自然を愛して

田舎暮らし

再興第96回 日本美術院展覧会 (島根西展)

2012-05-25 21:28:24 | Weblog
島根(西)展が5月11日~5月27日まで石見地方にある小さな町の美術館で知られている今井美術館で開催されています。
作品は日本美術院同人、招待、無鑑査を含む入選作品75点が展示。今回の作品は日展と同じく東日本大震災への復興への祈りと
同時に自然の驚異、偉大さ、生きることの素晴らしさを感じる作品が多いそうです。
昨秋、足立美術館で鑑賞していますので2回観る機会にめぐまれ、心に残っている作品も半数以上あり、島根県の充実した美術館環境に感謝しています。

第一会場に入ると正面に私の一番印象に残った作品の「夢」西田俊之の作品が展示されていました。
幻想の夢の世界を描かれたと言われる絵は星の夜空に浮かぶのは金色の満月。無数の小さな浪の動きに合わせ、水面に落ちたとされた月光も柔らかく揺れている感じです。
眠るラクダの姿は、穏やかな表情で、細かな描写で毛並みの一本一本が柔らかく質感までも精妙に描かれていて、近くにより丁寧に観ました。
離れて見ると画面全体に対象を見つめる画家の優しいまなざしがあふれ出ています。
「山水山」やまみずやま 宮廻正明作品が並んで展示してありました。
水に反射した山と本来の山の二つの山が描かれています。日本の自然は山と水を抜きしては語ることができないと考えて、古里をテーマに描かれた作品だそうです。
離れて椅子に座って観ていると自然の奥深さを感じ前回鑑賞した時よりずっと素晴らしいと思いました。
「初冬」 大野百樹
雄大な山容は画面いっぱいに表現され、前景の老松と共に自然の生動感があります。明確な点描技法が細やかな筆の集積です。
赤と青の中間色を基調に、みずみずしい色彩で幻想的なグラデーションが描き出され、色調が最初に目に付きました。
彩られた雪の山容は堂々と存在感を保ち、冬景色の荘厳を感じる作品です。
「浄池」 松本高明 【一般】日本美術院賞
表情が変わる水面が素晴らしい。チケットを頂いた知人に偶然出会い「この作品は横から眺めると水面の動きが良くわかります。」と説明されました。
確かに絵の鑑賞は位置によって違いがあることを知りました。

記憶していた作品
薫春躍兎(郷倉和子)       日野原先生百壽像(松尾敏男)     新雪大和(後藤純男)   
雪色金閣寺(鎌倉秀雄)      午後の輝き(田淵俊夫)        驟雨(那波多目功一)     
奥入瀬翔流(手塚雄二)      三日月(福王寺一彦)         晨朝(松村公嗣)    
夏の翼(北田克已)        島風(鴈野佳代子)          wipe(染谷香理)      
協和音(藤井聡子)        耀映(前田斉子)           宍道湖朝光(宮武迪子)  
彼岸のことづて(藁谷実)     春の隣(王培)            フロッテの灯(福井沢爽人)   
春ふたたび(伊藤髟耳)      我譜{マヤ・神聖文字階段}(松本哲男)          
せせらぎ(梅原幸雄)       天の浮き橋(菊川三織子)       日本海{明日も陽が昇る}(大矢紀)
弟橘媛(高橋天山)        陽光(吉村誠司)           暉(今井珠泉)
カナリアチューリップのハートにのせて(村上雄二)            道標(倉島重友)     
始動(清水由朗)         柳生道(二)(大野逸男)       停車場(STATION)Ⅱ(浦上義昭)
Far world(大久保智睦)     無花果(鈴木恵麻)          気配(番場三雄)      
深海魚(村岡貴美雄)

記憶している作品は作者の画風が分かっていること、色彩や構図が気に入っていること。
心に訴えたものが理解できたことなどで覚えているのかしら・・・

   美術館入口の竹の子            玄関前の庭
  

帰りは三江線の走っている雄大な江の川や初夏の青々とした山並みを見ながらドライブしました。
景色は田舎風景そのもので絵になります。竹やぶなどは「午後の輝き」田渕俊夫の作品を見ているようでした。


