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今日の筆洗

2019年03月18日 | Weblog

 「丹薬」とは古代中国において不老不死になると信じられていた薬である。その正体はなにか。『毒と薬の世界史』(船山信次著・中公新書)によると、水銀と硫黄の化合物である硫化第二水銀だったそうだ▼硫化第二水銀の色は赤。生命を象徴する血の色を連想させたほか、熱を加えても「千変万化した上、また元の姿に戻る」ため、体内に取り込めば生命が絶えることがないと信じられていたそうである▼自民党の中には安倍政権のための「丹薬」をお探しの方がいらっしゃるようである。自民党総裁の任期は連続三選限りで現在の安倍首相の党総裁任期は二〇二一年九月までだが、これを見直し、連続四選まで認めてはどうかという意見が幹部にあるそうだ▼実現すれば任期はさらに三年延び二四年まで。不老不死といわぬまでも、例のない長期政権を手に入れようというのか▼首相自身は今のところ、四選禁止のルールに従うと発言しているが、党内にゴマスリまじりの容認論が高まれば、どう転ぶか分かるまい▼「丹薬」の硫化第二水銀は毒性の高い化合物で不老不死どころか唐の時代には歴代皇帝のうち少なくとも六人が「丹薬」の中毒で命を落としているそうだ。四選容認は過度な権力集中の弊害に既にうんざりする国民は無論、世代交代の健全な歯車が回らない自民党にとっても危険極まりない猛毒となるだろう。

 
 

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