時代の流れと共に色んなものが、変化していきます。
明るく入りやすい雰囲気。「現代仏壇」の商標でカジュアルでモダンな仏壇を販売している「八木研」(本社・大阪市)が、専門直営店として平成15年4月に開業した。イタリア製やデンマーク製などを含む国際色豊かな仏壇約140種を販売する。
今年の新作仏壇は、壁面収納家具と一体化した「システム収納仏壇」。棚の一つを仏壇として使う提案だ。「『こんなに自由でいいの?』と質問されますが、身近な場所に置くことでこそ、日ごろから自然と故人とのコミュニケーションが図れる」と黒部貞治店長は説明する。
仏壇の多様化に呼応するように、線香やロウソクにもユニークな商品が出てきた。梅栄堂(本社・大阪府堺市)は平成15年2月に、従来の線香のにおいを無くし、コーヒーの香りがする仏事用線香「残香飛(ざんこうひい)」を発売したところ、「線香くさくならない」などと大ヒット。翌年以降、シリーズ化し、イチゴやハチミツの香りの線香を販売している。
仏壇仏具の総合情報サイト「いい仏壇ドットコム」の運営や、月刊誌「仏事」を発行する鎌倉新書(東京都中央区)の清水祐孝社長によると、仏壇・仏具の多様化が進んだのは、最近10年ほど。販売台数に変化はないが1台あたりの単価が減少し、9年に年間3600億円あった宗教用具関連市場は、2500億~2600億円規模に縮小した。
仏壇仏具の総合情報サイト「いい仏壇ドットコム」の運営や、月刊誌「仏事」を発行する鎌倉新書(東京都中央区)の清水祐孝社長によると、仏壇・仏具の多様化が進んだのは、最近10年ほど。販売台数に変化はないが1台あたりの単価が減少し、9年に年間3600億円あった宗教用具関連市場は、2500億~2600億円規模に縮小した。背景には、核家族化や親類付き合いの減少により、仏壇が多くの人の目に触れなくなり、「見えを張る必要」がなくなったこと、身内が亡くなってから仏壇を置く人が増えたことなどが関係しているという。
清水社長は「仏壇が信仰の対象ではなく、故人への祈りの場に変わった。寺との接点がない日常に慣れた都市部の住人のなかには、本尊を置いて線香をたくという宗教的伝統に、違和感を抱く人もいるのだろう」と話している。
時代の変化を捉えること、それは素朴に市場を見つめることでハッキリ見えてきます。