徳永写真美術研究所 運営日誌

徳永写真美術研究所は「美術としての写真」「写真で伝える方法」について研究・作品制作する講座を運営。大阪・鶴橋で開講。

古典印画技法 ヴァン・ダイクブラウンプリント講座 / 2日目 応用実習:デジタルネガフィルムを使用したプリント制作

2020年01月17日 | 古典印画技法講座

ヴァン・ダイクブラウンプリント講座
2日目の報告です。


前回に調合した感光液を用い
薄明るい光のもと
印画紙作りから始めます。


感光液を塗布した印画紙が
乾燥する間に
デジタルネガフィルムの作成。


自宅でフィルムを準備できる方は
持参したフィルムの仕上がりを確認。


準備が整った人から順次露光作業。


今回
2種類のサイズに対応しました。
TIPAの手作り露光機では
小さなサイズは1度の露光で4枚
大きなサイズは2枚露光できます。


露光直後のプリントです。

刷毛ムラが目立ちますが
風を描いたという解釈でヨシとします。


現像作業を進める中で
色調がどんどん変化していきます。


最終的にはこのような色調に仕上がります。


自宅から持参した和紙を用いて
プリントされた方もおられました。

感光材を塗布する際
和紙の繊維が刷毛に絡まり玉々が出来たために
白い小さな斑点が印画されました。

TIPAでは受講後も制作の場として
施設を使用いただける体制です。

その後の自主研究に期待して
2日間のプリント体験を終えました。



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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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古典印画技法 ヴァン・ダイクブラウンプリント講座 / 1日目 基礎実習:感光薬品の調合&データチャート作成

2019年12月28日 | 古典印画技法講座


全2日で完結する
ヴァン・ダイクブラウンプリント講座
初日のレポートです。

サイアノタイププリント講座と同様に
既成の感光液を使用せず
薬品を調合する事から始めます。

ブラウンプリントという名の通り
茶色に発色しますが
宮廷画家アンソニー・ヴァン・ダイクが描く
格調高い絵画世界と似ているため
ヴァン・ダイクブラウンプリントと呼ばれているとの事。
故に
格調高い写真が仕上がるはずです。
(?)

 

本技法に関係する
資料やサンプルを紹介。
その後
作業工程を説明し
実作業に取り組みました。



ヴァン・ダイクブラウンプリントは
硝酸銀
クエン酸鉄アンモニウム
酒石酸
3種の薬品を調合して感光液を作ります。
サイアノでは1グラム単位の
はかりで計量しましたが
今回は小数点以下の数値も測れる
精密はかりを用いました。



また
本技法は感光性が高いため
薄暗い環境での作業となり
小数点以下を計量する際は
息を止め、目を凝らしての作業となります。



紙に薬品を塗布し乾燥。
この日は
20段階のグレースケールを
露光機で焼き付けしました。



露光直後は
黄色味の強い飴色ですが
定着後は茶系に変化します。



講座後半は
完成したデータチャートの発色を参照しながら
デジタルネガフィルム作りに取り組みました。

次回はネガフィルムの出力
そして
8×10インチサイズ程度の大きさの
ヴァン・ダイクブラウンプリントを完成させます。


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 4日目 デジタルネガフィルムからのプリント&支持体研究2

2019年12月03日 | 古典印画技法講座


美しい青を発色する
古典印画技法・サイアノタイププリントを
学ぶ最終日のレポートです。



この日は
デジカメで撮影した写真データから
ネガフィルムを出力する
一連の作業の復習からスタート。

テキストを指さしながら各作業を確認。



細かな部分は随時モニターを撮影して
講座終了後も自宅で
フィルムを作成できるように対処。



ネガフィルム出力後は紙の準備。

この日は受講生が持参した紙を使い
感光紙を作りました。



薄い和紙は繊維が刷毛に絡むなど
支持体となる紙によっては
これまでのようにムラなく
感光液を塗布できないものもありました。



始めて使う紙の場合は
グレースケールも含めて露光して
紙の特性を確認します。



この人物画像は非常に薄い和紙のため
現像中に破れないように注意が必要でした。



左は薄い和紙、左は版画紙。
発色や中間トーンの描写が異なる結果となりました。



コチラは
A3ノビのデジタルネガフィルムからのプリント。
本研究所で可能な最大サイズのプリントです。
美しいサイアノタイプのプリントが完成しました。

徳永写真美術研究所では
受講後も研究所で作業を
おこなっていただける体制です。

本格的に作品制作が始まることを期待して
全4回の講座を終えました。


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 3日目 デジタルネガフィルムからのプリント&支持体研究1

2019年10月24日 | 古典印画技法講座

美しい青を発色する
日光写真
こと
サイアノタイププリント

体験する講座
3日目のレポートです。



まずは
感光液作りから。

調合済の感光液が売られる時代ですが
徳永写真美術研究所では
粉状の薬品を溶解・調合する事から始めます。

3度目の感光液作りとなると
確実な動作で作業が進みました。

その後



前回の講座で作成した
デジカメデータからのネガフィルムを出力。
その仕上がりを確認して・・・



感光液を塗布する支持体について
希望があるとの事で
話を伺い・・・
実験してみることにしました。



様々な印刷物に感光液を塗布し・・・



今回は日光ではなく
露光機のライトで焼き付けました。



露光直後の様子です。



水洗の工程を経た仕上がりは・・・



青の色味にバラツキが出ましたが
失敗ではない結果となりました。



ただし
印刷物については
インクが乗った部分の青濃度は
低く仕上がりました。



印刷された既存情報と
サイアノ画像の組み合わせから
何が生まれるでしょうか?

