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徳永写真美術研究所 運営日誌

本運営日誌は徳永写真美術研究所にておこなわれる活動の記録集です。https://tokunaga-photo.com

■ 写真講座 12日目 銀塩写真の魅力・創造的調色

2011年10月30日 | 銀塩写真講座


デジタル写真にはない銀塩写真の魅力というと
いろいろと挙げる事ができますが
個人的な意見では・・・調色ができる事。
次に
定着不足のため画面が変色したり
酸化して銀が浮いたりするとゾクゾクします。
この現象は銀塩写真ならではです。

今回は
保存性を高める保護調色の役割はさておき・・・
創造的調色実験に取り組みました。

下の写真は薬品と調色を施した品。


これまでに使用してきた色味を変化させる薬品の数々。
写真用ではなく独自で開発した処方薬もあります。

授業では
セピアとブルーに変化させる調色をおこないました。



薬品の処方通りに処理するだけでなく
両薬品を掛け合わせる実験もおこないました。
掛け合わすとグリーンの色味が出てきます。
また、部分的にセピア、ブルーを残すこともできます。



私も実習に参入し
調色チャートを作成しました。



調色の魅力が勝ち
作品内容との合致が難しい場合もあります。
この魅力を上手く
表現に採り入れる事はできないかと
長年、考え続けている私です。

記:徳永好恵

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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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■ 写真講座 11日目 全暗室でのシートフィルム現像

2011年10月16日 | 銀塩写真講座


就寝時、灯りを消しても
至る所で電子機器のボタンが点灯する時代
日常に“闇”はなくなりました。

暗室作業といっても
赤いセーフティーライトの下・・・と思いきや
今回のシートフィルム現像は
全暗の空間で作業をおこないました。



全暗室のため・・・作業中の記録写真はありません。



乾燥中の様子



コンタクトプリントを完成させて終了しました。



私の場合
闇の中に身を置くと
とたんに平衡感覚が狂い意識が遠のきます。

作業に意識を強く集中させなければ
手順や処理時間を間違う始末・・・。

いつも
無事に現像作業を終えると
清々しい朝を迎えたような気分になりますが
皆さんはいかがでしょうか。

記:徳永好恵


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■ 写真講座10日目 大型カメラによる撮影実習

2011年10月02日 | 銀塩写真講座


4×5カメラを使用して撮影をおこないました。

大型カメラはシンプルな形体ゆえ
カメラの構造、仕組みが理解しやすく
写真を学び始めて間のない時期に
撮影する経験は大切であると考えています。



この種のカメラは大きくて重く
カメラを固定する三脚も重量級であることから
機動力には欠けますが
画質のクオリティを求める場合は
手軽なカメラとは比較になりません。



ちなみに
この“Super Cambo”というオランダ製の4×5カメラは
私が写真にかかわるきっかけとなったカメラです。
かなり年季の入った状態ですが
まだまだ現役で使用できる大切な機材です。

記:徳永好恵


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■ 写真講座 9日目 写真作品の成り立ち方を考える&暗室作業

2011年07月31日 | 銀塩写真講座


4月からスタートした写真講座は
基礎を学び終え
夏期休暇をはさみます。
夏はお休みとはいえ
撮影期間として活用していただきたく
徳永写真美術研究所の蔵書を用いて
写真作品の成り立ち方を考えました。



後半は毎回の講座の中で
やり残した作業に取り組みました。



一連の暗室作業は
おおよそ
手際よくこなす事ができるようになりました。
秋からは
“作品”として成立するよう取り組んでいきます。


記:徳永好恵


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■ 写真講座 8日目 新たな世界を創造する

2011年07月17日 | 銀塩写真講座


合成写真制作に取り組みました。

デジタル写真であればレイヤーを重ねて作る事ができます。
フィルム写真の場合は
撮影時に複数回シャッターを切る事で合成する方法と
暗室でのプリント作業時に画像を重ねる方法とがあります。

今回は暗室での合成に取り組みました。

この課題には
雛形となる写真作家の作品があります。
下の写真右下の写真集の作家
Jerry N. Uelsmann



撮影時の風景を引用し
新たな世界を創造している作品群です。

まずは
Uelsmannの作品集をじっくり見て
彼の作業を読み取る事から始めます。
美しい世界に魅了されながら
制作過程を検証すると
非常に手の込んだ作業である事がわかります。

講座では一日で制作を完成させるため
最も簡単な手法を選び実習をおこないました。



【 課題 1 】

一枚のネガフィルムを使用し
3段階で露光時間を変えるという手法です。









露光時間に変化をつけるだけの作業ですが
写真画像が立体的に見えてきます。



【 課題 2 】

2種の画像を一枚の印画紙に焼重ねる作業に取り組みます。
罫線が入った白色ノートの画像を露光した後
ノート部分に
各々が選んだ画像を重ねます。

結果は
写真中央の取り組みになります。



この課題での制作物を
昨年度分も含めボリュームを持たせて画像を繋ぎました。



皆さんの記憶が重なった日記帳のように見えます。


記:徳永好恵

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■ 写真講座 7日目 フィルム現像の復習&頭の体操課題

2011年07月03日 | 銀塩写真講座


今春からいつも
一度にブローニーフィルム12本の
現像をおこなう方がいるため
新たに
エアコンの真ん前に
12箇所の
フィルムクリップを吊るフックを取り付けました。



