マディと愛犬ユーリ、親友のクリスティ、それにハワイのこと

ハワイに住んでいたころ、マディという女の子が近所に住んでいて、犬のユーリを連れて遊びに来ていた。

ミックの家で

2010-08-18 13:53:27 | 日記

                     (7)

 週末、土曜日の午後、ミックの家に電話をした。
 エビを買って持って行こうと思ったのである。
 電話に出たのは、ミックでなく、奥さんだった。
 初対面?だと思ったので、挨拶をしていたら、
 「クラブで何度かお会いしましたよ」と言われたが、どの人がそうなのか思い当たらない。
 「エビを持って行きます」と言ったら、
 「すでにマリネしたエビが、冷蔵庫に入っていますので、買って来る必要はありませんよ」ということだった。
 「6時ごろ、主人が、お迎えに参りますので、よろしく」と言った。

 ミックの家族が住んでいるアパートは、マキキのヒルサイドにあった。もちろん、初めての訪問である。
 玄関のドアを開けると、迎えに出て来たのは、娘さんのようだった。
 背が高く、ほっそりして、可愛い顔をした小学校の6年生ぐらいかなという感じだった。
 お父さんの紹介で、
 「こちらは、ミスター・ヤマダ!」と言うと、彼女が、
 「私、ジョアンです!」と挨拶した。
 白くて、ほっそりした右手が伸びてきた。握手しながら、お互い、
 「はじめまして!」とか、初対面の挨拶をした。
 持ってきたナパワイン、ロジェとホワイトの2本を彼女に渡した。
 「どうもありがとう!」
 大人びた彼女の振る舞いは、日本的に言うと、「ませた」大人の感じだった。

 パーティと言っても、大勢の人がやって来るわけではない。
 家族3人と、料理に詳しいという奥さんの友だちとトシの5人である。
 まあ、「夕食会」といった雰囲気だろうか。
 アメリカでは、自分の家族と別の家族が、一緒に、週末、ディナーを共にすることは、よくあるのである。
 偶々、トシがミックに出会い、ジョヴァンニで、ガーリックシュリンプを食べたという話をしたことから、彼が、家に帰って、奥さんにそのことを話した。
 奥さんは、家で作ってみようか、と「シュリンプを食べる会」みたいなものを思いついたのだろう。
 ついでに、トシまで、招待されることになってしまった。

 もう一人のゲストは、年の頃40歳ぐらいか、独身で、何かの専門職に携わっている人のようで、気さくで、快活な女性だった。
 奥さんが、
 「こちらは、マリーですよ!」と紹介してくれたが、元の名前は、Marie なのか、Marian なのか、Maria なのか、どれだろう。

 結局、娘さんのジョアンも含めて、5人全員が台所に集まり、「ガーリックシュリンプ」の作業にとりかかった 。
 ちょっと動こうとすると、誰かにぶつかる。
 その度に、「アッ!スミマセン」
 「ゴメン!」とか言いながら、賑やかだった。
 持って行ったワインのボトルの一本は、既に開けられていて、大人たちは、グラスを左手に持ちながらの作業である。
 取り仕切ったのは、マリーである。作業手順を説明しながら、一人一人に指示を出していた。
 トシにも、適当に、
 「ブロッコリを湯がいてくれる?」とか、指示が下ってきたのである。

 以下は、マリーがメモしてくれた「ガーリックシュリンプ」の作り方である:
 
 材料と作り方: 

 クルマエビ (一人当たり 8尾 ) を予め、脊を割り、背ワタを取 る。
 それをボウルに入れ、おろしニンニクとおろし玉ねぎ、オリーブオイル、 クレイジーソルト、ブラックペッパー、ドライハーブ、バジルなどを加えて、数時間冷蔵庫で寝かせる。

 ライスクッカーでご飯を炊き、大皿に載せる。
 皿の端には、マッシュドポテイト、野菜サラダ、パイナプル、スライスレモンなどを添えておく。

 ひと揃い、準備ができてから、一気にガーリックシュリンプを料理する。
 フライパンにオリーブオイルをひき、頃合いを見て、マリネしたエビを入れる。
 その時、ボウルに残ったマリネ汁を加える。
 
 あまり強い火加減でない方がいいとのことである。
 さらに、にんにく、玉ねぎの細切りを加え、出来上がり直前に、白ワイン、レモン汁をかけ、ねぎのみじん切りを振りかける。
 
 そして、こんがり焼きあげていくと、香ばしいかおりが起ちこめてくる。
 嫌がうえにも、食欲が膨らんでくるはずだ。
 ジョアンも、
 [ワアァ!おいしそうだ!早く食べたい」
 
 テラスの急こしらえの食卓で、夕日が落ちていくのを眺めながら、ガーリックシュリンプのディナーを楽しんだのである。