みやしたの気まぐれblog

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乗り鉄のお勧め路線 第17回 黒部峡谷鉄道

2012-04-22 00:05:18 | 乗り鉄
今週末は出かける予定が無く、ネタ不足モードに陥っております。まあ、土曜日は仕事もあったんで。
さて、そういうわけで2ヶ月ぶりに「乗り鉄のお勧め路線」シリーズ、第17回は黒部峡谷鉄道です。

黒部峡谷鉄道は、富山県の宇奈月から欅平を結ぶ観光鉄道で、通年では運行されないという、国内では珍しい旅客路線です(他には、上越新幹線の越後湯沢~ガーラ湯沢や、立山黒部アルペンルートのトロリーバスやケーブルカー、青函トンネル記念館のケーブルカーなどがあります)。春から秋にかけて運行される黒部峡谷鉄道は、一般に乗車できるのは宇奈月から欅平までの20.1kmですが、欅平から先には関西電力の専用線が存在します。この他にも、黒薙駅で分岐する関西電力の専用線や、猫又発電所への引き込み線など、元々が水力発電の電力開発のために建設された鉄道という背景から、いくつかの専用線を持っています。また、険しい山の中を走ることも有り、レール幅が762mmのナローゲージとなっていて、機関車も客車も一般の車両に比べて半分以下の小さな車両になっています。

20.1kmの本線には始点終点を含めて9駅あるのですが、その中で一般の乗客が乗り降りできるのは、宇奈月、黒薙、鐘釣、欅平の4駅のみで、後は関西電力関係者のみが使用する貨物駅となります。ただ、単線のレールのため、ほとんどの駅で行き違い設備が有り、停車中に車内から対向列車を撮影することも出来ます。欅平からの専用線は、年に30回くらい実施される関西電力の見学会で通れますが、欅平はこの見学会で黒部ダムまで抜ける以外に抜けられる場所が無く、黒部峡谷鉄道本線は実質的な盲腸線です。


宇奈月駅。ここがスタート点であり、終点でもある。富山地方鉄道の宇奈月温泉駅からは歩いて5分。きっぷ購入に手間がかかるので、乗り換えは余裕を持つ必要有り

宇奈月は車庫もある

旅客用の電気機関車EDR形。ほとんど同じような顔をしているが、現在旅客用に使用する機関車は6種類存在する

片運転台タイプの電気機関車EHR形

両運転台のED形

凸型のEDS形。現在は1台だけ残る

こちらは貨物用でディーゼル式のDD22形

宇奈月駅前で保存されているEB形。これは全車引退済みです

宇奈月ダムの湖

柳橋駅(貨物駅)。右側の新柳河原発電所へ引き込み線が伸びる

黒薙駅から伸びる専用線。ここは見学会も無く、一般人が入ることは不可能

黒薙駅にある黒薙第二発電所の看板。隣の、漁をするみなさんへの方が気になるが。ここから川底まで、かなり高さがあります

黒薙支線を高感度撮影

猫又発電所。引き込み線が伸びている

出し平ダム

乗り降りできる4駅のうち、黒薙は黒薙温泉、鐘釣は遊歩道と万年雪、欅平は遊歩道と温泉があり、観光を楽しむことが出来ます。ただし、これらの駅間を徒歩で移動することは一般には不可能で、駅周辺の施設や遊歩道を観光できるのみ。基本的に黒部峡谷鉄道の列車が唯一の移動手段となります。また、沿線の風景は山の中を黒部川に沿って走るために大変きれいで、初夏は新緑、秋は紅葉を楽しめます。冬は運休となるわけですが、関西電力の社員さんはそれでも移動しないといけないので、冬期歩道が線路横に併設されています。歩道と言っても、コンクリで作られたトンネルです。

