「つるったぐり」は漢字で表せば「蔓手繰り」で収穫を終えた蔓物作物を片付ける事でもあるのだが、その時に集果される未熟果の事も言う。孤爺の少年期、このつるったぐりの不用果は家畜の餌として利用したけれど我が庭で採果されたつるったぐりも捨てるには忍びない。生食ではキュウリよりましだけれど「瓜」と思うと美味しくはない。そこで即席漬けで消費する事にした。
まずはサイコロに切り酢醤油と唐辛子で漬けてみる。一緒に付けたのは「キュウリとナスのキムチ糀漬け」だ。江上トミ先生だったか「糠漬けとキムチは両横綱です」と著書にあったのを忘れてはいないが糠漬けは管理が面倒でとうの昔に放棄し、今は安い早い旨い、市販のキムチが代表格になった。しかし辛みが小生には難敵で、少しでも緩和するため糀とヨーグルトチーズを混ぜて食べやすくしている。その素材をナスとキュウリの薄切りに混ぜ合わしたのだ。混ぜ合わせて直ぐ実食できるから言わばまあ、サラダ感覚なのであるけれど瓜の酢醤油漬けは一晩寝かせた。
食べて見れば思いのほか瓜の味がして生食より味わいが強くなったように思えるけれど後味に唐辛子の刺激が残る。これも漬物と言うよりサラダ感覚の一品になっていて、両方ともアフアフと口に放り込めるのであった。夏場の、特に今年の猛暑の夏では食欲が落ちそうになるけれど廃棄物当然のつるったぐりをサラダ感覚で美味しく食べれるのは有難い。食品廃棄率を低下させる云々ではなく食べられるのはとことん利用するのは何処でも伝統文化であったはずなのだが孤爺の世代でそれも終わるのだろうね。それで思い出したのは子供時代、13人家族だったのにゴミは殆ど溜まらないのであった。台所の残渣物は家畜の飼葉槽に、他の生活ごみゴミと言っても玄関土間にある炭俵に投げ込んでいただけで毎週片付けねばならなかったほどの量は出なかったように記憶するのだが、活かす生活と消費する生活の相違なのだろうか・・・。