
穴埋め企画、乗り鉄のお勧め路線シリーズの第13回は伊予鉄道市内線です。
伊予鉄道は松山市を中心に鉄道・バス路線を持つ愛媛県の雄で、多角経営を営む伊予鉄グループの中核企業です。
路線としては、松山市駅を起点に3方向に伸びる郊外線と呼ばれる普通鉄道と、松山駅、松山市駅、道後温泉を結ぶ市内線と呼ばれる軌道線があります。軌道線は実際にはかなり細かい路線に分かれており、城北線(古町~平和通一丁目)、城南線(道後温泉~西堀端・平和通一丁目~上一万)、本町線(西堀端~本町六丁目)、大手町線(西堀端~JR松山駅前)、大手町線(古町~JR松山駅前)、花園線(松山市駅前~南堀端)と区別されるんだそうです。実際には、路線名ではなく系統で運行されるので、1~6系統(ただし4系統は欠番で5系統分)で区別されています。
伊予鉄道市内線の車両は、旧型車であるモハ50形とモハ2000形、そして低床電車のモハ2100形の3種類。これら以外に、観光用列車である「坊ちゃん列車」があり、松山空港でも写真が掲載されているくらい、松山市内観光の目玉の1つになっています。

モハ50形の前期形。丸い外観が路面電車然としていて個人的には好き

モハ50形の後期形。正面の窓が大きくなって特徴的な外観になった。なお、後方はJR松山駅

モハ50形の後期形。軽量構造になっており、車高が前期形より少し低い

モハ2000形(左)とモハ2100形。モハ2000形は、見た目はモハ50形前期形と似ているが、元は京都市電2000形で、前照灯位置は改造して変更になった物

低床電車モハ2100形。アルナ車両のリトルダンサーシリーズだが、ホーム有効長などの関係で分割車体にすることが出来ず、類似品の無い車両になった

低床電車モハ2100形。郊外線も含めてオレンジとクリーム色の伊予鉄道電車の中で、白+黒+オレンジのこの電車は会社のフラッグシップでもあるのだ

「坊ちゃん列車」ことD1形機関車とハ1形客車の第1編成。機関車はSLっぽい形状だが、中身はディーゼル機関車である。「坊ちゃん列車」とは、夏目漱石の名作小説「坊ちゃん」に出てくる汽車のこと。実物は別に保存されている

こちらは第2編成のD2形機関車とハ31形客車。客車が大型化したが、1両になっている
さて、ここで「坊ちゃん列車」名物の方向転換装置を紹介しましょう。
SLを模した機関車を使用する「坊ちゃん列車」の機関車は、運転台の位置の都合上、やはり前向きでしか運転が困難になっています。
そうなると、普通のSLなら「ターンテーブル」を使用するわけですが、松山市内の中心に新たにそんなものを何カ所も設けるのは困難。そこで解決策として装備されたのが方向転換装置です。私個人としては、「内蔵式ターンテーブル」と呼んでます。松山市駅での写真を紹介しましょう。

松山市駅に到着した第2編成。客を降ろして準備が始まる

機関車と客車が離されて、機関車は手前の折り返し用引き込み線へ進む

隣線へ渡るポイントを通る途中で停止

乗務員さんが2人がかりで車体を廻し始める

反転終了。機関車は前へ進む

今度は車掌さんと3人がかりで客車を手押しで移動

隣線へ移り、連結

こうして、列車は一度引き込み線へ下がり、乗客を乗せるのである(実際はこの写真は別途撮ったものですが)

ハ31形の車内はこんな感じ。普通運賃+300円で乗車できます

終点の道後温泉でも同様に回転します

道後温泉では展示線があって、発車時間までここで展示されます

こちらは第1編成

朝は古町の車庫にいます。ただし、1本は道後温泉の展示線で留置されるのだそうです
車両以外にも面白いのが伊予鉄道市内線です。市内線は併用軌道と専用軌道がありますが、最も特徴的なのは郊外線の踏切を市内線が渡る、つまり「電車の踏切待ちをする電車」が見られることです。

市内中心部の併用軌道。とは言え、道路からは分離されている

JR松山駅前は併用軌道

赤十字病院前付近の専用軌道

立派な駅舎の道後温泉電停。道後温泉本館は歩いて5分

自動車と一緒に踏み切り待ちをするモハ50形

郊外線の700系が通過する。路面電車同士の十字交差は高知にもあるが、路面電車と一般鉄道の交差は全国でもここだけ

車庫は古町にあるのみ
古い電車、坊ちゃん列車、電車の踏切待ちをする電車という数々の魅力(?)を持つ伊予鉄道市内線。松山に行ったら是非乗ってみたい鉄道です。
(路線が多いので、案外に全線乗車が面倒でしたけどね)
<シリーズ過去記事リスト>
乗り鉄のお勧め路線 第12回 予土線
乗り鉄のお勧め路線 第11回 南阿蘇鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第10回 小湊鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第9回 指宿枕崎線
乗り鉄のお勧め路線 第8回 伊豆急行線
乗り鉄のお勧め路線 第7回 大糸線
乗り鉄のお勧め路線 第6回 十和田観光電鉄
乗り鉄のお勧め路線 第5回 飯山線
乗り鉄のお勧め路線 第4回 函館本線
乗り鉄のお勧め路線 第3回 箱根登山鉄道登山線
乗り鉄のお勧め路線 第2回 肥薩線
乗り鉄のお勧め路線 第1回 五能線
伊予鉄道は松山市を中心に鉄道・バス路線を持つ愛媛県の雄で、多角経営を営む伊予鉄グループの中核企業です。
路線としては、松山市駅を起点に3方向に伸びる郊外線と呼ばれる普通鉄道と、松山駅、松山市駅、道後温泉を結ぶ市内線と呼ばれる軌道線があります。軌道線は実際にはかなり細かい路線に分かれており、城北線(古町~平和通一丁目)、城南線(道後温泉~西堀端・平和通一丁目~上一万)、本町線(西堀端~本町六丁目)、大手町線(西堀端~JR松山駅前)、大手町線(古町~JR松山駅前)、花園線(松山市駅前~南堀端)と区別されるんだそうです。実際には、路線名ではなく系統で運行されるので、1~6系統(ただし4系統は欠番で5系統分)で区別されています。
伊予鉄道市内線の車両は、旧型車であるモハ50形とモハ2000形、そして低床電車のモハ2100形の3種類。これら以外に、観光用列車である「坊ちゃん列車」があり、松山空港でも写真が掲載されているくらい、松山市内観光の目玉の1つになっています。

