TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

カンボジアのラジオ番組に出演

2010年08月05日 | TICO カンボジア
                         ▲スタジオ内の様子(中央:メディアセンタースタッフ)

カンボジアのラジオ番組に出演しました!

JICAカンボジアでは広報の一環として、ラジオ番組を通して活動紹介を
行っており、TICOが実施するJICA草の根パートナーシップ事業について
取り上げてくださることになりました。

ラジオ番組はWomen's Media Centre of Cambodia(カンボジア女性メディア
センター)FM102で隔週土曜日9:30~10:30に放送されているそうです。

カウンターパートである西部保健局やガイドラインの作成メンバー、
診療所スタッフ、地域ボランティアさん、TICOのワークショップに参加
頂いた村人に取材頂き、事業に関わるみなさまの声をリスナーに届けて
もらいました。

当日(7/31)の放送日にはスタジオに行き、放送の様子を見学させて頂き
ました。
カンボジアの大半のラジオ番組はリスナー参加型で、質問や意見を携帯
電話で受け付けています。今回も1時間番組の中で30分は事業説明、
30分はリスナーからの質問を受け付けることになっていました。

「ソンネーソンナーチィアモイジャイカ(JICAと一緒に楽しく話そうという
意味)」という番組で、「ジャジャジャ ジャジャイカー♪」と軽快な音楽
で番組が始まりました。(笑)

リスナーからの質問は来るのかな・・・と思いきや、全国から次々に質問
が寄せられて本当に驚きました!!

「村の中で火傷で死亡したケースがあり、どう対処したらよかったのか」や
「水難事故での対処方法」への質問や「自分の住む州も貧しいので、ぜひ
ワークショップをやってほしい」等の要望も寄せられました。
特に生活に密着する部分が多いためか、ファーストエイドに関する質問が
多数寄せられ、結局、5分延長しての放送終了となりました。

関心をもってくださって、本当にありがたい限りです。

事業期間も残りわずかとなりましたが(12月末まで)、残りの期間も
気を引き締めてがんばりたいと思います。


文責:TICOカンボジア事務所(大坪)

病院前外傷ケア研修 in ポチェントン病院

2010年07月15日 | TICO カンボジア
 先日、ポチェントン病院にてPTEC(Pre-hospital Trauma Evaluation and Care: 病院前外傷ケア)研修を開催しましたので、その様子をお知らせ致します。ちなみに病院前外傷ケア研修とは、交通事故やその他の事故により受傷した傷病者を発見(救急通報)から病院到着までいかに安全かつ迅速に搬送するか、その一連の流れを学ぶことを意図した研修です。
 
 今回の研修には、プノンペン市内からポチェントン病院(2隊参加)、市民病院、市保健局の3救急隊から12名の参加者を募り合同で研修を実施致しました。研修の参加者としては、救急車にて傷病者(患者)搬送業務を行う救急隊メンバーを対象として実施いたしました。これまでに行ってきた研修の総まとめのような内容で、断片的だった知識や技術を病院前外傷ケアの一連の流れとして理解してもらうことが主な目的です。また、今回の研修ではこれまで指導される立場であることが多かったTOT(Training of Trainer:トレーナー研修の研修生)を指導者として迎え、研修の指導にあたる機会とすることを併せて考慮致しました。

 研修は渡部医師の講義から始まり、TICOカンボジア事務所スタッフによるデモンストレーションとその解説を行い、その後は二つのブースに分かれて、状況評価、初期評価、全身観察、車内活動、ネックカラーのつけ方、ヘルメットの安全な脱がし方、脊椎管理、救急ケアと多種多様な内容を学んで頂きました。また、日本から田渕医師も応援にかけつけて下さり研修をサポートしてくださいました。

渡部医師の講義の様子


田渕医師の迫真の演技と指導!!

 今回の研修では、病院前外傷ケアの一連の流れを理解してもらうため、交通外傷症例に対するケアのデモンストレーションを二度行い、一度目は解説なしで、二度目は適宜解説加えながら見ていただきました。

デモンストレーションの様子

 研修では様々な内容を学んでもらいましたが、各救急隊ともに熱心に参加し、実践練習の場面ではお互いに意見を出し合い疑問点を解決しようとしているのが印象的でした。あまりに議論が白熱するため、研修時間を調整しなければならないこちらとしましては冷や汗をかくこともしばしばでした。。。

ネックカラーの固定方法を学ぶ


穿通性異物の固定方法を学ぶ


クモイ診療所のTOTクリー医師の講義を熱心に聴く参加者

 また、香川県のJICA事業(カンボジア医療人材育成プログラム)で日本に招聘されたチーチャンナリット医師、サター医師も指導者として参加し大活躍してくれました。

※参考 香川らしい国際協力プロジェクト「カンボジア医療人材育成プログラム」
http://www.jica.go.jp/partner/kusanone/chiiki/cam_02.html


チーチャンナリット医師、サター医師も大活躍!!

