( ワイキキのビーチ )
レストランで食事をしていると、懐かしいハワイの音楽が聞こえてきた。
「サンゴ礁の彼方」、「ハワイアンウエディング・ソング」、「小さな竹の橋で」、「真珠貝の歌」、「ブルーハワイ」などを聞いていると、無性にハワイに行きたくなった。
実際にハワイにいると、このような日本人好みの歌を聴くことはあまりないのだが、日本で耳にすると、なぜかハワイへの思いを掻き立てられるのである。
最近では、日本にいてもハワイを感じることが多い。
レストランやコーヒーショップで、それとなく聞こえてくる「ハワイアンミュージック」もそうだし、メニューに「ロコモコ」が載っているレストランがある。
スーパーに行くとハワイの地元の「ビール」があったり、「マカデミアナッツ・チョコレート」が手に入るし、「コナコーヒー」もある。ハワイの人たちが好きな「スパムの缶詰」も売っている。
ハワイの高校生などが、気軽に立ち寄って買い求め、おいしそうに食べている「マラサダ」を東京で売っていた。大阪の長堀で偶々入ったレストランで、ハワイ風のパンケーキを食べたこともある。
パンケーキといえば、ハワイでは、「Eggs'nThings」が、すっかり有名である。
この店は、創業から37年になるらしいが、トシが知っているだけで2度も移転している。
急に店がなくなっているのに気づいて、知人に尋ねると、サラトガ通りにあるよと教えてくれる。
おそらく前にあった店では、手狭でお客をさばききれなくなったのだろう。
人気があって、いつもアメリカ本土からくるお客さんたちが、早朝から並んでいる。あそこは美味しいよと口コミで教えてもらうのか、なぜか人気なのである。
ここ数年は、日本人の客が多くなった。何かの雑誌で記事になったのだろうか。
この店の売りは、勿論クリーム、シロップ、ジャム、果物などが仰々しく乗ったパンケーキであるが、オムレツやクレープもおいしい。 この店が最近日本に進出するという噂を聞いた。
戦後まもなくのころは、ハワイも遠い存在だった。
だれでも行けるというわけでなく、仮に行くことができても、貨物船の空いた部屋に乗せてもらって、10日間も費やして、29万円も払っていた。
当時の29万円がどれほどの価値があったのかは、庶民にはわからないほどだ。
最近では、日本のあちこちの空港からホノルル行きの飛行機が飛んでいる。
福岡からも、ハワイアン航空とデルタ航空が毎日飛び立っている。以前JALとノースウエストが飛んでいたが、9・11やサーズなど、さらにリーマンショックの影響でお客が減ってきて、ついには飛ばなくなってしまった。
JALは、毎日ジャンボを飛ばしていたが、そのうちちょっと小型のDC10になり、いつの間にかホノルル便がなくなった。
ハワイに長年住んでいるかなり年配の女性の故郷は大分である。一年に2回里帰りを楽しんでいた。
福岡行の直行便があったころはよかったが、大阪や東京経由だと、荷物を積み替えたりで、疲れてもう日本には帰れません、と言っていた。
日本のあちこちの文化教室では、フラダンスのクラスがある。
そこで勉強したフラのグループが、練習の成果をハワイの人たちに見てもらうためか、毎年開かれる「ホノルルフェスティバル」にやってくる。
どちらかというと高齢の女性たちが多いが、九州から北は北海道まで、日本各地から参加している。
パーティで、知らない女性が、" I've been to Tokyo. " (東京に行ったことがあるのよ!) と話しかけてきた。
ハワイのプロのフラダンサーで、東京に行った時のことを懐かしそうに話した。
ホテルやイベントに招かれてフラショウを行っているらしいが、日本の雑誌に載ったことがきっかけで、日本にフラダンスの講師として招かれたようだ。
「東京駅や新宿の地下街は、素晴らしいわ!」と言っていた、「あのような地下街はニューヨークにもシカゴにもないわ」