「ユーリ」の絵を見て、笑いながら、
  "  How 's Mr. Yamada ?  "  ( ミスター・ヤマダは元気ですか? )
  "  Oh !  He's fine.    (  トシは元気ですよ  )
 マディが、そんなに絵を上手に描けないのをトマソン先生は知っている。トシが傍にいて共同制作している情景が先生の脳裏に浮かんだのだろう。
 
 それを感じ取ったマディがすかさず、
  "  He helped me a little bit.  "  ( 彼が 《ちょっとだけ》手伝ってくれました )と言い足した。

 マディが、お絵かきの時間に、うまく描けなくて、いつも渋い顔をしながら頑張っているのをトマソン先生は見ていた。

 社会科の宿題など、マディは飛びぬけて才能を発揮するのだが、絵の宿題のような手を動かしたり、粘土細工や工作をするのは得意とは言えないのだ。
 「ねえ、トシ、何にしようか?」と相談に来た時には、「オリガミはどうだい?」と言ってしまった。
 ところがトシ自身オリガミを、ちょっと複雑なものは折ることができないのだ。
 マディが、「コイ・カープ( koi-carp )を描くのはどうかな?」と言った。
 
 マディは、以前カニオヘの平等院テンプルで池の中を泳ぎまわる鯉を見てすっかり魅せられていたのである。
 ハワイの海にも、色鮮やかな熱帯魚が泳いでいるが、鯉は、それらとは違って華麗できらびやかで、優雅に泳ぐ姿が、マディにはえらく気に入っているのである。

  一度ハワイプリンスホテルで、「鯉」の絵の展示会があるのを知ってマディを連れて行った。
 一通り見て回った後で、もう一度見ていい?と言うから、もちろんと言ったら、再び彼女は食い入るように一つ一つの作品を見入っていた。
 余程鯉のことが気に入ったのだろう。その後は、暇なとき思いついたように、「平等院に行こうか?」とか言って、ユーリ、クリスと一緒に行ったりしている。
 本人は、この度の宿題に鯉の絵を描いてみたいという気持ちがあったのだろう。

 

 

 


" How about playing Shogi ? " ( 将棋をする? )

2013-04-23 00:24:04 | ブライアン

 

 

         

          ( 『ロイヤルハワイアンバンド』は、クラシックからモダンジャズ、ハワイアンなど多彩な演奏レパートリーを持っている。追っかけをしていたら、団員に声をかけられるようになった )

 

 クイーン・エマ病院に搬送され、緊急手術をしたブライアンは、その後の経過は良好である。
 すっかり元の体に戻ったようで、仕事にもバリバリ励んでいる。
 夜中に緊急搬送されて、悪い個所が見つかって、直ぐに手術ということになった。しかも搬送先の病院が、すぐれた医者や設備に恵まれていたこともあり、適切な処置が施されて、結果として文句なしの治療を受けることができた。
 一週間ほどして帰ってきたブライアンは、まだとても立って歩くこともできない状態で、自室のベッドに伏せていたが、トシが訪れると、無理をしながら応接間に出てきて、カウチに横になったまま、なにかと話しかけようとしていた。

 " How about playing Shogi? " ( 将棋をしない? )とか言って、奥さんから
 " Don't say that !  Are you crazy? " ( そんなことを言うなんて、どうかしているのじゃないの? )とか怒られていた。

 自分は苦しんでいるのに、トシにはなにかと気を使っていた。
 トシが、「新聞を読んだり、テレビを見て楽しむからいいよ」と言っても、気になるのだろう。
 食事の時には、自分は飲めないのにワインのボトルを開け、注いでくれた。
 いつもは、トシが帰る時に車で送ってくれていたのだが、それも出来ないので、せめてということか、  
 "  I can go with Sensei up to the bus stop. " ( バス停までセンセイと行けるけど )
  " You stay !  I could go with Yamada-San, right ?  " ( あなたはここにいて! 私がヤマダサンと行くから、わかった? )と揉めているので、
 「ボクのことは心配いらないよ!」と言ったのだが、結局奥さんがバスストップまで付いてきた。
 カパフル通りはバスがなかなか来ないところで、30分ぐらいもベンチに座ったまま奥さんと話をしてしまった。

