包丁のトギノン ブログ

トギノン販売有限会社 包丁の製造販売店のブログです

包丁の各部名称(和包丁:編)

2013-02-27 | 包丁について(総合)
包丁の各部名称(和包丁:編)

お待たせしました。
今回は一般的な「和包丁」の各部名称です。
下記図をご覧ください。
上から順にご説明します。


刃渡り:はわたり
一般的には刃の付いた部分の長さや、切っ先から顎までの長さのこと。(切っ先から柄元まで)
ただし、和包丁の中には「待ち(まち」があるものがあり、この場合の刃渡りは剣先から待ちを含んだ柄元までの長さを指します。
つまり、和包丁の中には2通りの基準がありますので、ご購入の際にはご注意ください。
例を挙げますと、
通常、剣先から柄元までを指します。この場合の刃渡りが180mmだとします。
剣先から顎までの刃渡り基準だと待ちの部位の長さを引いた160mmくらいになります。

刃先:はさき
刃のついた所。切れる先端部。

刃元:はもと
刃先の一部だがアゴよりの所をさす。

切り刃:きりは
鎬より低い部位で基本的な刃厚を決める部位。

柄元:えもと(口元:くちもと)
柄の刀身側のこと。柄尻の反対側。

柄:え、つか(ハンドル:はんどる)
握り手のこと。和包丁の場合、柄を「つか」と呼ぶことも多々ある。
日本古来の道具(日本刀や鍬、など)の握り手のことを「つか」と呼ぶことが多いため。

鎬:しのぎ
刃の表面の刀の刃と峰(背の部分)の間で稜線を高くした所。
「鎬を削る。」という台詞を一度は聞いたことがあると思いますが、刀の戦いで簡単に削れないしのぎが削れるほど激しいというところからきています。

切っ先:きっさき(剣先:けんさき)
包丁の先端部のこと。文字のごとく、切れる先っぽのこと。または剣の先端。

平:ひら
表刀身の切り刃でない、たいらな部位のこと。

峰:みね(背:せ、棟:むね)
刃の付いた部位の反対側。時代劇で「峰打じゃ。安心せい。」なんて台詞1度は聞いたことがあるのでは?

待ち:まち
刀身顎部から柄元までの部位。刃はついていない。
「首:くび」と呼ぶ人もいる。

柄尻:えしり
柄の末端。柄元の反対側。

角巻:つのまき(口輪:くちわ)
角巻の語源は動物の角を使っていたから。口輪は口元に使用するリング:輪から来ている。
現代に於いては角を加工したものや金属性のもの、大理石や樹脂、木材と材質は様々。

裏押し:うらおし
刀身裏側を平研ぎした部位。良い和包丁はここがV字に研げる。

樋:ひ(裏スキ:うらすき、フネ)
刀身裏側の窪んだ部位。フネのように窪んでいる。
ここが程よく窪んでいないと切り離れが悪かったり、削ぎ切りが上手くいかなかったりする。よって、刃の食い込みも悪くなる。

反り:そり
刃先のカーブのこと。
諺で「反りが合わない」というのは刀身のカーブと鞘の形状が合わないため上手く収まらないということ。
本来、刀身と鞘は一体に収まるものだが収まらないのを人間関係にも当てはめ「気が合わない」という意味合いとしても使われる。

顎:あご
刃の一部。ジャガイモの芽取りや細工などに使う場所。「あご」のような形からそう呼ばれる。

茎子:なかご(中子:なかご)
柄の内部に入っている金属部位のこと。

刀身:とうしん
刃部全体の総称。

身幅:みはば
刀身の幅のこと。身幅が広い、身幅が狭いなどと表現する。

身厚:みあつ
刀身の厚みのこと。主に峰や背の厚みを指す。5mm厚、1.8mm厚などと記す。


大まかですが説明も記しました。
和包丁はこんな感じですね。
洋包丁に比べ少し複雑ですね。もっと細かな呼び名がありますが刃物屋さんでもこれで大体通じます。


実は今回の和包丁の名称を紹介するに当たり使用した刃物は弊社の新製品です。
その名も「一角 朧(おぼろ)」シリーズ。
新開発コバルト入り特殊積層鋼材を刀身に使用。刃先の硬度はHRCで61±1。
朧の銘は「おぼろげに鋼材の刃紋」が見えるからです。
(名称説明の画像では文字やラインが入って紋様が見にくいですが下図をご覧ください。光の当たり方で刃紋が鮮明になります。)


和包丁の従来工法では、同じ包丁を2本、3本同時購入で包丁品質にバラつきが多かった。
そういったハズレをお客様にお出しするのではなく、製品の品質を均一化した従来にない新しい工法(NCM.Spec)で精密加工しています。
2~3本購入しても、5年10年後に購入しても、変らぬ品質をお届けしようという想いから製作されました。
製品は本日発売を開始します。
ご興味がありましたらWEB SHOP「包丁のトギノン」の和包丁カテゴリーをご覧ください。
弊社モニター調査(和の板前さん多数)では大好評で、性能は折り紙つきです。

それでは、また。

最新の画像もっと見る