こんにちは/こんばんは。
また一回更新を飛ばしてしまいました。これはワタシのせいではありません。勝手に時間が経つのが速くなっているのです。この間(あいだ)復活祭を祝ったばかりなのに(3月31日)、目を開けると四月も終わりそうじゃないですか!
こういうのは公平ではありません。時間は公平に流れてくれないと...
ああ、それに日本ではGWが始まっているんですね。ニュースで見なかったら、完全に頭から消えていましたよ。
清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Mark_Olsen@unsplash_com
先週の木曜日はSumardagurinn fyrstiスーマルダーグリン・フィルスティ「夏の第一日」と呼ばれる日で、国民の祝日でした。日付ではなく「四月の第四木曜日」として定められています。
この日の前後には、皆Gledilegt sumarグレージィレクト スーマル「喜ばしい夏を」という挨拶言葉を口にします。さらにTakk fyrir veturinnタックフェーリル ヴェートゥリン「(昨)冬をありがとう」と付け加えることも普通です。
アイスランドでは公式には季節は「夏」と「冬」のふたつだけです。そして「冬」は働き活動する時、「夏」は日々を楽しむべき時、というようなざっくりとした「心構え」となっています。
実際は、夏の第一日の頃にはまだ雪が舞うようなこともあり、「夏」というと笑ってしまうこともあるのですが、今年はまあ夏っぽく暖かい日となりました。その前の二日ほどもそうだったのですが、家の中にいるときはTシャツにトレーニング用のショーツだけでも「暑くて」汗ばんできたりしました。この時期にそういうのは珍しいことです。
さて、今回はアイスランド人の名前についてです。アイスランド人の名前に関しては、以前にも数回書いたことがあります。なるべく繰返しにならないようにしてみたいと思います。
アイスランド人の名前
アイスランド人の名前 番外編
欧米の伝統的な名前を思い浮かべる時、例えばGeorge Walker Bush のようにみっつの名前が並んでいることがあります。珍しくはないですよね。(といいながらもブッシュ元大統領以外にはにわかには思いいつかなかった(^-^; )
ブッシュ米元大統領(息子)別に支持者ではありませんから
Myndin er ur Wikipedia.org
ファーストネーム、ミドルネーム、ファミリーネームと区分するのが普通ですし、ミドルネームというのは、単にふたつ目のファーストネームというくらいの認識だと思います。もちろん、名付けた親にとってはわざわざそうするだけの思い入れがあるのでしょうが。
私の娘もマリアというミドルネームを持っています。わりと最近(二十年くらい前?)法律が改正されて、例えば日本のパスポートでもちゃんと「ミドルネーム」を記載するスペースが設けられるようになりました。ちなみに戸籍ではミドルネームはないはずです、まだ。
アイスランド人は、一般に名前を多数持っています。みっつの名前はまったくゴロゴロしていますし、よっつの名前を持つ人もかなりいます。
例えば現在の外務大臣はThordis Kolbrun Reykfjord Gylfadottirという(結構ワタシのお気に入りの)女性です。カナ表記にするとソルディス・コルブルン・レイクフョルズ・ギルヴァドティールかな?注釈ですが、このブログではアイスランド特有の文字はローマ字に変換して書いています。
このうち、Thordis Kolbrunというふたつの名前はファーストネームです。こちらではskirnarnafnスキールナーナブン「洗礼名」とかfornafnフォルナブン「前の名前」、eiginnafnエイインナブン「自身の名前」とかとも呼ばれます。要するに私たちが考えるファーストネームです、ふたつあっても。
最後のGylfadottirはファミリーネームではなく、aettarnafnアヒターナブンといい、強いて言えば「出自ネーム」とでもいうのかな?つまりはお父さんのファーストネームに「娘」dottirか「息子」sonをつけたものになります。この場合は「ギルヴィの娘」ということになります。フツーのアイスランド人の名前は、このようにして「XXの息子」か「XXの娘」の形でしめくくられます。
私たちが考えるファミリーネームを持つ人もいますが、話しがややこしくなるので今回は無視します。
ソルディス・コルブルン外務大臣
Myndin er ur Visir.is/VILHELM
さて問題はみっつめのReykfjordです。これはmillinafnミットゥリナブンと呼ばれ、ミドルネームなのですが、英語圏などと違うのは、アイスランドではこのミドルネームはすでに用意されている名前のリストの中から選ばなくてはなりません。
