多摩川には、釣りに興じる人たちがたくさんいるが、
近くの水道橋の下が、その人気スポットで、
そこにはボート乗り場もあり、日曜には、60~70人に釣り人でにぎわう。
平日でも、朝早くから40~50人の釣り人を見かける場所だ。
これは、そのボート乗り場にある、屋形船の傍で取った写真だが、
アユやフナが目当ての釣り人をよそに、大きな鯉たちがウヨウヨと泳いでたむろしている。
しかし、鯉たちは、釣り人たちには、まったく相手にされていないらしく、
誰1人として、こいつらを釣りに来る人はいないのである・・・。
田舎では、ちょっと考えられないことだが、鯉は、ほったらかしなのだ。
俺は、試しに、(いつもハトにやってる)パンを投げてみたら、パクパクとほうばった!
面白いので、ポンポン投げていたら、
調子こいて、あやつらは、コンクリの浅瀬にまで這い上がって来て食べる。
「こいつはすげ~!!まるでイルカショーだ!」と、翌日に、デジカメ出動となったわけだ(笑)。
すると、俺の後で、人の気配がしたと思ったら、同じように散歩中の方が携帯で写真を撮っていた。
少し話をしたが、「釣りやってる人の話じゃ、鯉の1メートルくらいのがいるらしいよ」とのこと。
1メートルもある鯉なら、ちょっと見てみたいという好奇心にかられる。
写真に撮った鯉たちだと、頑張って60センチくらいだから、すごい大物だ。
チャンスがあるなら、いつしか、お目にかかりたいものだ。
多摩川で釣りを楽し人たちの、大半は、60歳以上の方達だ。
彼等は、魚を釣り上げても、ほとんど食べないようだ。
「ちょっと食べる気になれない」ということを、以前、誰かに聞いたことがある。
都会における釣りとは、魚を食べるためにやっているのではない。
ゆったりした自然に溶け込むことで、リラクゼーションを味わっているのだ。
都会には、人が多い。だから、いろいろな摩擦を感じて生きていくことになるのだが、
少なくとも、多摩川の自然や魚達は、人の心をなごませてくれるのだろうと思う。