 今回の研修の締めは各救急隊の模擬診療実践テストです。たくさんの評価者に囲まれて非常に緊張したことと思いますが、完璧とは言えないまでも今回学んだ内容を十分に取り入れた模擬診療を行ってくれました。

模擬診療テストを受けるポチェントン救急隊


熱心に評価を行うカンボジア人指導者の様子

 模擬診療後には各救急隊へのフィードバックが行われましたが、良いところは十分に褒め、改善が必要な点はしっかりと指摘するという理想的な指導が、カンボジア人指導者からも行われ大変感激致しました。これまでの研修を通じてTOTは十分に育ってきており、カンボジア人によるカンボジア人のための指導が行える状況が現実味を帯びてきたと感じることができました。

模擬診療テスト後のフィードバックの様子
 
 また、プノンペン市内の3つ救急隊を一堂に集めて研修を行ったことは情報交換の機会を提供し、お互いの良い刺激になったのではないかと思います。今回学んだ内容がすぐに実際の実務の流れとして取りこまれることは難しいことかもしれませんが、病院前外傷ケアの標準化は救急外傷診療の知識・技術のボトムアップを図る上で非常に重要なことであると考えますので、カンボジア人指導者を中心にした研修が自立的に開催されること目標とし今後も関わっていきたいと考えます。

 先日、他の病院の救急隊が交通事故の患者さんを事故現場から病院へと搬送している場面に遭遇しました。ですが、案の定、患者さんを単にストレッチャーに乗せて病院まで搬送するというだけのものでした。(救急車内の処置は見ることができませんでしたのでその実態はわかりません。)

 必要な観察と処置が行える救急隊がこのプノンペン市、そしてカンボジア全土に根付くことを切に祈ります。

文責:TICOカンボジア事務所インターン 田中準一

啓蒙活動用マテリアルのご紹介

2010年06月07日 | TICO カンボジア
これまで、プノンペン市西部地区のクモイ地域、サムロンクロン地域の
各村のボランティアさんを対象に3カ月に1回の割合で下記を目的
としてワークショップを開催してきました。

①応急手当研修&フォローアップの実施
②コミュニティ内で生じる病気や事故等に対し、ボランティアが
どのような処置・対応を行ったのかを情報共有・検証

3月よりこれまでの活動を基礎として、ボランティアさんが主体となって、
地域住民のみなさんを対象としたファーストエイドに関する啓蒙
ワークショップを開催しています。

今回、啓蒙活動に使用中のマテリアルについてご紹介します!

①ファーストエイドフリップチャート(紙芝居)

絵は王立芸術大学の学生さんにお願いして作成しました。
カンボジア人に好まれそうな作風の絵です。
できるだけ分かりやすくするため、手順にそって矢印をつけたり、○×等の
サインにより文字が読めない方でも理解できるように工夫しました。

②ファーストエイドハンドブック

ワークショップでフリップチャートが見にくい場合に、ハンドブックを見て理解できる
よう工夫しました。
表紙や各ページに救急車の番号を入れることで、緊急の際にすぐに連絡できる
ようにしました。
また、中身もホットライン(健康相談や緊急時に使用する警察等の番号一覧)、
2010年の年間スケジュール、ファーストエイドに関する説明、白紙ノートと充実
しています。
年間スケジュールにはカンボジア人にとって重要な日であるトゥガイサル(仏日)
もばっちり掲載しています。
捨てられないようにするため、いつも開いて読んでもらうための工夫をたくさん
施しました。

③救急車啓蒙用Tシャツ

プノンペン市西部地区に位置するポチェントン病院救急車の番号の啓蒙用Tシャツ。
119の他、ポチェントン救急隊固定電話、ポチェントン救急隊携帯電話番号を
プリントしています。
119やポチェントン病院の固定電話と併せて救急隊の携帯電話を一般住民に
知らせることで、119が中々つながらない場合でも、直接ポチェントン病院の
救急隊に連絡を取ることができます。
プノンペン市内では、119にかけると国立カルメット病院のコールセンターに
つながり、そこから適切な救急車を無線で手配するシステムになっています。

④救急車啓蒙ステッカー

救急車の絵&番号をプリントしたステッカー。
ヘルメットやモーターバイクにも貼れる大きさにしました。
色んなところに貼ってもらって、いざという時に活用してもらいたいと思って
います。デザインが気に入ってもらえたのか意外?に人気なんです!!
西部地区に位置するカフェ・レストランや小売店等にも設置してもらい、
店のお客さんがもって帰れるようにしたいと考えています。
(現在、試験的に一店舗のみ実施中!)