黒薙駅で列車の先頭部を撮影。駅付近で90℃曲がるので、後方車両ならこんな撮影が出来る

黒薙駅近くの橋を渡るトロッコ。絶景なり

途中駅で対向列車とすれ違う

冬期歩道。時折このような入り口が見える

列車の右側のコンクリが冬期歩道

鐘釣駅で。鐘釣駅は線路構造の都合で、旅客列車はスイッチバックして発車します

鐘釣駅の遊歩道から降りたところの川原

その川原で見られる万年雪

欅平駅

欅平駅から降りたところの遊歩道の橋

とにかく緑が多くてきれい

欅平駅のホームで。この奥は引き込み線と、黒部ダムへの専用線がある

トロッコは、開放型の一般車と、座席が良くなっていて、側面の壁がある特別車、リラックス車があり、さらに天井も窓になっているパノラマ車がありますが、パノラマ車はどうも2012年は運行されないようです。開放型の一般車は特別料金が不要ですが、屋根があるだけなので横から雨が吹き込む可能性が高く、晴れの日に当日売りの乗車券で乗るのであればよいですが、事前予約が公式サイトでできますので、出来れば雨に備えて特別車、リラックス車を予約しておきたいところです。なお、2012年は豪雪の影響で、例年は4月中まで猫又折り返し、5月から欅平貫通の所を、6月にならないと欅平へ抜けられない模様です。

特別車。360円の指定券(座席指定では無く、車両指定)が必要

リラックス車。520円の指定券(座席指定では無く、車両指定)が必要

リラックス車は転換クロスシート

1両だけの貴重なパノラマ車。今年度は不在。修理中?それとも廃車?

パノラマ車はこのように天井も窓だった

これは貨物の渓谷美人。ゴミなどを運ぶ

無蓋貨車も多数存在

写真のように、貨物専用列車も運転される。ただし、後方には関西電力職員向けの客車が連結される

今年も4/18から運行される黒部峡谷鉄道。
残念ながら、今年のゴールデンウィークは鐘釣、欅平へは行けませんけど、一度は乗ってほしい自然の中の鉄道です。

<シリーズ過去記事リスト>
乗り鉄のお勧め路線 第16回 飯田線
乗り鉄のお勧め路線 第15回 江ノ島電鉄線
乗り鉄のお勧め路線 第14回 仙山線
乗り鉄のお勧め路線 第13回 伊予鉄道市内線
乗り鉄のお勧め路線 第12回 予土線
乗り鉄のお勧め路線 第11回 南阿蘇鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第10回 小湊鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第9回 指宿枕崎線
乗り鉄のお勧め路線 第8回 伊豆急行線
乗り鉄のお勧め路線 第7回 大糸線
乗り鉄のお勧め路線 第6回 十和田観光電鉄
乗り鉄のお勧め路線 第5回 飯山線
乗り鉄のお勧め路線 第4回 函館本線
乗り鉄のお勧め路線 第3回 箱根登山鉄道登山線
乗り鉄のお勧め路線 第2回 肥薩線
乗り鉄のお勧め路線 第1回 五能線
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (univ)
2012-04-23 10:42:29
これは一度は乗らないといけないと思っているところです!
九州からだと何泊必要なのか…。
返信する
Unknown (みやした)
2012-04-23 23:13:17
>univ様
コメントありがとうございます。
黒部峡谷鉄道はいいですよ。ただ、どうしても行きと同じ道を帰ることになるので、全線乗車にこだわりが無ければ、鐘釣折り返しぐらいをお勧めします。できればリラックス車か、特別車でどうぞ。
九州からだとさすがに遠いですが・・・立山アルペンルートとセットのツアーとかに申し込まれるのがよろしいかと。
返信する
Unknown (萌音)
2014-03-12 22:51:33
こんにちは。黒部渓谷のブログを読んでたらコチラのブログに辿り着きました。写真が綺麗でオシャレなブログですね。羨ましいです。
返信する
Re: Unknown (みやした)
2014-03-13 19:13:07
>萌音様
こんにちは。黒部峡谷鉄道の魅力を伝えることが出来ているなら幸いです。
ぜひ一度訪れてみてください。
返信する

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