 ブライアンは、病後の運動不足で太ってしまい、「少し野菜を食べたら」とか「毎日歩くこともいいかもしれないね」とかの無責任なアドバイスをしていたら、肉を食べるのをやめたり、すこしづつだが歩くこともはじめている。
 カリフォーニア大学の学生時代はテニスのプレヤーだったり、ハワイに来ても、毎年ホノルルマラソンで走るくらいスポーツマンだったのに、アスリートの面影はない。
 かろうじて、「ホノルルクラブ〕で、暇な時に泳いだりサウナに入ったりしている。

 ひさしぶりにブライアンと将棋をした。3連戦だったが、トシの2勝1敗だった。
 しばらく実力が拮抗していたのだが、今はトシが一歩リードという感じである。どこかに歩きに出たり、散歩をする時も、携帯用の将棋板を持って行くことが多い。ショッピングモールなどで、人目も憚らず対戦してりしている。ブライアンは、最近では、ハワイの将棋連盟に行っていないらしく、腕前は停滞したままである。

 

 

 ( トシの美術館:ハワイのビーチで )

 


" Healthy food " ( 健康食 )

2013-04-15 08:31:40 | ハワイのB級グルメ

 

 

 

 ハワイにはかつてうどん店がいくつかあった。
 トシは、ラーメンよりうどんが好きだったから、そのどの店にも行っていた。しかしハワイの人たちというか、アメリカの人たちの口に合わないのか、かろうじて日本からの観光客だけが訪れていて、そのうち、一つまた一つと店が消えて行ったのである。
 一緒に行ったアメリカ人の友達にうどんの感想を聞いてみた。彼によると、麺にスープが入っているだけで、いかにも物足りない気がするということだったのである。その割に値段が高かった。
 トシにすると、異国でうどんを食べられるだけで嬉しい気持だったが、当時の日本円で計算すると1,000円ぐらいにもなった。たしかに他の食べ物に比べても、高い気がしたのである。

 余談だが、日本のトシ家にウイスコンシンのマディソンからホームステイに来た若い女性がいた。
 この女性は、消防署で男性に交じって働きながら、ウイスコンシン大学で学んでいた人である。
 消防署は、24時間勤務で、一週間に3日勤務するようになっていて、朝勤めが終わると、そのまま大学に通っていた。勤務の日には、当番で夜食を作る人がいて、彼女の当番の日に、こともあろうに「うどん」を作ったのである。
 日本にいたとき、彼女を連れてうどん屋に行ったことがあった。
 その味を覚えていて、マディソンの Oriental Grocery Store (オリエンタル・グローサリー・ストア)でうどんの材料を見つけたとき、いつもきまりきった消防署の食事でなく、珍しいうどんが頭に浮かんだようなのだ。

 早速、人数分の食材を買い消防署に運び込んだ。彼女にすれば、今夜の変わったメニューを同僚たちが喜んでくれると思ったようだ。
 書かれた作り方の指示に従って何とか出来上がり、それをテーブルに並べた。
 しかしはっきり言うと、同僚の反応は芳しくなかったのである。彼女にしては、初めて作ったうどんであり、出来栄えが素晴らしいというわけにはいかなかった。同僚達が食べ残して去って行った時には悲しくて涙が出た。
 ワイキキで、うどん屋が次々閉店するのを見て、トシも、元々うどんはアメリカ人には合わないのかなあと思ってしまったのである。

  ワイキキのど真ん中のクヒオ通りに最近 「Marukame Udon」(丸亀製麺)ができた。トシの予想を裏ぎってというか、" There is always a long line " (いつも長い行列)ができている。
 
  "  This restaurant is amazing.  It was just across the street from our hotel and every day there was a long line.   Since we were curious, we decided to try it.   Udon dishes are    prepared in front of you while you walk along the counter.   Very fresh, delicious and        inexpensive.    We went back several times for lunch after the first day.  "

 ( このレストランは素晴らしい。私たちのホテルから道を隔ててすぐのところにあって、いつも長い行列ができていた。興味が湧いたので、行ってみようと言うことになった。うどんは、カウンターに沿って歩いていると目の前で作ってくれる。大変新鮮で、おいしくて、安いのである。初めて行って以来、その後お昼時に数回も行ってしまったのである)