      カフェにて啓蒙用ステッカーを手にする男性


村の方々に実際の救急車も見て頂きたいのですが、病院でスタンバイしているために
そうもいかず、救急車の外観・内装の拡大写真等も使用しています。

啓蒙活動については随時ご報告させて頂きます!


写真左からTシャツ、ハンドブック、ステッカー、フリップチャート


文責:TICOカンボジア事務所(大坪)

ポチェントン病院救急隊デモ見学

2010年04月15日 | TICO カンボジア
はじめまして。
3月末よりインターンとしてTICOカンボジア事務所でお世話になっております、
長崎大学大学院 国際健康開発研究科の田中準一と申します。

先日、TICOが支援するポチェントン病院救急隊の病院前救護のデモンストレーションを見学して参りましたので報告致します。



私自身は看護師なので直接的に病院前救護活動を行ったことはありませんが、
病院の救急室で働いていた頃に学んだJPTEC(Japan Prehospital Trauma evaluation and Care)の知識を活かし、デモ終了後に感想を述べるよう求められました。

傷病者の発見から頸椎保持、意識の確認および気道の確保、呼吸、循環の評価まで完璧に素早く実施できており、
その後のCPRも無駄な動きもなく確実に行われておりました。



クメール語が分からないため、リーダー役の指示が適切かどうかなどを詳細に評価することはできませんでしたが、
隊員も自発的に適切な活動をしており、日本の救急隊に勝るとも劣らないデモンストレーションでした。

ひとつ残念だったのは、訓練のためか誰ひとりとして感染防御のためのグローブをつけていなかったこと。

デモであれ救護活動を行う際には自然とグローブに手が伸びることが必要です。
感染防御の意味を理解し、自然に着用できるよう今後も訓練を重ねていって欲しいと思いました。

今後のインターン期間中にTICOスタッフの方々と協力しながら、
救急隊の技術・モチベーションの向上に関われれば良いなと考えております。

そして今回の見学でとりわけ印象的だったのは、ポチェントン病院救急隊の方々がハキハキと大きな声を出して活動していたことです。
またデモとは関係ありませんが、救急車内を念入りにブラッシングするその姿に病院前救護に対するポチェントン病院救急隊の愛情の深さを感じました。

気温34度という炎天下にもかかわらずデモを見せて頂いたことに感謝すると同時に、
ここプノンペンのプレホスピタルケアを支えるポチェントン病院救急隊の熱意が伝わり感動すら覚えました。



私もインターンとしての8カ月間を実りあるものにすべく共に頑張っていきたいと思います。


文責:TICOカンボジア事務所インターン 田中 準一

カンボジア-ポチェントン病院の見学 新入インターンさんとともに

2010年04月02日 | TICO カンボジア
カンボジアの古家です。

3月30日に今は長崎大学の大学院生である看護師さんが
インターンとしてTICOカンボジア事務所に
来られました!! 

今ご一緒に私たちの事業地である
プノンペン市西部の医療機関を
見学してまわっています。

昨日私たちの事業の要である
ポチェントン病院に
見学にうかがいました。

ポチェントン病院では
院長のナラ先生が
親切に病院内を案内してくれました。
右がインターンの田中さん
左がナラ先生です。


ポチェントン病院は
入院病床がほとんどない
診療所を少し大きくしたような規模の病院です。
外来と出産が
大きな役割です。

以前から思っていますが
この病院とっても敷居が低く
職員がフレンドリーな人ばかり。
とってもなじみやすい病院です。
会う人会う人私たちに気さくに声をかけてくれます。
運転手どおしも仲良しです。 

今回びっくりしたのはカルテのこと。
この病院のカルテ
メモのような小さな冊子なのですが
診療が終わると医師がそこに診療内容を書き込みます。
その冊子は病院に保管されるのでなく
みな各自うちに持って帰っています!
カルテは診察のたび各自自分で持参するのです。
究極のカルテ開示ですね。



                カンボジア 古家