徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

諸々が繋がるアートプロジェクト:上町台地と俊徳丸と・・・

2022年10月14日 | TIPA活動レポート

昨日
大阪・上町台地をめぐる現代美術展
<オルタナティブ・ロマン>

会場を巡りました。



上町台地には
あべのハルカスが美しく存在します。
対面には重厚な建築の美術館。

上町台地が今も繁栄を続ける
歴史的文化ゾーンである事が伺えます。



このイベントは名前の通り
「上町台地をめぐる」部分がポイント。

私が通った高校が上町台地にあったので
台地エリアは詳しいはずですが
展示会場は
知っているけれど知らない場所ばかり。

例えば
大阪市立美術館の玄関的存在である
黒田藩の門
子供の頃から何度も通っている門ですが、
門そのものに意識を向けた事がない・・・



実は、この門の中に
私の制作物が1点展示されています。



薄暗く厳かな空間では、
フォトめくり俊徳道」という
フィールドワークを伴う
ワークショップでの制作物が
展示されています。

ワークショップは
9月に四天王寺の本坊で開催されました。



下の写真の3点は
左:ワークショップ主宰者の兼子裕代さん
中央:私
右:TIPAメンバーのYoshikoさん
による制作物です。



このワークショップでは
兼子裕代さんのナビゲートのもと
後藤明生さんが
俊徳丸伝説』を題材に執筆した
しんとく問答』に記される場所を
今回、私たちが撮影して
その写真を再構成しました。



俊徳丸伝説の時代
後藤明生が歩いた時代
私たちが今回歩いた時代

3つの時間軸が交錯する画面となり
仕上がっています。

もう少し私的な解説を加えると・・・



俊徳丸の故郷とされる場所
俊徳丸鏡塚
私の家から徒歩5分の場所にあります。

これまで、自宅の近所に
このような名所がある事を知らず
近鉄・俊徳道駅が
俊徳丸に由来する事も知らず
地元に絡むこれらの事に驚くばかり・・・

加えて、アメリカ在住の旧友と
ワークショップを主宰された兼子さんとは
日常生活において懇意の仲との事。

私にとって
諸々が繋がるアートプロジェクトでした。

会期は10月23日まで。
詳細情報はコチラ

https://uemachiartworks.dcmnt.net/

その他
このプロジェクトでの見どころを・・・

メイン会場となる阪口楼は元料亭であり
建物が素晴らしかったです。
展示作品と共に
建物探訪の楽しみがありました。





最後に・・・
下の写真は大阪市立美術館の
奥にある会場入口です。
会場は
旧住友吉左衛門茶臼山本邸土蔵

人の出入りのない建物のため道がなく
展示会場への通路と分かるように
落ち葉で線引きされているのです!



お立ち寄りの際は
ぜひ
アースワークとして鑑賞ください。

会期中に
強風が吹かない事をお祈りします。

以上。

記:徳永好恵

追記
TIPAは上町台地の中心部から
東に降りたところに位置します。
(台地に乗っていない、ザンネン)

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて
写真・写真表現・シルクスクリーンetc.
表現の研究活動をおこなっています。 

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TIPA山のアトリエ活動レポート:藍の生葉染

2022年07月29日 | ワークショップ




大阪・鶴橋を拠点として活動する
徳永写真美術研究所ですが
年に数回
主宰者自宅でも活動しています。

今回は毎夏恒例となっている
藍の生葉染会の様子を報告します。



自宅の一角にある藍畑にて
葉を摘むことから始まります。



葉の採集後は葉の洗浄・・・



染液作りの準備が整うと
染める布の仕込みをおこないます。



模様作りに思案中の図。



染める方法はいろいろ・・・
まるごと青一色に染めるのもヨシ



布をたたんでピンではさんで・・・



布に紐を巻いたり・・・



初体験の方
リピーターの方
染織作家の方
様々な方がそれぞれの目的で
藍の生葉染に取り組みました。



織物作家の方の実験結果



綿糸の前処理を変えた実験です。
微妙な色の違いを確認できました。
この糸で織った布を
後日、見せていただくことになっています。
とても楽しみ!