鳥取展は鳥取博物館で開催 6月2日(土)~6月17日(日)
島根県に隣接している県での開催は再度作品をご覧になれる良い機会です。

金環日食

2012-05-22 15:11:08 | Weblog

ベイリービーズ                               金環日食
  
5月21日太平洋側を中心に日本の広い範囲で金環日食が見られました。
◆「金環日食」とは太陽の中心部が月に隠され、細いリングのようになります。
 今回のように広範囲で見られるのは平安時代の1080年ぶりとなり932年ぶりです。
 沖縄では1987年以来で25年ぶりだそうです。

私達は日本海側に住んでいて、部分日食しか見ることが出来ないため夫は子供のいる東京へ行って観察しました。
天候を心配していましたが、金環日食がよく見えたと喜んで電話がありました。
夏の夜空の星を見るのが好きな人ですので、宇宙の神秘を楽しんだことでしょう。
私は朝からテレビの生中継を見ていましたが、ふっと画面を写真に収めるのも悪くないと思い記念にデジカメで写真を撮りました。
「ベイリービーズ」と呼ばれ、ビーズが連なったような珍しい現象ですが長野塩尻で観測された写真も写すことも出来ました。
◆「ベイリービーズ」とはリングの細い部分が月面に凹凸により途絶える。リングの形状は最大5分継続。

自宅庭で撮影

自宅では日食グラスを用意していませんでしたので、庭に出て太陽を見ないで光の方向に写真機を向けましたら、少し部分日食が撮影できました。


今年の主な天文イベント
6月4日    満月の3分の1が影に入る部分月食
6月6日    「金星の太陽面通過」太陽の手前を金星が横切る
8月14日   「金星食」金星が月の後ろに隠れる
8月中旬    ベルセウス座流星群
11月14日  オーストラリアで皆既日食


仁摩サンドミュージアム 企画展

2012-05-20 15:25:34 | Weblog
島根県大田市仁摩町には世界最大の1年計砂時計のある砂博物館があります。
4月26日~5月27日まで開催されている企画展は「時と砂のカタチ展」です。(環境ホール)

砂など使って動く絵画や光などをテーマにした作品が26点展示。
暗くしてある展示室に入るなり、「気泡燈」見て幻想的な世界に吸い込まれ思わず「きれい」とつぶやきました。
◆「気泡燈」は、水の中に生じる気泡のような流動化した粉体層の中に生じる気泡に光を透過させることで幻想的な光の造形を作りだします。
 気泡燈の光には癒しの効果があるそうです。

◆「動く絵画」は色砂を使った動く絵画です。壁面に掛けられた作品の前に立ち、ボタンを押すと絵画はゆっくりと回転し、様々に模様が変化します。
 観客が直接操作するので参加型の作品です。お嫁さんと一緒に楽しみました。

案内文に書いてあった{時は流れているのでしょうか?刻まれているのでしょうか?そして「始まり」と「終わり」あるのでしょうか?
“カタチ”のあるものは全て時と共に変化します。止まっているように見えるものもゆっくりと動いているのです。
変幻自在に姿を変える粒子媒体として“時”という、実は不思議な一次元を浮かび上がらせます}一部抜粋を読み、改めて
作品の動きや時の流れを感じることが出来ました。

◆常設作品から(中央ホール)
 直径1,6メートルのガラスディスクが回転しながらシルエットを変化させ、幾何学模様を形成します。
 降り積もる砂が形成する二等辺三角形の頂点の角はほぼ一定で、この角度はこれ以上鋭角にも、崩れて鈍角にもならず安定する角度として
 「安息角」と呼ばれています。


当日は曇りで写真は撮りませんでしたので以前作ったホームページを閲覧下さいね!

わが町ゆのつホームページ
大田市観光→仁摩町→砂時計
http://www.iwami.or.jp/ken-naka/

松江歴史博物館の日本庭園

2012-05-14 16:54:44 | Weblog
美術館の帰り松江歴史舘の喫茶店へ初めて行きました。長屋門を潜ると眼の前に横のラインが美しい松が植えてありました。