講座受講後の展開が楽しみです。


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 2日目 プリント実習&デジタルネガフィルム作成

2019年09月11日 | 古典印画技法講座


サイアノ薬品の調合から始める
古典印画技法ブループリント講座
2日目のレポートです。



前回の経験を踏まえ
この日は日光とライト
両方の露光に取り組みました。



まずは
感光液を塗布して印画紙作り。

その後は・・・

<露光バージョン1>
ブラックライトでの露光。
グレースケールと4×5フィルムを
原稿としました。



<露光バージョン2>
快晴の空の下で
植物をモチーフとする印画と…



モチーフを通した影の印画に
取り組みました。



仕上がりはコチラ



前回とは異なり
感光液の塗りムラが目立ちました。

ある程度の時間をかけて
感光液を塗布すると解決するはずです。

この経験により
丁寧な作業の必要性を学びました。



講座後半は
デジタルカメラで撮影した画像データをもとに
ネガフィルム作成に取り組みました。

手順を記したテキストに従い作業を進め…



作成した画像の濃度を測り
グレースケールの印画プリントを参照して
最終的な仕上がり具合を確認。

必要に応じて微調整を施し
デジタルネガフィルムを完成させました。



原稿作成中は随時
作業の記録写真をとりながら
自宅での復習に備えました。

次回は
このデジタルネガフィルムを用いて
露光作業をおこないます。
予定通りの仕上がりとなるでしょうか。


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 1日目 青の魅力に触れる

2019年08月22日 | 古典印画技法講座


青の発色が美しい
サイアノタイププリントを学ぶ
講座レポートです。



日光写真とも呼ばれる技法ゆえ
初日は屋外での露光に取り組みます。

まずは
データチャート作りから。



サイアノタイプは
感光性が低いため扱いやすく
明室での印画紙作りが可能です。

薬品を調合して感光液を作り・・・



紙に塗布して印画紙を作り・・・



快晴の空の下で
5秒
10秒
15秒
30秒
60秒
90秒
3分
5分
10分

段階露光をおこないました。



研究所に戻り現像作業へ・・・



露光直後の灰緑から徐々に
青みを帯びた色相に変化します。



現像を終えた青色は
数日後には更に冴えある青となります。

このチャートにより
3分間の露光で
深い青を発色することを確認。



その後は幾枚かのプリント実験をおこないました。



次回は
デジタルカメラで撮影したデータから
ネガフィルムを作り
プリント実験をおこないます。



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古典印画技法ブラウンプリント講座・ヴァンダイク / 2日目 デジタルネガフィルムからのプリント

2018年12月15日 | 古典印画技法講座





ヴァンダイクブラウンプリントを学ぶ講座の二日目。
前回に仕上げたデジタルネガフィルムをプリントします。



初日のグレースケールフィルムの焼き付けに失敗した原因は
薬品の調合時に間違いがあったと結論付け
今回は慎重に精密測りのメモリを確認して薬品を調合
そして
感光液を紙に塗布・・・



露光機で焼き付けました。



適宜、記録写真の撮影を挟みながら作業を進めてもらいました。



露光直後の水洗では黄色味がかった画像ですが



定着工程に移ると色相が変化します。



乾燥すると柔らかで上品な茶系に変化。

宮廷画家のアンソニー・ヴァン・ダイクが描く
茶色の美しさを称えて名付けられた本技法、
その由来にふさわしい画像が仕上がりました。



この講座は全2回の体験講座であるため試作の域です。
作品としての仕上がりは今後に期待したいと思います。


記:徳永好恵

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古典印画技法ブラウンリント講座・ヴァンダイク / 1日目 スケールのプリント&ネガフィルム作成

2018年10月01日 | 古典印画技法講座


徳永写真美術研究所では
サイアノとヴァンダイク
二つの古典印画技法講座を準備しています。



ヴァンダイクブラウンプリントは
宮廷画家のアンソニー・ヴァン・ダイクが描く
茶色の美しさを称えて名付けられたとされています。
ゆえに格調高い色調(?)となります。

