徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

シルクスクリーンプリント基礎講座 / 3日目 製版作業・インクの種類を変えて試し刷り2

2019年03月30日 | シルクスクリーンプリント講座




この日は製版作業から始めました。

フォトショップで作成した画像データを
透明フィルムに出力して製版原稿とします。



露光機に原稿を乗せて
インク濃度に問題がないか
フィルムにキズがないかなど確認。



感光フィルムを貼ったスクリーン枠を
製版原稿の上に設置。
その上から遮光圧着ゴムを置きます。
そして
焼き付け時間をセット
バキュームボタンを押す
露光ボタンを押す
露光開始。



露光後は水洗い。
未露光部分の感光膜が溶けます。
細部はシャワーで洗い流し
製版作業完了。



各自1枚の版を作りました。
全員、トラブルなく、完成。

その後は
早速、刷り作業に着手。



この日は
透明インク
不透明インク
発泡インク
ラバーインク

刷り実験に取り組みました。



下の実験は
エアーブラシで下地を作った上に
透明インクで刷りました。



次は黒の不透明インクに
黒のラバーインクを刷りました。



質感が異なる黒が重なると
光の加減で
ネガポジ反転して見えます。



発泡インクで刷った画面は
熱を加えることでインクが膨らみます。



赤の発泡インク部分が膨らんでいます。



実験のデータを画面隅にメモして
この日の実習を終えました。



この実験結果をもとに
2課題目のプランを練り
製版原稿作成を宿題としました。


記:徳永好恵


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大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。 

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月イチ創作実験クラブ / 活動報告:コラージュ・デジタル合成と日常の創作活動報告会

2019年03月27日 | クラブ活動



前回同様に
手作業によるコラージュを継続しながら
今回は
撮影の工程を含めるコラージュに取り組みました。



まずは
自宅で進めたコラージュ制作の披露から。



言葉によるコラージュ展開もあり・・・



思考よりも先に
手が動いている?と思える展開もあったり・・・



皆さんの充実した自主制作を拝見した後
今回と次回に繋がる
コラージュの応用編を紹介しました。



コラージュ画面を撮影して
デジタル画像に置き換え



画像編集ソフトで更に合成したり・・・



転写液を用いて合成したり・・・

様々な手法の展開を紹介。



もちろん手作業による
物質感ある画面作りにこだわっても良し・・・



それぞれの手法で
コラージュの魅力を
更に深く体験していただきました。



講座終盤は個々の作品制作確認。
必須ではなく
随時、制作が進んだ方が提示します。



テーマを決めて撮影をはじめ2年が経過した段階で
そろそろまとめていこうと持参されました。



作品のステイトメントと照合しながら
皆でアレコレとディスカッション。
表現内容の核となる部分を抽出した結果・・・



半分くらいの枚数に集約。

最終的に30枚程度の構成となるよう
引き続き撮影に励んでいただくことになりました。


記:徳永好恵


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銀塩写真講座 Step2 / 3日目 写真研究:実体験を伴う学び

2019年03月23日 | 銀塩写真講座




銀塩写真講座Step2での
写真の歴史を俯瞰することで
今回の受講生は
写真誕生前・創成期の映像に
興味を持ったとの事。

そこで
実体験を伴う学びとして
映像を留める装置を作りました。



写真右の手作りカメラをお手本に



4×5のフィルムホルダーを装着する仕様で



ピンホールカメラを作りました。



マイクロスコープで
穴の大きさや形状を確認。



穴のサイズから絞り値を割り出し
モノクロフィルムで撮影。



撮影後は現像作業。



全暗室にて皿現像に取り組みました。



現像後は、水洗→乾燥と進め



仕上がりを確認。



ライトビューアーに置いて
仕上がりを確認したところ
数か所
フィルムにキズが見受けられました。
また
フィルム濃度が薄い状態でした。

長時間露光の場合
実行感度が低下する相反則不軌を考慮して
撮影しなければならないことを確認。



この日は
仕上がったフィルムから
コンタクトプリント作成までをおこないました。

引き続き
本装置を用いて映像を捉えることに取り組みます。
この日の幾つかの問題点に対し
次回には改善できるようレクチャーして終了。

記:徳永好恵


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海外研修報告:ドンホー版画のリサーチ

2019年03月16日 | 活動レポート


海外研修と称して旅に出ました。

行先はベトナム。
目的はドンホー版画のリサーチ。

リサーチを思い立ったのは
コチラの記事を読んだことがきっかけです。

暮らしの中に存在してきた版画とは?
現在、技術継承が危機的な状況に置かれているらしい。

その実態を見たいと思いました。



目的地へはハノイ経由で。
ハノイと言えば・・・
米朝首脳会談がおこなわれたベトナムの首都。

治安は良いと感じましたが
交通事故にあわないかとヒヤヒヤしました。



上の写真はハノイの中心部に位置するホー・チ・ミン廟



ハノイの旧市街地です。
パリを描いた荻須高徳佐伯祐三の絵画世界に迷い込んだようでした。

旧市街地から出たところの交差点
↓ 

 