っていうか、アイスランドでは名前はすべてリスト化されていて、勝手な名前は付けられないのですが、ミドルネームはその中でもmillinafnとして用意されたものの中から選ばなくてはなりません。もちろん付けなくてもいいんですよ。ファーストネームをふたつ付けてもいいのですから。
加えて、このmillinafn にはいくつかの特徴があります。まず、アイスランドの名前は格変化(「てにをは」のようなもの。以前に書いたブログで読んでください)するのですが、millinafnは変化しません。加えてmillinafnには男女の区別がありません。両性共有。これはかなりファーストネームと異なる点だと思います。
こうなると、そもそもこのmillinafnは何なのか?ということになります。そうなんです。何なんでしょうか、このmillinafn?ちょっと調べたのですが、答えは不明です。
私の印象では、milinafnは地名と結びついているような気がします。Reykfjordの-fjordはフィヨルドのことです。他にも例えばSaedalというmillinafnの-dalは「谷」を表す言葉です。そういうのが多いのです。
だから、日本でも「二丁目のマツコさん」みたいに地名付きで名前をいうことあるじゃないですか。ああいうのの伝統的バージョンだったのではないか?と想像します。それは名前ではないけど、名前にくっついてくる「固有の修飾辞」みたいな。
それが年月が経つうちに伝統文化化してきて、それを守るためにmillinafnとして保存しているのではないか?と。ですから、ざっとみた感じではmillinafnを使っている人はマレです。
今回は確定情報でなくてゴメンナサイですが、機会があれば博識な人に尋ねてみます。
清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Mike_Swingunski@unsplash_com
それでも今回も新発見はありました。Millinafnの例外的なものとして、親のファーストネームの「所有格形」をmillinafnとして用いても良いのだそうです。例えばお母さんがHelgaさんとしますと、その「所有格形」Helgu(もちろん意味は「ヘルガの」となりますが)をmillinafnとしても良いのだそうです。
これでひとつ謎が解けました。同僚の女性牧師にGudny Helgu Jonsdottir という人がいます。以前はGuby Jonsdottirだけだったのですが、いつぞや「なんで父親の名前だけ名乗らなくていけないのか?」という、ある意味当然の疑問がアイスランド人女性の中から湧き上がった頃から、Gudny Helgu- Jonsdottirと名乗り始めました。
Jonsdottirは「ヨウンの娘」ですから、そこへHelgu-を添えることによって、「ヘルガの」も追加したわけです。「ヘルガとヨウンの娘」当然これはプライベートな用法で、ニックネーム的なものだと考えていたのですけどね。
それが最近、Helgu- の「-」ハイフンが消えてHelgu だけになっているの気がつきました。多分、Helguを正式にmillinafnとして登録したのではないかと思います。これも未確認情報ですが。
あのですねえ、今日は割愛しましたが、ここにアイスランド人のファミリーネームというものもあります。持っている人は限られています。そして、ここに外国人たちが入ってくると、アイスランドの名前市場は大変複雑怪奇なものになってくるのです。
先ほど書きましたように、アイスランドでは名前はきちんと管理されており、好き勝手な命名はできません。名前を審査する公的な委員会があり、さらに命名に関する法律もあります。
人名は生き物ですから、いつでも変化したり、人気のトレンドがあったりします。結果、いつでも新しい名前の審査が行われており、命名の法律も変わり続けています。正直言って、現行法がどんなものか着いていっていません。
私はこちらではToshiki Tomaで確定していますし、時に日本政府のオススメに従ってToma Toshikiも使います。でもMillinafnをもらうのもクールかも。Toshiki Reykfjord Toma なんて。威厳が増すか?元々ないから無理か... (^-^;
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
また一回更新を飛ばしてしまいました。これはワタシのせいではありません。勝手に時間が経つのが速くなっているのです。この間(あいだ)復活祭を祝ったばかりなのに(3月31日)、目を開けると四月も終わりそうじゃないですか!
