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「シュミットさん」の話には関係ないことだが、テンプレートのサンプルを見ていて、今使っているブログのテンプレートを見つけた。赤い花は、ハイビスカスで、その上に寄りかかるように描かれているのは、「ヤモリ」だと思う。
一般に、アメリカ人の家庭では、夕方になっても、日本のように、煌々と蛍光灯を照らして明るくすることはない。
部屋の明かりは、フロアーライトやテーブルランプだけだから、日本から行くと、何とも薄暗い感じである。
間接照明で、必要なところだけを照らすようになっている。
ちなみに、「電気スタンド」という英語はない。
floor light, floor lamp, desk lamp, table light などを使っている。
食事のときは、さらに、照明を落として、テーブルのキャンドルの明かりだけだったりするので、戦時中のローソク送電を思い出して、惨めな気持になる、といった日本人がいたほどだ。
ハワイで、友達の家に夕食に招ばれて行った時、この家も、間接照明で、光の当たっている所だけが明るくて、その背後は、もう、薄暗い状態だった。
フロアーランプの薄明かりの向こうで、壁にへばりついた何かが、少し動いたように感じた。
壁に近づいてみると、再び、ピクッ!と動いた。
「生き物だ!」
はじめて、奇妙な生き物がいるのに気づいた。
思わず、友達に向かって、
「何か、動く物がいるよ!」と叫んだ。
「リザード(lizard:トカゲ)のような気持ちの悪いものだよ!」
友達がやって来て、
「ゲッコウだよ!」と言った。
確かに、トカゲではない。ヤモリのようだと気づいたが、ヤモリを英語で何と言うのか知らない。
「なんと言うの?」と聞くと、彼は、
「ゲッコウだよ!」
「トカゲと同じ種類だと思うよ!」
ちなみに、「ゲッコウ」というのは、geckoのことのようである。
「ホウキのような払うもの、何かない?」
「外に放り出すから!」と言うと、
「気にしなくていいよ!時々、遊びに来る奴だ!家の守り神だから!そのうち隣の家に行くだろう!」などと、吞気なことを言っている。
トシにすれば、このグニャグニャした生き物が、気味悪くて仕方がないのである。
ハワイに来た日本人から聞いた話だが、泊まっていたワイキキのホテルの部屋にヤモリがいて、びっくりしたそうである。ホテルとしても、そんなことは当たり前で、騒ぎ立てるのがおかしいと思っているのかもしれない。
こちらの人は、怖がったり、気持ち悪がったりしないのだろうか。
もう一つ、びっくりしたのは、やたら、ゴキブリ(cockroach)がいることである。
それも、日本にいるのと比べて、かなり大きい。その上、空を大きな羽音を立てながら飛んでいくのを見てびっくりしてしまった。
5階の部屋に住んでいたが、夕方など、窓を開けて、テラスに座っていたりすると、ブーン!と大きな音を立てながら、耳元を掠めて部屋に飛び込んで来た事が何度もあった。
こんな高いところまで飛んで来るんだ!
紙の袋などで捕まえて、5階から外に向かって放り投げると、どこかに飛んで行ってしまう。
また、やって来るかもしれないが、その時はそのとき、再度、捕まえて放り投げればいいことである。
後になって、ハワイの人たちと話していて気づいた事がある。
ハワイは、熱帯なのにワニがいない。蛇もいない。何より、蚊がいないので助かる。
ホテルのテラスなどで、食事をしたり、ワインのグラスを傾けている時、蚊がブーン!と飛んで来たら、雰囲気は、たちどころに台無しなってしまうだろう。
一度、ヌアヌドーセットの水源地で、ワニを見た、と言う人が現れた。
新聞やテレビがこの話を、大きく取り扱ったことがある。
話題が過熱してきたために、ホノルル市当局が乗り出し、調査をした。
しかし、やはりというか、ワニを見つけることはできなっかった。
結論は、
「木の切り株が浮いていたのを見間違えたのだろう!」ということになった。
やはり、ワニは、ハワイにはいないのだろう!
皆さん!ワニが、いることに期待したのか、いなくてホッとしたのかわからない。
やがて、この話題も、自然に消えていったように思う。