 日本からの旅行者のみならず、おそらくアメリカから来た人たち、ヨーロッパから来た人たち、オーストラリアから来た人たちにも、人気があるようで、これらの人たちが、行列に並んでいるのである。
 「うどんは、アメリカ人の口に合わない」と思い込んでいたトシの思惑も崩れるかもしれない。
 寿司を始め日本食が徐々に彼らの「食域」に入り込んだように、そのうち健康食として受け入れられるのではと思うようになってきた。

 

 

 

 

 

 


" The rich and the poor "  ( お金持ちも貧しい人も )

2013-04-04 17:29:36 | ハワイの思い出

 

 

 クラーク通りに住んでいたころ、近くに教会が2つあった。
 一つは、セントラル・ユニオン教会、もう一つは、セント・クレメント教会だった。
 セントラル・ユニオン教会は、大きくて由緒ある教会のようだった。礼拝堂は、屋根が尖ったゴシックの様式だった。
 散歩をしている時など、ふらっと教会の中を歩くことがあった。
 もちろんキリスト教徒ではないのだが、教会の厳かな佇まい、雰囲気には魅かれるものがあったのである。広々したヤードを横切って礼拝堂を覗いたりしていた。
 教会の人に出会って立ち話をすることもあった。気軽くコーヒーやクッキーを御馳走になるといった、なんとなく無関係の人をも受け入れてくれるような雰囲気があったのである。
 それに時々イベントがあって誘われた。信者が持ち寄ったのだろう、絵画、衣類、陶器、小物など展示して売っていた。ここでアイロンを2ドル(約200円)で買ったのを思い出す。

 イギリスの女優ケイト・インスレットさんがこの教会で結婚式を挙げた。
 日本人の間でもこの教会は人気があるようで、結婚式の希望者が順番待ちをしているということだった。一般の人たちだけでなく、日本の有名な俳優さん、ミュージシャン、お笑い芸人などがここで結婚式を行っていて、トシ自身、その場面に出くわしたことがある。
 有名な女優さんの結婚式には、日本からテレビなど沢山の取材陣が訪れていた。
 近くに住む人たちも、何事だろうかと興味津々の様子で、結婚式を遠巻きに眺めていた。
 白人の牧師さんは日本語を話した。どうも奥さんが日本人だということだったが、トシは会ったことがない。

 もう一つのセント・クレメント教会には、何度も礼拝に行ったことがある。今でもこの教会には立ち寄っている。
 初めて行ったときは、朝歩いていて、ちょうどその日が日曜日だったのだろう。覗き込んでいたら、牧師さんに声をかけられて、"  We welcome you !  " (よくいらっしゃいました! )とかいわれて、なんとなく礼拝に誘われた。
 自分は、仏教徒だからと断ったが、牧師さんは、仏教徒でも歓迎しますとのことで、好奇心から中に入ってしまった。
 聖書、賛美歌集、その日のプログラムを渡され、それらを持って後部の席に座った。
 以前、友人と教会に行ったことがあり、初めてではなく、礼拝がどんなものか雰囲気は知っていた。
 礼拝の途中、急に牧師さんが、「今日は、日本の方が立ち寄って下さり、今この礼拝に参加くださっています!」とトシのことを紹介した。
 本人は唐突なことであり、びっくりしてしまった。
 皆さんが、一斉にトシを捜し求める様子で視線を向けたので、思わず立ちあがって、「実は、私は近所に住んでいる者で、散歩の途中で迷い込んでしまいました」とか挨拶をしてしまった。そうすると聖歌隊の女性が壇上から降りてきて、手に持っていた「花のレイ」を首にかけてくれて、歓迎のハグをしてくれた。そんな思い出がある。

 渡された聖書をなんとなく読んでいたら、
 "  A good reputation is better than much wealth;  high esteem is better than silver and gold.      The rich and the poor have this in common.
 ( あの人はいい人だと言われるのは、お金持ちであることよりいいことだ。尊敬されることは、銀や金を有することよりいいことだ。お金持ちも貧しい人も、このことは、だれでもが有することが出来るのである )とかの言葉が目に付いた。

 

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