こういうのは公平ではありません。時間は公平に流れてくれないと...
ああ、それに日本ではGWが始まっているんですね。ニュースで見なかったら、完全に頭から消えていましたよ。
清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Mark_Olsen@unsplash_com
先週の木曜日はSumardagurinn fyrstiスーマルダーグリン・フィルスティ「夏の第一日」と呼ばれる日で、国民の祝日でした。日付ではなく「四月の第四木曜日」として定められています。
この日の前後には、皆Gledilegt sumarグレージィレクト スーマル「喜ばしい夏を」という挨拶言葉を口にします。さらにTakk fyrir veturinnタックフェーリル ヴェートゥリン「(昨)冬をありがとう」と付け加えることも普通です。
アイスランドでは公式には季節は「夏」と「冬」のふたつだけです。そして「冬」は働き活動する時、「夏」は日々を楽しむべき時、というようなざっくりとした「心構え」となっています。
実際は、夏の第一日の頃にはまだ雪が舞うようなこともあり、「夏」というと笑ってしまうこともあるのですが、今年はまあ夏っぽく暖かい日となりました。その前の二日ほどもそうだったのですが、家の中にいるときはTシャツにトレーニング用のショーツだけでも「暑くて」汗ばんできたりしました。この時期にそういうのは珍しいことです。
さて、今回はアイスランド人の名前についてです。アイスランド人の名前に関しては、以前にも数回書いたことがあります。なるべく繰返しにならないようにしてみたいと思います。
アイスランド人の名前
アイスランド人の名前 番外編
欧米の伝統的な名前を思い浮かべる時、例えばGeorge Walker Bush のようにみっつの名前が並んでいることがあります。珍しくはないですよね。(といいながらもブッシュ元大統領以外にはにわかには思いいつかなかった(^-^; )
ブッシュ米元大統領(息子)別に支持者ではありませんから
Myndin er ur Wikipedia.org
ファーストネーム、ミドルネーム、ファミリーネームと区分するのが普通ですし、ミドルネームというのは、単にふたつ目のファーストネームというくらいの認識だと思います。もちろん、名付けた親にとってはわざわざそうするだけの思い入れがあるのでしょうが。
私の娘もマリアというミドルネームを持っています。わりと最近(二十年くらい前?)法律が改正されて、例えば日本のパスポートでもちゃんと「ミドルネーム」を記載するスペースが設けられるようになりました。ちなみに戸籍ではミドルネームはないはずです、まだ。
アイスランド人は、一般に名前を多数持っています。みっつの名前はまったくゴロゴロしていますし、よっつの名前を持つ人もかなりいます。
例えば現在の外務大臣はThordis Kolbrun Reykfjord Gylfadottirという(結構ワタシのお気に入りの)女性です。カナ表記にするとソルディス・コルブルン・レイクフョルズ・ギルヴァドティールかな?注釈ですが、このブログではアイスランド特有の文字はローマ字に変換して書いています。
このうち、Thordis Kolbrunというふたつの名前はファーストネームです。こちらではskirnarnafnスキールナーナブン「洗礼名」とかfornafnフォルナブン「前の名前」、eiginnafnエイインナブン「自身の名前」とかとも呼ばれます。要するに私たちが考えるファーストネームです、ふたつあっても。
最後のGylfadottirはファミリーネームではなく、aettarnafnアヒターナブンといい、強いて言えば「出自ネーム」とでもいうのかな?つまりはお父さんのファーストネームに「娘」dottirか「息子」sonをつけたものになります。この場合は「ギルヴィの娘」ということになります。フツーのアイスランド人の名前は、このようにして「XXの息子」か「XXの娘」の形でしめくくられます。
私たちが考えるファミリーネームを持つ人もいますが、話しがややこしくなるので今回は無視します。
ソルディス・コルブルン外務大臣
Myndin er ur Visir.is/VILHELM
さて問題はみっつめのReykfjordです。これはmillinafnミットゥリナブンと呼ばれ、ミドルネームなのですが、英語圏などと違うのは、アイスランドではこのミドルネームはすでに用意されている名前のリストの中から選ばなくてはなりません。
