徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

写真基礎講座 4日目 / モノクロフィルム現像を学ぶ

2013年05月26日 | 銀塩写真講座

今回はモノクロフィルム現像を学びました。

写真のキャリアが長い方でも
案外、体験した事がないのがフィルム現像。

外注もできますが、作品用のフィルムは
安定したコンディションで仕上げたいところ。

やはり、自らの手でおこないたいものです。



受講者の皆さんにとっては

デジカメ世代のため初めて
学生時代以来
現像はいつも外注・・・
もちろん
自宅でフィルム現像を
常におこなっている方も含みます。



一連の作業工程の中で
初心者にとっては
フィルムをリールに巻く事が
最も難しいポイント。
慣れないうちは手が汗ばみ
ダークバックの中が多湿状態となり
フィルムがベタついたりします。



現像作業は
液温と時間を確認しながら
丁寧におこないます。



薬品処理が終ると
仕上がりが気になりますが
しっかり水洗する事が大切です。



この日は
フィルムの端が
折れる部分があったものの
みなさん、おおよそ成功しました。

今回の作業はここまで。
次回から
現像したフィルムをプリントします。

<追記>



この日の授業後
受講生のお一人がスマートフォンで
ネガフィルムを撮影するとポジ画像となる機能を使い
現像したフィルムの画面を確認されていました。

今や、スマホは
露出計となったり、ポジ画像を確認できたりと
すごいのですね。
電話やカメラ、パソコンの域を超え
独自の進化をしているんだなと
ガラケー利用者の私は驚くばかりです。

記:徳永好恵

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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シルクスクリーンプリント基礎講座 3日目 / 刷り作業&次作の準備

2013年05月25日 | シルクスクリーンプリント講座

今期のシルク基礎講座の日程は
一部、自主設定の作業日があります。

その自主設定日での作業で
3年前からシルク制作に取り組んでいる方と
一緒になる日がありました。



だんどりよく刷る様子を眺めながらの基礎実習は
学ぶべきところがあったと思います。



今回は
耐水紙を切り抜いて版を作り
これまでに刷りあがった画面に
1色重ねる実験をおこないました。



重ねる色は蛍光のピンク色。
実習で使用するインクは透明のため
下地の色が影響します。



上の画面は
青と緑のグラデーションのベタ面に
写真製版したモザイク模様を黒で刷り
最後に耐水紙を切り抜いた部分に蛍光ピンクを重ねています。
3度の刷り重ねですが
多くの色を生み出すことに成功しています。



授業後半は
次の作品制作の製版原稿を
仕上げるところまでをおこないました。

次回からは
これまでの体験を踏まえ
シルク作業を進めていきます。


記:徳永好恵

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古典技法シリーズ:サイアノタイププリント講座<後半>

2013年05月19日 | 古典印画技法講座
今年度のサイアノ講座は土日を2クール
全4日間のスケジュールで開催しました。

本ブログは後半の2日間の報告です。



まずはテキストに沿って感光液の調合を復習しました。



講座ではA4程度の紙を利用する事が多いですが
今回は大きなサイズも試みました。
また
感光液を絵の具として扱う取り組みもありました。



デジタルネガフィルムでの取り組みは紫外線プリンターで
フォトグラムやそのほか諸々の取り組みは
太陽光で露光をおこなう事にしました。



上の写真は
ネットをモチーフとした画像の
構図を検討している様子です。
トリミングの仕方によっては
モチーフがネットである意味が薄れ
異なる世界を作り出せます。



青の発色が美しい技法ですが
色を変える実験もおこないました。



前回の講座で作成した段階露光のチャートを
更に細かく区切り、色の変化チャートを作りました。



サイアノの薬品は
粉状で入手すると比較的安価なため
気軽に大きなサイズに挑戦することもできます。

この技法は作業工程を学んだ後
自分の興味の方向へのアレンジが楽しいと思います。

自分にとってのサイアノ表現はどこにあるのか?
技法の習得だけに終らず
いろいろと考える機会になるよう講座を進めました。

記:徳永好恵

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写真基礎講座3日目 / 陽画と陰画、両方のフォトグラム体験

