徳永写真美術研究所のテキスト
【写真の基礎知識】を用いて
撮影についての基礎講義をおこないました。
講義の後は実際に
様々なフォーマットのカメラを手に取りながら
カメラの構造や仕組みを確認しました。
次の授業までに
リバーサルフィルムで撮影し
撮影結果を検証。
その後は
作品として成立させるための
<イロハ>について
様々な実習を通して考えてゆきます。
*
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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一般的に写真誕生の年とされるのは1839年。
“写真”は比較的新しいメディアに属します。
しかし
写真誕生以前の歴史も重要です。
この日は
紀元前からの史実も含めて
写真史レクチャーをおこないました。
レクチャー用の道具類です。
3種類のカメラオブスクラ
と
19世紀後半から20世紀初頭に撮影されたポートレイト
と
その他もろもろ。
*
ポートレイトからは様々な事柄が読み取れます。
例えば
・
・
・
人物の顔をよく見ると、目が写っていません。
男性の顔には目の位置に2つの点が描かれています。
目のないポートレイトとなった理由は
撮影時間が長いため。
撮影中に何度もまばたきをした結果
目を描写できなかったのです。
*
ニセフォール・ニエプスによって
初めて画像を定着させる事に成功した画像の
撮影時間は8時間程であったとの事。
写真史上、とても重要な画像ですが
長時間撮影のため
前述の目が写らないレベルではなく
全体がぼんやりとしています。
写真の歴史は
感材研究の歴史と深く関っています。
20世紀に入ってからは
感光性を高めて撮影時間を短縮し
瞬間を捉える事も可能となりました。
現在も引き続き
高感度・高画質の研究が続けられ
いまや
皮膚の肌理までも描写できる時代です。
高度な技術を利用できる環境で
私たちは
何をどのように表現すればよいのでしょうか。
この写真講座では
技術を習得するだけでなく
様々な事を考える場としたいと思います。
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記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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TIPA制作展が終了し
搬出作業にとりかかる前に
会場で撮影実習をおこないました。
まずは
展示会場を記録する意味から。
次に
色調補正について。
作品を複写する時に
よく問題になるのが色の再現です。
微妙に色調がずれるだけでも
作者の意図する表現でなくなる場合があります。
可能な限り実物通りの色になるよう
色調補正を学びました。
それから
実際に撮影を始めると
額のガラスやアクリルへの写り込みに
苦労する場合が多く
その対処策を実践しました。
今回は
大がかりな機材を使わずに
コンディションの良い会場写真を
仕上げるポイントを紹介。
カメラの両脇に布を添えます。
前から見るとこのような状態。
黒布でカメラの周囲を覆うことで
反射を防ぐのです。
では
その効果を検証してみましょう。
before
画面に人物や作品が写り込んでいます。
黒布を使うと
・
・
・
after
写り込みを消去できました!
*
環境の整ったスタジオで撮影すると
完璧な状態で仕上げる事ができますが
実際に展示をしている様子を記録する場合は
与えられた環境のもと
最良の結果を出さねばなりません。
この対処法を参考に
今後
それぞれの現場で
活かしていただければと思います。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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TIPA制作展の搬入日。
展示作品が会場に持ち込まれた時
スペースに対して作品が多いのではと感じるほど
存在感のある作品がそろいました。
*
展示にとりかかる前に
展示形態や額の種類についての
講義をおこないました。
低反射アクリルを入れた額の反射の様子と
通常のガラスやアクリルの反射を見比べたり
会場構成について、作品の間隔や高さの決め方など
展示のノウハウを紹介。
*
講義終了後は展示作業です。
互いに手伝いながら
手際よく作業が進みました。
作品タイトル、作家名、コンセプトを記したキャプションは
ピンが見えない仕組みで用意しました。
最後はライティング。
作品に照明をあてる作業ですが
ライティングの効果を確認しながら
微調整をおこなう事で
展示空間に緊張感を生み出します。
*
バライタプリントによる写真作品
写真を原稿にしたシルクスクリーンプリント作品
自作カメラを使い熱現像感光紙にプリントした作品
と
写真技術を用いた多様な作品群の
展示となりました。
ご高覧いただけると幸いです。
2月19日、20日は在廊しております。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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2ヶ月間かけて作ったバライタプリントを
写真作品として展示する準備をおこないました。
まずはスポッティング。
プリント時に写り込んだホコリの跡などを
修整する作業です。
この作業、とても繊細で根気が必要。
息を止めて慎重に筆を動かします。
*
写真の用意ができたら、いよいよ展示準備へ。
ブックマット加工に使用するマット紙は
展示のためだけではなく、保存性も考え
ミュージアムボードというグレードの高い紙を選びます。
上の写真のようにマットカッターを使用して
45度の切断面でカットする作業は
手首の使い方、力の入れ具合に微妙なコツがあり
なかなか難しい作業です。
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出品点数は一人、3~6点。
同じ作業を丁寧に繰り返し
展示準備を完了させました。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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この写真講座の成果を発表する
