みやしたの気まぐれblog

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乗り鉄のお勧め路線 第2回 肥薩線

2010-07-08 23:06:53 | 乗り鉄
お勧め路線の第2回です。
九州には様々な観光列車が走っています。普通の特急電車でさえ魅力的なJR九州も、特に観光路線として近年力を注いでいるのは肥薩線でしょう。
肥薩線は熊本県の八代から鹿児島県の隼人を結ぶ124.2kmの路線で、現在の肥薩おれんじ鉄道である川内線が全通するまでは、鹿児島本線であった路線です。

肥薩線は全線非電化。大別すると、球磨川の流れに沿って走る八代~人吉、ループ線とスイッチバックで山を抜ける日本鉄道三景を誇る人吉~吉松、吉都線と組み合わせて運用される吉松~隼人です。九州新幹線部分開業までは、肥薩線における観光需要はあまり重要視されておらず、年に数回熊本~人吉を走る「SL人吉号」、キハ31形を簡易お座敷化した「いさぶろう」「しんぺい」が走る他は、九州内で最後まで残った国鉄型急行「くまがわ」が走っているくらいで、地域輸送に少し観光需要くらいの感じでした。

かつて肥薩線の吉松~隼人を走っていたキハ58形の普通列車

肥薩線の八代~人吉の普通列車の主力はキハ40形。以前はキハ31形の運用も多かった

熊本~人吉を結んでいた急行「くまがわ」。元々は吉都線経由で宮崎へ抜ける急行「えびの」で、この塗装も「えびの色」と呼ばれた

キハ31形時代の「いさぶろう」「しんぺい」

キハ31形の簡易お座敷。転換クロスの間に畳みを敷いていた

これが、新幹線開業後にがらりと変わります。急行「くまがわ」を廃止し、キハ185系による特急「くまがわ」と「九州横断特急」への格上げがあり、「いさぶろう」「しんぺい」にはキハ140形改造の観光用車両投入(後にキハ47形も増備)。全く優等列車の無かった吉松~隼人には、鹿児島中央までの臨時特急「はやとの風」(後に定期列車へ格上げ)が投入されました。さらに廃車危機から復帰した58654号機による「SL人吉」が昨年復活し、今や九州一の観光路線となりました。

初期のキハ185系特急「九州横断特急」「くまがわ」。まだ「あそ」「ゆふ」用の仕様であったころ

キハ185系による特急「九州横断特急」「くまがわ」。リニューアル工事が施された

リニューアル後のキハ185系特急「くまがわ」の車内。木材を使用したJR九州らしい設備になった

デビュー当時のキハ140形「いさぶろう」「しんぺい」。キハ140形は指定席

キハ31形が従来の「いさぶろう」「しんぺい」用として自由席

キハ47形増備後は、キハ47が指定席、キハ140形が自由席として運用されることが多くなった

「いさぶろう」「しんぺい」用キハ140形の座席。木材を利用してクラシックな感じになっている

キハ140形+キハ147形の特急「はやとの風」。後にキハ47形が増備され、キハ140形は予備車になっている

「はやとの風」の展望席付近。展望席構造は「いさぶろう」「しんぺい」のキハ140形とほぼ同じ。一般席は回転式リクライニングで特急仕様だ

熊本を発車する復活した「SL人吉」

さて、この肥薩線の魅力はこういった列車だけではなく、車窓と駅でもあります。車窓では八代~人吉は球磨川の流れに沿うため、球磨川の美しい流れを見ることができ、人吉~吉松の矢岳越えは古くからの日本鉄道三景に数えられるほど、スイッチバックとループ線によるダイナミックな景色が楽しめます。吉松~隼人はあまり景色的に見るところはないのですが、100年以上前からの開業時からの駅舎が残る大隅横川駅と嘉例川駅があります。特に、矢岳越えは「いさぶろう」「しんぺい」で観光用に途中停車もしてくれるので、乗るだけでとても楽しい区間です。なお、沿線にはいくつか温泉地も点在していますし、保存SLもあります。

人吉駅

矢岳越えのループ線の上から撮影した大畑駅のスイッチバック

矢岳駅の駅舎

矢岳駅前にあるSL展示館。58654号機もかつてはここに保管されていた

保管されているD51形

真幸駅の幸せの鐘。ちなみに、真幸駅は宮崎県にあり、宮崎県内で最初に出来た鉄道駅である

吉松駅前にあるC55形の保存機

沿線に一勝地、人吉、真幸、吉松とめでたい駅名の多いのも肥薩線の特徴の1つです。これを利用した記念キップもよく販売されています。
また「いさぶろう」「しんぺい」の列車名は数少ない人名を付けた列車名で、「いさぶろう」が肥薩線建設当時の逓信大臣山縣伊三郎、「しんぺい」が開業当時の鉄道院総裁後藤新平より取られています。また人吉発吉松行きの列車が「いさぶろう」、吉松発人吉行きの列車が「しんぺい」です。
肥薩線へ行くには、九州内からだと「ぐるっと一周肥薩きっぷ」や「人吉・球磨フリーきっぷ」がいいでしょう。本州からだと周遊きっぷの熊本ゾーン、鹿児島ゾーンを利用するか、九州ゾーンで他にも回るかという感じでしょうか。
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