フィルムドライヤー等の立派な機材がなくとも
この方法で30分もあれば
キチンとフィルムを乾燥させる事ができます。

何事もアイディア勝負のTIPAです。



本日
フィルム現像2回目。
フィルムのリール巻きから
一連の作業の復習をおこないました。

この日
現像したフィルムは
自称“メルカトル写真課題”と
名付けた方法で撮影しています。



35mmフィルムを1本使用し
36カットで一つの画像を形成する撮影課題です。



頭で課題内容を理解しつつも
なかなかスムーズに撮影できません。
カメラレンズの歪のため
必ず
ずれるのです。
しかし
この“ずれ”こそが
この課題の魅力でもあります。
大きくずれずに微妙にずらす。
微妙な加減が勝負です。
↑↑↑
上の作品
鹿の配置にリズムがあります。



最後のカットは
作者と鹿の足を撮影した画面。
作品世界に作者が入り込んでいます。
セルフポートレイト的要素も含んだ作品に仕上がりました。


記:徳永好恵

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大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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■ 写真講座 6日目 暗室に慣れる 多諧調印画紙でのプリント

2011年06月19日 | 銀塩写真講座


本日から
プリント作業に取り組みます。



最初に多諧調印画紙の仕組みを解説。



この日の学習目標は
多諧調印画紙に対する
フィルター操作をマスターする事です。



一通りの作業を体験した後は
赤いセーフティーランプの空間に慣れるため
時間の許す限り暗室作業に励みました。





記:徳永好恵

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■ 写真講座 5日目 モノクロフィルム現像

2011年06月05日 | 銀塩写真講座


今回
ようやく本格的に
モノクロ写真制作に着手します。

まずは、フィルム現像から。

暗室作業の中で
最も緊張するのがフィルム現像です。
なんといっても
万一の事があると
撮影が無効となりますので・・・。



現像タンクには幾つか種類があります。
その種類には一長一短あり
どの道具を選ぶかは
求める作業レベルに応じて選択します。



初心者が取り組みやすい道具もありますが
TIPAではコチラのタンクを使用。
この種のタンクは
フィルムをリールに巻く作業に
少々のコツと慣れが必要です。



上の現像タンクは
私が20数年前に
フィルム現像を習う際に購入したタンクです。
しかし、その後
ほとんど使う事がなかったため
未だに美品。
当時に記入した名前もしっかり残っています。

使用しなかった理由は
大型カメラもしくは中判カメラを
メインに使用していたため
このタンクを使う機会がなかったのです。



記:徳永好恵

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■ 写真講座 4日目 ピンホール写真制作、実験の結果報告

2011年05月22日 | 銀塩写真講座


ピンホールカメラを使う授業の2日目。
仕上がったネガ画像の反転作業に取り組みました。



この実習では
引伸機の操作に慣れる事も重要。
そして
テストプリントをとりながら
画像の濃度についても学びます。



前回
比嘉良治さんの制作方法に挑戦した
撮影実験の結果報告です。



だまし絵的図柄となりました。
多重露光で生まれた鋭角の空間が美しい。

 

宙に浮かぶ都市の図。
雲の陰影も捉える事ができました。



コチラは受講生の実験作です。
路地に空の通路ができました。
水辺に写る鏡景のようにも見えます。



その他



カメラの前にミニチュアマンモスを配置して撮影。
その撮影結果は





「街中にマンモス現る!」の図となりました。




記:徳永好恵
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■ 写真講座 3日目 ピンホールカメラ作成と撮影実習・・・&実験

2011年05月08日 | 銀塩写真講座


ピンホールカメラを作り、撮影をおこない
写真の原理を学びました。

受講生の撮影風景です。



下からのアングルで花を撮影。
花が風にそよぐ様子を捉えた写真ができたはずです。



受講生が実習を進める中
講座進行役の私は
この機会に実験しておきたい事がありました。

それは





いつも講義で紹介するピンホール写真集群です。
上にある本は
知人のヨシこと比嘉良治さんの写真集「虹の暗箱」。



この写真集に掲載されている作品に沿った実験をおこないました。

その実験とは
ピンホールカメラでの多重露光。
しかも
同じ場所、同じ構図で
カメラを上下もしくは左右に回転させ
2回の露光によって生み出す画像制作です。

制作方法は簡単ですが
果たしてヨシのように魅力ある画面が作り出せるのか
一度、実験してみたかったのです。



実験1作目



撮影場所は徳永写真美術研究所の前。



電線と空がうまく画面に配置でき
「ナカナカではないか?!」と思う結果が出ました。
まさに“ビギナーズラック”。

2作目、3作目は空がたくさん入りすぎ
いまひとつの出来でした。

最後の実験とした4作目がコチラ



ネガ状態のため分かり辛いですが
空に浮かぶマンションです。
シュールな画面に満足しました。

この制作方法は
偶然に任せる作業ように思えますが
撮影前にイメージを膨らませ
入念にシュミレートすると完成図が見えてきます。

通常の写真撮影とは異なる集中力が必要なこの手法
頭のトレーニングとして良いかも知れません。



記:徳永好恵

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