モハ50形の前期形。丸い外観が路面電車然としていて個人的には好き

モハ50形の後期形。正面の窓が大きくなって特徴的な外観になった。なお、後方はJR松山駅

モハ50形の後期形。軽量構造になっており、車高が前期形より少し低い

モハ2000形(左)とモハ2100形。モハ2000形は、見た目はモハ50形前期形と似ているが、元は京都市電2000形で、前照灯位置は改造して変更になった物

低床電車モハ2100形。アルナ車両のリトルダンサーシリーズだが、ホーム有効長などの関係で分割車体にすることが出来ず、類似品の無い車両になった

低床電車モハ2100形。郊外線も含めてオレンジとクリーム色の伊予鉄道電車の中で、白+黒+オレンジのこの電車は会社のフラッグシップでもあるのだ

「坊ちゃん列車」ことD1形機関車とハ1形客車の第1編成。機関車はSLっぽい形状だが、中身はディーゼル機関車である。「坊ちゃん列車」とは、夏目漱石の名作小説「坊ちゃん」に出てくる汽車のこと。実物は別に保存されている

こちらは第2編成のD2形機関車とハ31形客車。客車が大型化したが、1両になっている
さて、ここで「坊ちゃん列車」名物の方向転換装置を紹介しましょう。
SLを模した機関車を使用する「坊ちゃん列車」の機関車は、運転台の位置の都合上、やはり前向きでしか運転が困難になっています。
そうなると、普通のSLなら「ターンテーブル」を使用するわけですが、松山市内の中心に新たにそんなものを何カ所も設けるのは困難。そこで解決策として装備されたのが方向転換装置です。私個人としては、「内蔵式ターンテーブル」と呼んでます。松山市駅での写真を紹介しましょう。

松山市駅に到着した第2編成。客を降ろして準備が始まる

機関車と客車が離されて、機関車は手前の折り返し用引き込み線へ進む

隣線へ渡るポイントを通る途中で停止

乗務員さんが2人がかりで車体を廻し始める

反転終了。機関車は前へ進む

今度は車掌さんと3人がかりで客車を手押しで移動

隣線へ移り、連結

こうして、列車は一度引き込み線へ下がり、乗客を乗せるのである(実際はこの写真は別途撮ったものですが)

ハ31形の車内はこんな感じ。普通運賃+300円で乗車できます

終点の道後温泉でも同様に回転します

道後温泉では展示線があって、発車時間までここで展示されます

こちらは第1編成

朝は古町の車庫にいます。ただし、1本は道後温泉の展示線で留置されるのだそうです
車両以外にも面白いのが伊予鉄道市内線です。市内線は併用軌道と専用軌道がありますが、最も特徴的なのは郊外線の踏切を市内線が渡る、つまり「電車の踏切待ちをする電車」が見られることです。

市内中心部の併用軌道。とは言え、道路からは分離されている

JR松山駅前は併用軌道

赤十字病院前付近の専用軌道

立派な駅舎の道後温泉電停。道後温泉本館は歩いて5分

自動車と一緒に踏み切り待ちをするモハ50形

郊外線の700系が通過する。路面電車同士の十字交差は高知にもあるが、路面電車と一般鉄道の交差は全国でもここだけ

車庫は古町にあるのみ
古い電車、坊ちゃん列車、電車の踏切待ちをする電車という数々の魅力(?)を持つ伊予鉄道市内線。松山に行ったら是非乗ってみたい鉄道です。
(路線が多いので、案外に全線乗車が面倒でしたけどね)
<シリーズ過去記事リスト>
乗り鉄のお勧め路線 第12回 予土線
乗り鉄のお勧め路線 第11回 南阿蘇鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第10回 小湊鉄道
乗り鉄のお勧め路線 第9回 指宿枕崎線
乗り鉄のお勧め路線 第8回 伊豆急行線
乗り鉄のお勧め路線 第7回 大糸線
乗り鉄のお勧め路線 第6回 十和田観光電鉄
乗り鉄のお勧め路線 第5回 飯山線
乗り鉄のお勧め路線 第4回 函館本線
乗り鉄のお勧め路線 第3回 箱根登山鉄道登山線
乗り鉄のお勧め路線 第2回 肥薩線
乗り鉄のお勧め路線 第1回 五能線
ですが、平日限定の路線があること、そして緊急事態宣言と聖火リレーのために、松山城ロープウェイ並びに石鎚山ロープウェーに乗れなかったので、7月の再訪問を考えております
土日運行しなくなったのは本町線の5系統ですね。コロナ前は普通に毎日運行でしたが。