動画後半にヒヤリとするシーンが写っていますが
交通量の多さ、特にバイクの多さに驚きました。



バイクの2人乗りはあたりまえ。
家族であれば4人乗車まで認められているとの事。

そのようなベトナムの首都から車で1時間程のところに
目的地のドンホー村があります。



集落の周辺はバナナ畑が続いていました。
都市部を離れるとレンガ造りの建物が多くなり
牛が道端を散歩していたりと、のどかな風景になります。



目的地に到着。



威厳ある門構えの版画工房入り口。



工房内部です。



「お寺を工房にしているのですか?」と尋ねると
写真右端の造りは日本で言うと床の間のようなものであるとの事でした。



画像左から
軸装用の棒を選別する女性
版木を彫る男性
軸装する女性
紙に刷る男性(若者)



壁面には版木が積まれ
その上に刷り上がった版画が干されていました。



見学者に見せるために一部は陳列。
色ごとに彫り分けられた版木セットです。






職人さんの迷いのない手の動きが美しいと感じました。



この作業台の年季の入り方を見ると背筋が伸びます。

 

完成形はコチラ




『ねずみの嫁入り』
ネズミの婚礼に際して
ネコに献上品を贈っている様子を表した図柄だそうです。



工房の片隅では
上の図柄の一部をスタンプした封筒を乾燥中。



500年にわたりドンホー版画を手掛ける家の
20代目、グエン・ダン・チェーさんが表彰された時の
版画と記念写真が飾られていました。



そのチェーさんのお孫さんが刷り作業をしていた彼との事。



この技術継承は彼にかかっているとか・・・。



別館では額装に取り組む女性もおられました。





今回の工房見学の資料として下の版木を購入しました。



版木を購入したのでプレゼントとして
刷り上がりもいただきました。



ホテルに戻り、版木を眺めてると・・・
鏡像ではない事に気が付きました!

私は自分で刷ろうと思って版木を購入しましたが
これは版木の状態で飾るモノとして作られていたんですね。(涙)

記:徳永好恵


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シルクスクリーンプリント基礎講座 / 2日目 製版原稿作成・試し刷り1

2019年03月11日 | シルクスクリーンプリント講座


シルクスクリーンプリント基礎講座、2日目のレポートです。



この日はたくさんのことに取り組みました。



まずは、製版原稿の作り方から。

工程は複雑ではありませんが
フォトショップを使うため
不慣れな方にとっては難しい作業となります。

フォトショップ常用者には一通りの工程を紹介し
自宅で製版原稿を仕上げていただくことに。
不慣れな方には講座後に順を追って説明し原稿を完成させました。

その後は・・・
刷り体験にあたりインク作りから。



TIPAでは水性インクを使用しますが
様々なタイプの水性インクを併用します。

この日は染料タイプのインクを扱いました。
濃縮液をバインダーに垂らし練り込み仕上げます。



インク完成後は刷り体験。



手先だけでなく身体の動きも大切である事を伝え
刷り作業に取り組みました。



多少のムラはあるものの、まあまあの刷り上がり。かな?

休憩をはさむことなく
次は
グラデーションに取り組みました。

各自、2色のインクを選び
境目がなくなるまでインク練り台で丁寧に練ります。







2色のインクが馴染んだ事を確認後
スキージーでインクを持ち上げ
先ほどと同様に刷りました。

最後は
余ったインクを用いて
アクションペインティングのような刷り。



この日に仕上がったモノはコチラ



様々な刷り上がり結果を得ることができました。


記:徳永好恵


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銀塩写真講座 Step2 / 2日目 写真研究:写真史レクチャー2

2019年03月08日 | 銀塩写真講座


写真誕生前、創成期に思い馳せた前回に引き続き
今回はその後から現代までの写真にまつわるアレコレを紹介。



適宜、徳永写真美術研究所の蔵書を参照しながら
受講生の関心ある部分を膨らませ
対話型の講義をおこないました。



Step2の写真研究には実習はありませんが
個々の作品制作につながる話も多く含めました。

銀塩写真講座の3つのステップの流れの中で
このStepではは写真の歴史を踏まえ
自身が取り組むべき方向を定める事を目的としています。


記:徳永好恵


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