徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

サイアノタイププリント講座 / 4日目 布へのサイアノ&最後の実験

2016年05月29日 | 古典印画技法講座


サイアノタイププリント講座、実習最終日です。

この日は、まず
布を支持体として取り組みました。

布にサイアノタイププリントをおこなうと
“光の染色”として
私の恩師・山口通恵氏の作品のように
染色技法にカテゴライズされる場合もあります。
実は私は大学時代に染色技法の1種として学んでいます。



綿布にサイアノ薬品を塗布して乾燥中の様子。
支持体を紙から布に変更しても処方は同じです。



この実習ではプリンターでの露光をおこないました。

プリンターのライトはブラックライト、青い光で照射。



水現像直後の様子です。
濃度が薄いように見えますが
数時間後には
現状よりも濃く鮮やかな色調に変化します。



後半は
各々の実験に取り組みました。



前回は水現像中に紙が溶けてしまう事がありましたが
今回も引き続き
和紙を中心に様々な紙の実験に取り組む方がおられました。

その他



支持体は白であり、無地であるという概念を超えた実験をされる方も・・・

4日間の実習を通して多くの体験をしていただきましたが
サイアノタイプの魅力を紹介したにすぎません。
講座を終えた後の制作が重要です。
この講座では年度末に
作品として仕上がった制作物を持ち寄るカリキュラムです。
皆さんの今後の展開に期待して講座を終えました。


記:徳永好恵

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大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。

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銀塩写真講座1 / 4日目 暗室作業を学びながらのピンホール写真制作

2016年05月22日 | 銀塩写真講座


ピンホールカメラ撮影で仕上がった
ネガ画像の諧調反転に取り組みました。



暗室作業の前に・・・



ピンホール写真作品の資料や文献を紹介。



暗室作業では
現像液・停止液・定着液と各種薬品を作る事から。



諧調反転作業では引伸機を使用するため
機械の操作も同時に学びました。



反転プリントでは、まずは
露光時間を変えてテストプリントを作成します。



仕上がったテストプリントを見て露光時間を決定。



そして
完成したピンホール写真はコチラ



目に見える風景とは異なる世界が現れました。



今回でピンホール写真制作は終了。
興味があれば個別に更なる制作を進めていただきます。
次回からはモノクロフィルムの現像・プリントに取り組みます。


記:徳永好恵


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サイアノタイププリント講座 / 3日目 デジネガ露光・青色の変換・支持体研究

2016年05月15日 | 古典印画技法講座


この日は
4時間の講座のなかで多くの事に取り組みました。

まずは
前回に準備したデジタルネガフィルムを用い露光機でのプリント作業。
グレースケールを露光したデータシートに基づき
フィルムを作成しているため予定通りに仕上がります。



上の制作物はネガ作成時に
絵画的効果を増幅する調整を施しているため
浮世絵的な魅力を感じる仕上がりとなりました。



露光機での照射中には、他の実験も同時に進めました。



皆さんが持参した様々な支持体に感光液を塗布し
それらの結果を検証しました。



革にサイアノ薬品を塗り、露光した結果は・・・



こんな感じ↓



シダの形状が微かに見えます。
写真黎明期の実験作のよう・・・。



↑こちらは何故かソラリゼーションが起こる像となりました。



巻き簾はこのような状態に。



水現像時に支持体が溶けてしまうケースもありました。

この日の取り組みは
更なる研究に期待したい結果が多く
皆さんの今後の展開が楽しみです。 



その他、サイアノの青色を変換する事にも取り組みました。



黄土色、緑、青緑、赤茶、紫・・・等に変換する事ができます。



この日の実験を通して
底がないサイアノの魅力を体感いただけたことと思います。

次回は布を支持体とするサイアノ実験に取り組みます。


記:徳永好恵

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銀塩写真講座1 / 3日目 ピンホール写真の原理を学ぶ・カメラ作り・撮影・現像

2016年05月08日 | 銀塩写真講座


2回にわたりピンホール写真制作に取り組みます。

デジタルカメラのレンズを外して
ピンホールカメラを作る事もできますが
この講座では空き箱でカメラを作り
印画紙を入れて撮影する方法で進めました。



まずは
ピンホール写真に関する文献の紹介と原理を解説し・・・



シンプルな構造のカメラオブスクラで
その原理を確認したのちカメラ作りにとりかかりました。



最初にアルミ板に小さな孔をあけ・・・



遮光するための施しをおこないカメラを完成させました。

箱に印画紙を入れて、いよいよ撮影。



シャッタースピードは数十秒間
腕時計で露光時間を計りながら撮影をおこない
暗室にて現像作業を経て仕上がった写真はコチラ



印画紙は光があたると黒く反応します。
そのため
この段階ではネガ状の画像が仕上がります。



次回は
暗室にて諧調を反転させて完成させる予定です。


記:徳永好恵

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サイアノタイププリント講座 / 2日目 それぞれのサイアノ実験

2016年05月01日 | 古典印画技法講座


前回の
サイアノタイププリント体験を踏まえ
今回は
各自それぞれの実験を進めました。

その実験の一部を紹介します。





バインダーに閉じられた印刷物を抜き出し感光液を塗布



様々な植物を乗せて露光



水現像後は・・・



再びバインダーに綴じるという制作に取り組まれた方がおられました。
文章と植物との絡みによっては意味深い制作物となりそうです。





コチラの方は感光液を絵の具として扱い



水墨画のように描かれました。
印画技法の枠にとらわれないサイアノタイプの扱いに
無限の可能性を感じます。



太陽光での露光作業の傍ら
次週から取り組む
プリンターを使用する準備もおこないました。



デジタルカメラで撮影した画像データから
ネガフィルムを作ります。



サイアノスケールの発色具合を参照しながら
画像濃度の調整をおこない
デジタルネガフィルムを仕上げました。

次回は
プリンターでの露光と
青色を変換させる作業に取り組みます。


記:徳永好恵


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