石畳のアプローチを抜けると右側に暮らしの庭があり、松江の花「椿」と島根県の天然記念物の「いづもナンキン」の金魚が鑑賞できました。
出雲の国では寛永期(1748年~1750年)より金魚の飼育がさかんになり、昭和57年島根の天然記念物に指定されました。
きれいな金魚であることは知っていましたが、特徴はわかりませんでした。説明版を読みひらひら泳ぐ金魚をずっと眺めていると美しくて飽きません
【いずもナンキンの特徴】
●四つ尾である。●頭部が小さい。●こぶがない。
●背びれがない。●体色は白がおおめの紅白色
●目先が細長く、目幅が狭い
●口先が小さい、腹部が後方にふくれている。
●全身の容姿は、浮世絵の絵師が描く錦絵美人を思わせる美しさがある。


左手には家老屋敷を思わせる本館があります。有料の基本展示室、企画展示室があり、
無料の本間には約30畳の広間があって、ゆったりと日本庭園を眺めました。
庭園は天守を借景に出雲地方の庭の特色を盛り込んだ枯山水です。
黒松を中心にし、飛び石、短冊石が配置されています。
燈篭は右手に七代藩主松平治郷(不昧公)の奥方が輿入れのとき仙台から運ばれたと伝えられる燈篭を模倣して造った
珠光型燈篭、中央奥の濡鷺型燈篭と左手の太平型燈篭は松江市特産の来待石製です。
   
松江藩家老朝日家長屋も見えます。


本間の隣に喫茶「きはる」がありました。お茶もお煎茶、抹茶など色々ありますが、友人とお煎茶とお菓子を頂きながら
美しいピンクの生菓子「椿」と干菓子の「つくし」の美味しさを褒めながら堪能しました。

写真はお菓子制作
松江は日本三大銘菓の「山川」ある所で茶道が盛んなためお菓子の名店が多くあります。

第43回日展(松江会場)

2012-05-09 21:16:59 | Weblog
現代日本の美を一堂に鑑賞できる日展が4月21日~5月13日まで島根県立美術館で開催されています。
日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書の5部門における現代日本美術界を代表する巨匠、中堅、新進作家らの作品と
山陰両県在住、出身者が34人の計302点が展示されています。
松江開催は6年ぶりで待ち望んでいました。最近、院展は毎年鑑賞していますが、洋画を観る機会が
少なくてとても新鮮でした。特に目に付いた作品は人物画でした。

好きな作品(洋画)
◆E・ガレーのある部屋(作家:中山忠彦)
 アール・ヌーヴォーを代表するガラス作家のエミール・ガレーのテーブルランプと同時代の衣装を身にまとい
 女性の永遠性を 謳おうと試みたそうですが、気品あふれる女性美に色調の調和がロマンを感じます。
  (日展の理事長の作品です)

◆チョーク絵のある静物(小野大輔)
 「チョーク絵」という新しい技法を用いた作品だそうです。 黒板に白チョークで描いた女性を背景に手前に
 静物を配置しています。静物は質感、立体感の表現が見事で、ひとつの画面に融合していました。

◆アトリエ・物語(曽 剣雄)
 写実主義のように描写力があって奥の深い作品です。モデルの雰囲気も好きです。
  
◆水無月(佐藤 哲)
 紫陽花に囲まれた庭で静かな時間を過ごす女性の心は潤しており、表情が魅力的です。
 庭の緑に紫陽花の色彩が美しく、白のテーブルにレモンジュースのコップを置き、
 女性の白のブラウスに群青色のスカート、翼の大きな帽子、赤いサンダルも色を添えています。

■その他:工芸美術(人形)蘇れ生命(奥田小由女)
 東日本大震災をテーマにした作品ですが、作者の復興と再生への祈念が伝わりました。

4月末に友人と美術館に行きましたが、彼女が買った絵葉書は日本画が多く、富士(川崎晴彦)、雲龍(土屋禮一)
黒川能「杜」(能島一明)巣立ちを待つ(羽毛田陽吉)芽生え(藤井範子)流れ(山崎啓次)今日、そして明日(福田千恵)などだったと思います?

幸せになれるという美術館の幸運うさぎのストラップ

    
                      宍道湖のうさぎ(作者:薮内佐斗司)
12羽のうさぎがぴょんぴょん跳びはね最後に宍道湖を眺めています。
2番目に触れると幸せが訪れると言ううわさです。
さらに宍道湖の名物”しじみ”を供えると効果がアップすると言われしじみの貝殻がありました。
  (このお話は子供に教わりました)