皆さんが取り組まれた翌日
余った藍の葉で私も1枚染めました。



今年、新たに準備した反物の中から
透け感のある正絹の絽を選び・・・



お抹茶を点てるように作った染液に
布の端を浸けるだけ・・・



染液に浸けた直後は緑色(左)
空気を絡ませながら酸化させ
10分後には青色へと変化します。




更に布を広げて酸化を促します。



仕上げの水洗時に
南国の海を想起させた青は・・・



乾燥すると穏やかな発色となりました。

両端を縫ったら
涼やかなストールの完成。
今年の夏の実用品として活躍しそうです。

記:Yoshie

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TIPA山のアトリエ活動レポート:枇杷&ヨモギ染と藍の生葉染

2022年07月27日 | クラブ活動



創作実験クラブの活動で
おこなった枇杷とヨモギ
そして
藍の生葉染の様子を報告します。



藍の生葉染と同じく
枇杷染も木から一枝を
切り出すところから始まります。



生葉染と異なる点は
染液を煮出す時間が必要であること。



煮出す時間は1時間。



染液ができてから
染める物を鍋に入れて
更に1時間弱火で染めます。



枇杷染の煮出す時間には
藍の生葉染を同時進行させ
2種の染作業を進めました。



モニター越しに繋がる
北海道メンバーは
生葉染はできませんが
枇杷とヨモギの染めに取り組みました。



以下
大阪メンバーの成果です。



創作実験クラブの活動ゆえ
「実験的」な取り組みです。



羽を染めてみたところ・・・
薄っすらながらも青が濃かったのは
付根の芯部分。
動物性たんぱく質に着色しやすい事が
分かる結果でした。



枇杷染では
今回3種の媒染剤を用いました。

*アルミ媒染(ミョウバン)→黄系

*アルカリ媒染(セスキ炭酸ソーダ)→ピンク系

*鉄媒染(木酢酸鉄液)→茶・グレー系



布だけでなく糸染もおこないました。



その他・・・




宝箱を覗くような
結果を得ることが出来ました。



北海道メンバーの枇杷&ヨモギ染です。



枇杷の染液で煮出している図



左は媒染剤を2種かけ合わせています。



ヨモギ染実験



草を染める草木染1:ヨモギ



草を染める草木染2:枇杷



実用とは無縁の実験から
たくさんのアイディアが湧き出てきそうです。

創作実験クラブの活動は
数年後、数十年後に活かす場が
ありそうな・・・
夢ある実験を繰り返しています。


記:Yoshie

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大型カメラ撮影&プリント実習講座3・4

2022年04月07日 | 銀塩写真講座





大型カメラを用いて撮影
フィルム現像
プリントまでをおこなう
4日間講座のレポート後半部です。



まずは暗室にて
現像・停止・定着
各液の調合から。



その後
現像したネガフィルムを
印画紙に乗せてプリントする
コンタクトプリントを作成。
通称:ベタ焼き



手際よく露光時間を割り出し
コンタクトプリントを仕上げ



引き伸ばし作業に進みます。



ネガキャリアにフィルムをセット



プリントサイズを決めて
ピントを合わせ・・・



段階露光をおこないテストプリント



テスト結果をメモしながら
更に厳密なテストプリントを
何度か繰り返し・・・



露光の設計図を作って本番プリント



この一連の作業を繰り返し
4×5フィルムからの
引き伸ばしプリントを
数枚仕上げました。



35mmフィルムよりも
肌理の細かなプリントが
仕上がることを確認して
4日間講座を終えました。




https://tokunaga-photo.com/class/
受講受付中です。

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創作実験クラブ / 8日目 まねぶの研究2:ルーツを意識した試作

2022年04月01日 | クラブ活動



前回の
ルーツを確認するプレゼンをもとに
自分に簡単なエクササイズを課して
実践してみました。

実践内容は皆さんそれぞれ・・・



名画を選び現在の関心事項に絡めて



色や形や手法を模したり・・・



試作に留まらず展開させたり・・・



下の取り組みは
シュールレアリズムの世界に属する
絵画をお手本とした鉛筆画。



画面には普遍的なモチーフ
リンゴ、舟、迷路のような道が存在。
忘れてはならない事柄が
隠されているような世界です。



その他、これまでの人生で出会った
恩師作品のエッセンスを抽出してみたり



大学時代の恩師であったり・・・



高校時代の恩師であったり・・・



右上の絵画は私が
高校の時に買った三岸節子さんの画集。
その絵画を模してみました。
左上は愛用しているTIPA活動着。
偶然の発見ですがシンクロしています。
無意識に構築された
美意識がこの絵にあった事を発見。



常にアップデートされる世の中ですが
時には過去を振り返り
自分のルーツを意識する事は
情報に溺れない、迷子にならないために
必要ではないかとする
<まねぶの研究>報告でした。



活動最後には先月に
個展をおこなったメンバーの展示報告と
ウェブサイトを紹介いただきました。


https://www.makikookitsu.com/

ご自身で作品複写から始めて
サイトを構築されたとの事。

素敵なポートフォリオサイトです。


現在
創作実験クラブのメンバー募集中
https://tokunaga-photo.com/class/#6



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