2013年05月12日 | 銀塩写真講座

今回のお題は
光と影で描くフォトグラム。
ただし
通常のフォトグラム実習ではなく
陽画と陰画の両方を体験する事がポイントです。



陽画法としてのフォトグラム実習では
熱で現像する感光紙を用いました。
アイロンの熱で現像できます。



この感光紙は未露光時は薄い黄色。
光があたると白に。
光があたらない部分は現像後
青に発色します。

作業は公園にて。
露光は太陽光でおこないました。 

光があたり過ぎると
真っ白の画面となるため
程よい光の加減を会得するまでは
なかなか思うような仕上がりにはなりません。

上手くできた例を紹介します。



蝶をモチーフとして露光した結果



蝶の痕跡を捉える事ができ
儚い印象の画像となりました。



コチラは
木漏れ日が射す中で
感光紙にロザリオを置き露光しています。
ロザリオは
神々しい光に包まれているように見えます。



太陽光での
陽画法を体験した後は
暗室にて
陰画法に取り組みました。



モノクロ印画紙を用いるフォトグラムは
光があたると黒に
あたらない部分は白に発色します。
先ほどの作業とは逆の階調となります。

同じモチーフでの露光結果を紹介します。







機械的に階調が反転するだけでなく
露光環境によって
描写の様子が異なる事に気付きます。



この光の作用こそ
写真の本質です。

photo (光の) - graph (図)


 記:徳永好恵


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古典技法シリーズ:サイアノタイププリント講座<前半>

2013年05月05日 | 古典印画技法講座

青の表現に取り組む
サイアノタイププリント講座
2度の土日開催で全4回の講座です。
講座レポートは
前半と後半に分けて報告いたします。 



まずは
記録写真がないですが
2種の粉状の薬品を
調合するところからスタート。
完成した感光液を支持体へ塗布します。
支持体は布・紙、可。

紙に塗布すると写真技法
布に塗布すると染色技法

言われる点は
本技法の面白いところ。

ちなみに
私は大学時代に
染色技法として出会っています。



上の写真は大学時代の恩師
染色家・山口通恵氏(故人)による
個展の会場写真。

光で染め上げた“光の染色作品”です。



前置きが長くなりましたが
講座での作業内容を紹介します。 



薬品の塗布の仕方は
人によって様々ですが
均一に塗ろうとする場合は
スポンジ刷毛がオススメです。



最初の感光紙作りでは
塗布面に鉛筆で線を引きました。
これは何故?



TIPA校庭(自称)は、たくさんの花が咲き
とても気持ちの良い空間です。
ここで日光による露光作業をおこないます。



まずは、段階露光により
露光時間と青の発色の関係を学びます。



未露光部分の薬品を水で洗い落とします。



水洗中に
徐々に鮮やかな青色が発色します。
この色の変化は感動的です。



この技法のシステムを理解した後は
様々なモチーフを感光紙の上に置き
光と影による像を写し撮る
フォトグラムとしての制作に取り組みました。



次なる取り組みは・・・



デジタル写真時代の到来に伴い普及した
デジタルネガフィルムを作成。
そして
日光の代わりに
露光機を用いて露光する工程を体験しました。


大きなサイズも対応できるTIPA自作の露光機です。

露光機を使うと
一定の光量で露光できるため
イメージ通りの結果を得る事ができます。





講座前半の成果です。



様々な実験がなされた事が伺えます。



こちらは講座中に仕上がった1枚。



ガラスの花瓶を感光紙に置いて
日光で露光した図柄です。
目では認識し辛いガラスの屈折が
細胞のごとく現れています。

光と影による
写真の魅力の極みだと思います。



講座後半は更なるサイアノの魅力に取り組みます。


 記:徳永好恵


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