教えて!TOSHIさん:ブログ版

ライブハウス<T☆ROCKS>のオーナーTOSHIによる、音楽や音楽以外・・のお話!

マイクの正しい使い方

2015-09-23 | 音楽的アドバイス

恐らく・・・カラオケなどでマイクには慣れてる方が多いと思う。

あとはTVなんかでアーティストが歌っているのをよく見かけるから、通常の

マイク、ヘッドセットマイク、イヤモニターなども見慣れていると思うけど、使い方が

きちんとわかっている人はいったいどのくらいいるのか・・・。

たまに疑問に思う。

 

基本的にステージ用マイクは、指向性と言って、音を拾う方向が決まっていて、

360度どの方向からも同じように音を拾うようには出来ていない。

マイクグリルのトップ(先端)が一番感度が良く、側面、後方は感度が悪くなっていて、

その時間差で指向性を出している。

持ち方はマイクの腹の部分、グリルの下側をしっかり持って、マイクの先端を口に対して

まっすぐに向けて、声の大きさによって、くっつけてたり、少し離したり、調整しながら、

使うのが正しい。調整できなかったら下唇に少しつけるくらいでいい。

確かに5~10センチほど離した方が、音質的には良いと思うが、ことバンドの場合は、

音質云々より、お客さんに声が届くか届かないかが大きなポイントになる。

ロニー・ジェイムス・ディオ、あるいはグラハム・ボネット、はたまた布施明ならいざ知らず、

通常のボーカリストは出来るだけ近づけた方が賢明だろう。

 

指向性があると書いたが、距離ももちろん関係する。5センチ離すのと、15センチ離すのとでは

大きな違いがある。T☆ROCKSは一番ポピュラーなシュアーSM58を使っているので、

まずはデフォルトの指向性のマイクなのだが、もっと指向性に顕著なオーデックスのマイクなど

だと、5センチ離しただけで急に拾わなくなる。

 

そもそもなぜ、こんな扱いに面倒な指向性の強いマイクを使うのか。

そう、ご想像通り、「歌だけを拾いたい」からである。

無指向性で、遠くの音もしっかり拾う、コンデンサーマイクのようなマイクだと、ステージ上の

すべての音、ドラムからギター、ベースなどなんでも拾って、PA的に大変なことになってしまう。

まあ、それでも声が一番大きく入るだろうけど、モニターに返す場合に、いろんな音も一緒に

拾ってしまい、自分の声と一緒に他の楽器の音も一緒に返ってしまうのであまり良いモニター

環境とは言えない。

 

なので、マイクには極力「自分の声のみ」を入れることを考えて、しっかりと声が拾えるように、

マイクの向き、角度を調整して使ってほしい。

 

先ほど正しい持ち方を書いたが、正しくない持ち方をしている人もいる。

まあ、正しくない持ち方をしても死にはしないのでいいいんだけど、一番多いのが、

「グリルを覆ってしまう」持ち方。

かっこいいのはわかるが、グリルを覆ってしまうと、声質がこもった感じになるし、

声も拾いづらいし、ハウリングがしやすくなる。

プロがそういう持ち方をするのは、それをわかった上で、いろいろ工夫してやっていると

思われる。

「正しくないやり方を、知っていてやる場合」と「知らずにやる場合」とでは意味が違ってくると

思う。

 

また、マイクを口から話して歌う癖のある人で、そうするとモニターから自分の声が聞きづらく

なるので、モニター音量を上げてくれと言うことになり、結果、ハウリング一歩手前のキンキン

したモニター環境になる場合があるんだけど、そうすると、「キンキンしてハウリングしそうなので

怖いからマイクを口から離した」と、言って、ますますマイクから口が離れてしまう。

これこそ本末転倒、悪循環で、マイクに近づいて歌ってくれれば、「自分の声のみマイクに

乗りやすくなる」ので、それほどモニターの音量を上げなくても済むはずである。

 

マイクの使い方がヘタで、自分のモニター環境がうまく作れない人が意外と多くて、

なかなかに閉口するときがある。

自分は、よく雑誌で洋楽のアーティストのマネをすると言うか、参考にしたね。

やはり楽器を弾きながら歌う人、ポール・マッカートニーやスージー・クアトロの写真を

見て、同じようにしたものだ。特にスージー・クアトロはマイクに口を付けて歌うので、

自分でも同じようにしていた。マイクスタンドをちょっと低めにして、かがんで歌うのは、

ナイトレンジャーのジャック・ブレイズのマネ(笑)。なんというか、「楽器を弾いているので、

ちょっと無理な体制で歌ってますよ」的なかっこよさってあるじゃない?(笑)。

ピアノなんかでも両手がふさがっているので、無理な姿勢で顔をマイクに向けて

歌っているかっこよさとか。

特にナイト・レンジャーのカバーバンドのニテ・レンジャー、またはさらにそのマネのニセ・レンジャー

をやるときはジャック・ブレイズと同じように、ストレートのマイクスタンドを使う。

これが楽器を弾きながらだと究極に歌いづらい、いや、演奏がしにくい。

必然的に腰を曲げて、いわゆるへっぴり腰にならないと、右手がマイクスタンドに当たって、ピックを

落としてしまう。楽器を弾きながら歌う人がブームスタンドを使う意味がよくわかるよ。

それでもストレートスタンドは、ビートルズがそうだったように、古きよき時代のイメージや、

バンドはブームスタンドで主役はストレートスタンドよ、みたいな一種の見た目の美学がある。

人それぞれだけど(笑)。まあ、ジャックがなぜストレートにこだわるのかわからないけど、あれも

彼の美学なんだろう。おかげでマネする際に苦労したよ、ホント。

ポール・マッカートニーにしろ、スージー・クアトロにしろ、やはりブームスタンドだ。

ポールに至ってはウイングスの時にブーム・スタンドを極端に高く上げて、顔の位置あたりで

90度にまげて口元まで持ってきて自分の身体の前には何もない状態にしていた。

まるで中二病のビジュアル系がやるみたいだが(苦笑)楽器を弾く人は体の前に障害物があると

弾きづらいもんね。

あ、でもブルース・スプリングスティーンってどうだったろう?ストレートじゃなかったっけ?

 

 

まあ、話がそれたけどマイクの正しい使い方をまずはしっかり頭に入れてから、色々なこだわりを

持つなり、自分のマイクを買うなりした方がいいと思うってこと。

間違った使い方をしているといつまでもきちんと自分の声が拾えない。

 

 


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