徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

作品制作研究講座 / 4日目 表現をおこなう1:ステイトメント作成

2018年09月21日 | 研究講座


「表現とは何か」の確認を経て
次は
「表現をおこなう」ことに取り組みます。



今回は普段の制作とは別に
表現することを意識したサンプル制作に対するステイトメントを仕上げ
その内容を検証しました。



「なぜ・・・なのか? その理由は?」

質疑応答を繰り返しながら
制作内容を深めるヒントを皆で探しました。



後半はたくさんの資料に目を通しながら



自分の関心がどこにあるのかについて考えました。



時には文献をざっと読み込んだり・・・



気になる作家の年譜を見ながら
活動当時の世界情勢を念頭に入れて
作品を見直すと新たな気づきがあったり・・・



1990年の書籍と映像をあわせて見ると・・・



これらは
自身の制作活動に関する “ある動機” を
与えていたということにも気づきました。



次回は
個々の制作を如何に進めるかについて考えます。

記:徳永好恵


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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。 

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銀塩写真講座 Step1 / 4日目 プリント実習1:暗室準備と作業工程を学ぶ

2018年09月10日 | 銀塩写真講座


暗室にて印画紙に画像をプリントする作業を学びます。



まずは現像液、停止液、定着液の準備から。



薬品は粉状、液状とあります。
それぞれ指定の比率で溶解・希釈して使用液とします。
液温については20度が目安。



徳永写真美術研究所の暗室には5つのブースがあります。
現在、ラッキーの引伸機をメインとし
35mmから中判、4×5フィルムまで、各フィルムサイズに対応しています。



下に作業記録を記します。

引伸機の扱いにおいてはレンズを装着することから。



そして
最初のプリントはコンタクトプリント。
現像したフィルムを印画紙に置いて露光します。



コンタクトプリントで撮影の全貌が俯瞰できます。



仕上がったプリントから引き伸ばす写真を選び・・・



フィルムをネガキャリアに挟みます。



この時点で
フィルム写真に詳しい方はお気づきかと思いますが
この記録写真に写るフィルムは
35mmフィルムながらもハーフサイズです。



そのため
2カットを同一画面としてプリントしました。



テストプリントを経て仕上がった写真です。



連続するカットを1枚の印画紙に同居させることで
伝えるモノ、それは何か。

その後の展開に期待します。

記:徳永好恵


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古典印画技法ブループリント講座・サイアノタイプ / 4日目 色調の変換・布へのプリント・デジタルネガプリント... etc.

2018年09月04日 | 古典印画技法講座


講座4日目、最終日のレポートです。

この日は4時間の実習の中で
たくさんの事柄に取り組みました。

まずは布を支持体とする展開について。



染織を専攻していた大学生の時
私は「光の染色」として
サイアノ(シアノ)タイプに出会いました。
当時、サイアノ技法で
140cm幅の布を染める制作をされていた
先生のお手伝いをしていた事から
様々なサイアノ展開を経験しました。
なので
サイアノについては
私の経験値はかなり高いはず。たぶん。
(笑)

参考までに
https://blog.goo.ne.jp/tipa-y/e/2368f96a7355f88cc18f30efd3450af4



布にプリントされた画像が
水中でゆらゆら浮遊する様子は
写真が幽体離脱したよう・・・。



その後
色調の変換にも取り組みました。



上の画像、右端の青色がニュートラルな青です。
アンモニアとタンニン酸を用いて
赤茶、紫・青緑などの色調に変化させました。



色調の変換には
“ ちょっとしたコツ ” が必要。
実演を通して
そのコツをお伝えしました。



講座後半は
個々の作品制作に繋がる作業に励みました。

デジタル写真データからネガフィルムを作成し
紫外線プリンターで露光する手順で



キャンバスに画像を印画しようとする実験は
何故か思うように画像が定着しません。



キャンバスの種類やジェッソなど
下地材の組み合わせに相性があることが判明。



結果が出るもの、出ないもの、
様々な実験結果となりました。

講座終了後も
この実験を継続されるとのこと。
サイアノ技法がキャンバスに採り込まれた絵画を
拝見できること、楽しみにしています。



こちらは
サイアノ経験30年の私を驚かせた制作について。



露光機を使わず太陽光での制作です。
近寄って見ると・・・



このように譜面台を用いて
感光紙の角度を調整して露光。
その結果は・・・



幾何学模様が無限にできそうです。
この後、どのような展開となるのでしょうか。
可能性を秘めた実験に興味津々。



本技法は
夏場にワークショップが多く開催されるため
夏限定なのかと思われがちですが
時間をかければ冬の太陽光でも可能です。

秋以降の制作報告を期待して
全4回の講座を終えました。


記:徳永好恵

 

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