レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「自分が苦しい時は相手も苦しい」 スポーツ金言は有用、です

2021-12-19 00:00:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

寒かった先々週からはコロッと変わって、先週は暖かい日が続きました。金曜日とか、車の温度計は10℃を示していました。週間天気予報によると、こんな感じが少なくともまだ一週間は続くみたいです。

そうなると今年はホワイトクリスマスとはなりませんね。アイスランド語の面白い表現なのですが、雪のないクリスマスは「ブラッククリスマス」ではなく、raud jolロイズヨウル「赤いクリスマス」と呼びます。raudurロイズルとは「赤い」を意味する形容詞です。

アイスランド大学が運営しているvisindavefヴィーシンダヴェーフという教養サイトがあるのですが、それによると: 「Raud jolのraudとは『赤い』という意味ではなく、audurオイズルという別の形容詞と同じく『空の』『なにもない』を意味します。

そこから『雪のない』という様子もraudurで表すようになりました」とのこと。納得。

車の運転とか歩行に関しては、raudurの方がありがたいのですが、雪が多少なりとも積もっていると、周囲の明るさが増します。その点では多少の雪があった方がありがたいような。というのは、まったく自己中な勝手な思いか?(^-^;




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Bailey_Zindel@unsplash.com


さて、師走ですが元気してますか?やはりお忙しいでしょうか?私の方は、かなり怒涛の渦中の日々といった感じです。まあ、ちょっと大袈裟ですが。

私はキリスト教会の牧師なのですが(一応)、大雑把にいって仕事の内容にいくつかの「分野」というか「区分け」があります。

まずはもちろん教会での日曜礼拝等の集会を持つこと。その延長線上にもある、ネットやビデオを使った教会内外への働きかけ。難民の方の支援をしていますので、教会とは特に関係のない人たちを含めての、難民の方々への実際的な援助。そして最後が、私がいる教会だけでない、国民教会全体としての取り組みの立案と実行。

だいたいこの四つが、ここ数年は仕事上のよっつの柱となっています。これらの四つはそれぞれに波長というか、潮の満ち引きのようなリズムがあります。いつの同等に課題がやってくるわけではないのです。

例えば、去年の今頃はコロナのせいで、ネット、ビデオ関係の課題が山のようにあって汲々としていたのですが、その反面、教会での集会はありませんでした。

同時に、国境の管理が厳しかったために、新しい難民(申請者)の到来もストップしていました。ですから、難民の人たちへの実務的な支援も少なかったのです。

それが今年の場合は、コロナボケでこの四つの柱もリズムを失ってしまったのか、すべてが満遍なく押し寄せてきているのです。




ああ「密」だった コロナ前のクリスマス礼拝


英国などと同じく、アイスランドもコロナの新規感染者数は多く、日毎150〜200人が陽性判明しています。英国の一日何万人というのとは桁が違いますが、人口数も桁が違いますので、割合的には同じようなものです。

そして、現在のアイスランドの方針は「感染者が減らなくても、大きな制限は設けない」という、これも英国流対策です。

おかげで教会の活動そのものはほぼ平常並みのスケジュールで組まれています。難民申請者の人たちも、勢いはそれほどではないものの、着実に再び増加傾向にあります。当然、実務支援も付随してきます。

その一方で、コロナ対策は常に存在していますので、強制あるいは自主隔離中の人も常に一定数あることになり、そういう人たちのことも考えたビデオ等は作り続ける必要があります。

さらに、移民・難民事情に関しての国民教会の向こう四年間の施策プランが、私を含めた作業部会から出され、先月合意されました。で、その件についても実行プランに着手しないといけない。

というわけで、四つの分野で同時に満潮になってしまったかのような騒ぎなのです。

こういう中で、集会参加者などから「コロナ陽性」とか「濃厚接触者としての隔離入り」とかが出てくると、予定のドタキャンや相当な変更を余儀なくされますよね。これも(私の職場では)昨年はなかったことです。

日本でも、飲食店関係の皆さんとかはずーっとそういう感じでやってこられたのでしょうから、本当に大変だろうな、とお察しいたします。




これも2019年のクリスマス前の子供集会 サンタさん降臨


先週の木曜日には、私と同じ教会にいるソーラさんというに頼まれて、十五分くらいの短い動画を撮影することになっていました。ソーラさんはレイキャビク地区の教会の高齢者の方々のために働いています。

高齢者の方々は、やはりコロナに対して必要警戒度が高いですから、集会参加を遠慮している人も多いのです。その方達のことを考えての、クリスマス的な楽しく落ち着いた音楽付きの動画を、ということでした。

ところが、撮影予定日の昼になって、出演予定だった女性歌手の方がコロナ陽性者の「濃厚接触者」としての隔離入り。Oh, My Go - ogle!

それでも、なんとか代理の歌手を教会関連者の中から見つけ出し、動画撮影へ。ソーラさん自身の短いHugleidingフーグレイジング(この言葉は適当な訳語が思い浮かびません。英語でさえピッタリする言葉がないのです。特定のテーマについての思索をシェアすること、みたいなものです)の撮影から始まりました。




これは先週 動画撮影準備中


ところが、ソーラさん。撮影が始まった夕方の五時にはもうクッタクタになってしまっていて、「楽しいクリスマスを」とか言いながら、表情は草葉の陰から出てきたような感じ。 「疲れきったクリスマスを...」

三分のお話しを、計15回くらい撮り直すこととなりました。その間こっちも立ちっぱなしでさすがに疲れたわー。その後合流した歌の部分は順調に進みましたが、それでも終わったのは九時前。一時間で終わるはずのコンテンツだったのですが。

もちろんこれ、ソーラさんが悪いのではなく、みんなそういう状況の中にいるのです。よく、スポーツの試合とかで、均衡状態が続くしんどい状況の時に「自分が苦しい時は、相手も苦しい。だからねばって、あきらめるな!」とか言うじゃないですか。

それとは状況というか、目的がまったく違うのですが、忙しくて自分がしんどい時とか、イライラが増してくる時とかにも、同じ言葉は有用だと思いますね。勝つことではなく、支え合うことの方が目的になりますが。

イライラ、しんどいのが自分だけだと思うと耐えきれなくなるものが、みんなそうなんだ、と気がつくと意外と受け入れやすくなったりして、周囲にも当たらずにすますことができるようです。

皆様も、右手に師走、左手にコロナ対策、のような日々を過ごしと思います。イライラが増した時には、「私はイライラしている。でも、それはみんな同じ」と心中(しんちゅう)で念じてみてください。実際に効果ありますよ、私の経験では。(*^^*)

平和で良いクリスマスでありますように!


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
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