感光紙を作る際に使用する薬品は3種
クエン酸鉄アンモニウム、酒石酸、硝酸銀



各薬品を確認しながら既定量の水で溶解。



溶解した液を混合し、感光液が完成。



紫外線を発しない電球のもとで手早く感光紙を作ります。



そして
5パーセント刻みのグレースケールフィルムを焼き付けました。



ところが



現像処理後はコチラ



薄っすらスケールを確認できますが
明らかに失敗です。
どこに問題があったのか直ぐには原因を確認できず・・・。



気を取り直して
講座後半ではデジタルネガフィルム作成に取り組みました。



事前に仕上げていたグレースケールのチャートを参照しながら
フォトショップを使用して予定通りに作業を進めました。



講座後
今回の失敗はどこに問題があったのか?
薬品に問題があった?
季節柄、湿気でダメになったとか?
すぐさま確認しようと
自身のフィルムをプリントしたところ



これまた見たことがない結果が・・・
画面に斑模様が出ました。
しかし
写真右のグレースケールはいつもの仕上がり。



左の紙は
随分前にいただいた高級版画紙。
たぶん
紙の保管が悪くておかしくなったのだろうと推測し
もう一度
常用している紙で露光しなおしたら
通常の仕上がりでした。
ホッ。



薬品に問題はないことを確認して
再度、失敗の原因を考えたところ・・・

今回、薬品を量る際
0.01g単位の精密計量機を使用したため
計量単位を間違えかもしれない?
・・・という仮説を立ててこの日は帰宅しました。

これまでに自身の制作でも講座でも
このような失敗をしたことがなかったため慌てましたが
2日目の講座では
再度、感光液の調合から始め
問題なく作業を進行できました。



この日の失敗を忘れることなく
作業の見守りを細やかにおこなうことを心に誓いました。


記:徳永好恵


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 4日目 色調の変換・布へのプリント・デジタルネガプリント... etc.

2018年09月04日 | 古典印画技法講座


講座4日目、最終日のレポートです。

この日は4時間の実習の中で
たくさんの事柄に取り組みました。

まずは布を支持体とする展開について。



染織を専攻していた大学生の時
私は「光の染色」として
サイアノ(シアノ)タイプに出会いました。
当時、サイアノ技法で
140cm幅の布を染める制作をされていた
先生のお手伝いをしていた事から
様々なサイアノ展開を経験しました。
なので
サイアノについては
私の経験値はかなり高いはず。たぶん。
(笑)

参考までに
https://blog.goo.ne.jp/tipa-y/e/2368f96a7355f88cc18f30efd3450af4



布にプリントされた画像が
水中でゆらゆら浮遊する様子は
写真が幽体離脱したよう・・・。



その後
色調の変換にも取り組みました。



上の画像、右端の青色がニュートラルな青です。
アンモニアとタンニン酸を用いて
赤茶、紫・青緑などの色調に変化させました。



色調の変換には
“ ちょっとしたコツ ” が必要。
実演を通して
そのコツをお伝えしました。



講座後半は
個々の作品制作に繋がる作業に励みました。

デジタル写真データからネガフィルムを作成し
紫外線プリンターで露光する手順で



キャンバスに画像を印画しようとする実験は
何故か思うように画像が定着しません。



キャンバスの種類やジェッソなど
下地材の組み合わせに相性があることが判明。



結果が出るもの、出ないもの、
様々な実験結果となりました。

講座終了後も
この実験を継続されるとのこと。
サイアノ技法がキャンバスに採り込まれた絵画を
拝見できること、楽しみにしています。



こちらは
サイアノ経験30年の私を驚かせた制作について。



露光機を使わず太陽光での制作です。
近寄って見ると・・・



このように譜面台を用いて
感光紙の角度を調整して露光。
その結果は・・・



幾何学模様が無限にできそうです。
この後、どのような展開となるのでしょうか。
可能性を秘めた実験に興味津々。



本技法は
夏場にワークショップが多く開催されるため
夏限定なのかと思われがちですが
時間をかければ冬の太陽光でも可能です。

秋以降の制作報告を期待して
全4回の講座を終えました。


記:徳永好恵

 

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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 3日目 デジタルネガフィルムでの露光と様々な実験2

2018年07月07日 | 古典印画技法講座


3日目の講座レポートです。

私がサイアノタイプ技法を紹介する際
常に受講生の皆さんが
この技法のどこに興味を持つのか
その視点に興味を持っています。



まず、この一枚目の写真の
幾何模様は何だろう?

思いますね。

気になる方は
引き続きお読みください。





この日は
デジカメで撮影した写真データを元に
ネガフィルムを作りました。



フォトショップの
基本操作に重点をおいて
手順を紹介しました。



デジタルネガフィルムを作成後
露光準備に取り掛かる時に
驚いたのは・・・
隔週で進むこの講座に対する
皆さんの入念な事前準備。



レリーフ状に折った紙を持参されたり・・・



フォトグラムとしての
露光用モチーフを自作したり・・・



様々な種類のキャンバス用い
下地材を1重、2重と塗り方を変えて
準備されたり・・・



たくさんの露光実験をおこないました。
その結果は・・・



良好な結果が得れないものもありましたが



貴重な実験結果として
次につなぎます。



4回目の講座では
これらの結果をもとに
更なる実験が続きます。



記:徳永好恵


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