秋の風物詩と言われているヨズクハデが温泉津町湯里公民館前に今年も立派に建ちました。
制作は湯里小学校の子供達です。
ヨズクハデは大田市有形民族文化財で“古きよき日本の農村風景”を地元の有志の人が伝えております。
子供達は春はワカメ干し、田植え、秋は稲刈り、冬はくず作りを体験学習し、研究発表をして成長しています。
都会とは違って受験勉強をしている子供達もいなくて、逞しく素直に育ち、第17回「バケツ稲つくりコンテスト」には
文部科学賞も受賞しています。
そして、刈り取った稲はもち米ですので文化祭の日にPTAがお餅をついて協力し、地元の人もその日を楽しみに
待っています。
ヨズクハデのことを当地ではふくろうに見立てたと言われていますが、マスコミではミミズクと表現していました。
どちらが正しいのかと思って調べてみましたら、この二つの間には分類上の区別はなく、一般に耳羽を持っているものをミミズクで持たないものをふくろうと言います。
西田地区にヨズクハデを見学に行きました。先月行ったときは11基建っていましたが、
もう稲を外しているところもありました。
見ていると男の人が上に登って、下の人に渡し5人で作業していました。
瑞泉寺下の田んぼは地元の人が5基建て本格的で一番立派です。最後に建ったので今週が見ごろです。
行き方は湯里駅を降りて信号を渡り、左側に郵便局があり、すぐそこの橋を渡り右方向に進みます。
公民館の前の坂道を登っていくと「よずくの里」に出ます。
今は湯里の土手には真っ赤な彼岸花が所々に咲き、美しい田舎の風景が続いています。
車ですと福光から上村を通って西田方向に行くと楽です。
説明板より
西田ヨズクハデ
ヨズクハデは、かつて西田地区を中心とし、飯原、上村、福光、市地区で盛んに建てられていたが、
現在西田地区でのみ伝承されている。
全国的にも温泉津町の一部しか見られない稲掛けである。丸太四本を四角錘に組み稲掛けをした姿を
ヨズク(ふくろう)に見立てたことが、語源と言われている。どの角度からも三角錐に見えることから、地元では
三又とも呼ばれている。
伝説によると、水上神社に祭られている二柱の神が、大風の度に稲ハデが倒壊し悩んでいる里人に、魚網を干す
方法を伝えてのが始まりと言われている。
性能としては、横風に強く、一度に米五表分の稲が乾燥できる。
現在も西田の農業習俗として伝承されていることは希少であり、石見銀山遺跡の文化的景観としても評価されて
いる。
総高 約5.0メートル
幅 約5.0メートル