制作展まで1ヶ月をきりました。
お正月休みに勝負をかけて撮影したフィルムの
現像作業に取り組む人。
プリント作業に集中する人。
写真のセレクト段階の人。
それぞれのペースで制作中です。
【お知らせ】
TIPA写真塾制作展vol.3
「写真表現の探求」
2月7日(月)~20日(日)
11日、13日は休廊
10:00~18:00
会場:京終画廊(ナガノカメラワーク内)
詳細は後日
当ブログにて告知いたします。
記:徳永好恵
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大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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一通りの制作過程を体験したところで
次は
出来た写真を
どのように仕上げるかについて
講義をおこないました。
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アクリル加工やボード貼り
ボックス型の額装や
ブックマット加工など
仕上げ方には様々な方法があります。
それぞれの仕上げ方の効果を
参考作品を紹介しながら解説。
*
授業後半は
来年2月に開催する
TIPA制作展出品にむけての
打ち合わせをおこないました。
過去の制作展の様子を見ながら
展示のイメージをつかみ
作品の完成図を思い描きます。
これからの1ヵ月間が勝負です。
納得できる作品が完成することを期待しています。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
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バライタ印画紙でのプリント2日目です。
まず、はじめは
前回に作成した写真の仕上がりを確認することから。
まだ練習段階とはいえ
最終的には
作品として仕上げる事が目標です。
作業台には白布を敷き、白手袋を着用して
これまでよりも丁寧に扱います。
バライタ印画紙特有の“ドライダウン”という現象を観察。
少しずつ濃度を変えた写真を見比べ
乾燥後にどのくらい濃度が増すのかを確認しました。
この濃度の変化を頭に入れて
今後のプリントを進めます。
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授業後半は
暗室にてプリント作業に専念。
夜の9時過ぎまで頑張りました。
記:徳永好恵
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TIPA写真塾制作展への出品を意識して
作品制作をスタートする時期となりました。
今回から
バライタ印画紙を使用し
ファインプリントに取り組みます。
まずは
バライタ印画紙の特性や扱い方の説明から。
実際にバライタ印画紙でプリントした写真を手に取り
印画紙の表現力や物質感を観察。
暗室作業の工程は
これまでのRCペーパーと大きく異なりませんが
今まで以上に
丁寧に作業をおこないます。
それから
写真作品を制作するうえでは
長期保存できる状態で仕上げなければなりません。
そのため
アーカイバルウッシャーを使い
1時間以上の水洗をします。
また
ドライダウンという現象にも注意。
乾くと若干濃度が濃くなるため
その変化を考慮に入れてプリントします。
今回の作業では
どのくらい濃くなるかを体感しておきます。
次回は
本格的にプリント作業に専念します。
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作品として成立させる場合
技術とともに
“何を表現するのか”という
コンセプトも重要です。
無意識の中で働く
自身の意識に気付くことを目的に
今まで撮影した写真を検証する試みを
ある受講生に課しました。
写真を分類して
セクションごとにタイトルをつけると
幾つかのテーマが存在している事に気付きます。
後付のテーマ設定ですが
これをきっかけに
更に内容を深める事ができればと思います。
記:徳永好恵
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徳永写真美術研究所
大阪・鶴橋にて、写真・写真表現・シルクスクリーンの研究活動をおこなっています。
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調色実習に取り組みました。
私が作品制作で使用する調色アイテムです。
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調色は
画像の劣化を防ぐために施す場合と
モノクロの色味に変化を求める場合があります。
今回の授業では
色の変化を楽しむ事を目的に
ナニワのブルートナーとハンザのセピアトナーを使用しました。
まず
各薬剤に添付されている処理方法に従い
調色処理をおこないました。
調色後
画像の印象はかなり変化します。
左の写真にはリンゴが存在します。
青いリンゴに変化する事で
現実味がなくなるという効果がありました。
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今回の楽しみはここからです。
実習後半は
指定の処理方法にとらわれず
調色実験をおこないました。
ブルー調色の後、上部だけを脱色してみたり・・・
セピアとブルーの両方の調色を掛け合わせたり・・・
この調色実験で
様々な色調を生み出すことができました。
また
色面分割をおこなうことにも挑戦。
コチラの写真は
何度も調色を繰り返した結果
画像が劣化してしまいました。
しかし
この劣化具合も
なかなか良い効果ではないでしょうか。
以上
創造的調色実験の報告でした。
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次回はバライタ印画紙を使用して
ファインプリントを目指します。
記:徳永好恵
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