っていうか、アイスランドでは名前はすべてリスト化されていて、勝手な名前は付けられないのですが、ミドルネームはその中でもmillinafnとして用意されたものの中から選ばなくてはなりません。もちろん付けなくてもいいんですよ。ファーストネームをふたつ付けてもいいのですから。
加えて、このmillinafn にはいくつかの特徴があります。まず、アイスランドの名前は格変化(「てにをは」のようなもの。以前に書いたブログで読んでください)するのですが、millinafnは変化しません。加えてmillinafnには男女の区別がありません。両性共有。これはかなりファーストネームと異なる点だと思います。
こうなると、そもそもこのmillinafnは何なのか?ということになります。そうなんです。何なんでしょうか、このmillinafn?ちょっと調べたのですが、答えは不明です。
私の印象では、milinafnは地名と結びついているような気がします。Reykfjordの-fjordはフィヨルドのことです。他にも例えばSaedalというmillinafnの-dalは「谷」を表す言葉です。そういうのが多いのです。
だから、日本でも「二丁目のマツコさん」みたいに地名付きで名前をいうことあるじゃないですか。ああいうのの伝統的バージョンだったのではないか?と想像します。それは名前ではないけど、名前にくっついてくる「固有の修飾辞」みたいな。
それが年月が経つうちに伝統文化化してきて、それを守るためにmillinafnとして保存しているのではないか?と。ですから、ざっとみた感じではmillinafnを使っている人はマレです。
今回は確定情報でなくてゴメンナサイですが、機会があれば博識な人に尋ねてみます。
清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Mike_Swingunski@unsplash_com
それでも今回も新発見はありました。Millinafnの例外的なものとして、親のファーストネームの「所有格形」をmillinafnとして用いても良いのだそうです。例えばお母さんがHelgaさんとしますと、その「所有格形」Helgu(もちろん意味は「ヘルガの」となりますが)をmillinafnとしても良いのだそうです。
これでひとつ謎が解けました。同僚の女性牧師にGudny Helgu Jonsdottir という人がいます。以前はGuby Jonsdottirだけだったのですが、いつぞや「なんで父親の名前だけ名乗らなくていけないのか?」という、ある意味当然の疑問がアイスランド人女性の中から湧き上がった頃から、Gudny Helgu- Jonsdottirと名乗り始めました。
Jonsdottirは「ヨウンの娘」ですから、そこへHelgu-を添えることによって、「ヘルガの」も追加したわけです。「ヘルガとヨウンの娘」当然これはプライベートな用法で、ニックネーム的なものだと考えていたのですけどね。
それが最近、Helgu- の「-」ハイフンが消えてHelgu だけになっているの気がつきました。多分、Helguを正式にmillinafnとして登録したのではないかと思います。これも未確認情報ですが。
あのですねえ、今日は割愛しましたが、ここにアイスランド人のファミリーネームというものもあります。持っている人は限られています。そして、ここに外国人たちが入ってくると、アイスランドの名前市場は大変複雑怪奇なものになってくるのです。
先ほど書きましたように、アイスランドでは名前はきちんと管理されており、好き勝手な命名はできません。名前を審査する公的な委員会があり、さらに命名に関する法律もあります。
人名は生き物ですから、いつでも変化したり、人気のトレンドがあったりします。結果、いつでも新しい名前の審査が行われており、命名の法律も変わり続けています。正直言って、現行法がどんなものか着いていっていません。
私はこちらではToshiki Tomaで確定していますし、時に日本政府のオススメに従ってToma Toshikiも使います。でもMillinafnをもらうのもクールかも。Toshiki Reykfjord Toma なんて。威厳が増すか?元々ないから無理か... (^-^;
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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アラブ圏では苗字の代わりに父親、祖父の名前とかを繋げることが多いようですし、きちんとした書式を埋めるのに考え込むことがあります。
ニックネームを実名のように使っている人も相当あるますし、世界の常識は「不可思議」です。(^-^;