トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

泥中引き回し土冴えもんもあり得る…

2020-10-15 | 小人閑居して憮然
 遅れてしまった突端部刈り払いのついでに三日月池に立ち寄ってみた。クロスジギンヤンマの羽化の頃は詣でるもののそれが過ぎれば水見回りにもいかない小生的には辺境の池なのだ。雨水だけの溜水だけど湛水構造は確かだし威之志士様の跋扈蹂躙も行われない訳ではないが決壊の心配はない。けれど池の護岸丸太の外側は立ち回り掘り返し浸水中で歩くのもままならない。

 それとは別に今回の立ち寄りで警戒度を一気に上げねばならない事態になっていたのが判明した。フイールドにいくつかある水溜りや水域に今春ころ投入されたのと同じ外来種浮草が入っていたのだ。盛夏の頃より立ち寄ってはいないからその間に繁殖したようで、日当たりのよい南側カサスゲの中に大量に浮いている。
 もうため息をつくしかないがため息で駆除できるわけもなく。ここは一旦、カサスゲを抜去し浮草を笊で丁寧に排除するしかない。ウシガエルを持ち込んだりオオカナダモを投げ入れたり、人知れず環境破壊行為を行う輩は絶えないのだが、今回の外来種浮草は、これによって利益が生ずる水草販売業者ではあるまいかと穿った見方さえ出てきた。つまりは「養殖池」金の生る場所にしたいのだろうと・・・。

 いつまでもイタチごっこも出来ないので、最終的には全てリセットする覚悟も固めておかねばならないのだろう。これは送水に難渋しているこの水域が、そのデメリットがメリットに激変する唯一の手段だ。送水を止めて干上げれば良く、断水させて夏なら10日余りでリセット可能だ。三日月池は苦労して積み上げた堤を切って排水すれば結果は出る。
 ただ上の池に関しては湛水量を増やした結果、雨水で水溜り程度は年間維持可能だろうから、ここは長年にわたって築いてきたオーバーフロー部の丸太ダムと土嚢堤を崩せばよい。これで厚い泥土の層も流れ出して下流部の泥水地や棚田部を埋めてくれるだろう。
 埋まって水系が壊れれば降雨の度に氾濫原となり、結果的には幾筋ものⅤ字浸食溝が生じ、それを隠した薮原と遷移するはずだ。ここにリセット完全完了となる。

 外来種投入などの破壊行為が絶えないならば完全リセットして前述のごとく「後は野となれ藪となれ」にするしかないし、一方、こういう行為の起こり難い新天地に雄飛するのも母校の扁額に適う行動だとも思うようになった。
 そうなると、先日眺めた谷底の調整池は魅力的で、あそこまで入り込んで行う輩は小生くらいだろう。これは確かだがこれから設えるのはご老体にはきつい。しかし一方ではすり減るだけのイタチごっこに明け暮れるより剪定鋸と鎌だけで粛々と環境創出できる場所の方がどれほどストレスが少なくなるか考えるまでも無い事なのだ。

 「人知れず微笑まん」の主人公の微笑とは異なるものの、カエルとトンボとヘビしか出ない桃源郷はきっとボッチの「微笑の場所」に転ずるのは確かだろう。場所も窪っ地だし・・・。考えてみれば自ら「姥捨て山」とか「三途の河原の石積」なんて例えを言っていたが、まさに営々と積み上げればその結果を真っ向から破壊する鬼が来て去る、いわば「此岸の河原で荒らされている」まっことそうであったわい。

 自宅の池に在来種の浮草が繁殖した事があったが、これは泥水池から搬入した種水に混入していたと思える。駆除するのに翌春、小さな葉が認められるようになったころ、数少ないのを利用しようやく根絶できた。三日月池の浮草も水際線の露出した根茎や草の間に波紋で打ちあがった個体もあるから駆除には時間がかかるだろう。そんなこって適宜タモ網携行で水見回りせにゃならぬ。
 まあ、鬼籍に入った暁には祖父母や父母から「いい子いい子」とナデナデしてもらえるのは間違いなかろうて。それが慰めじゃあ。