TICOブログ

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収穫シーズンで大忙し!

2014年07月09日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所より出浦です。

前回に引き続き、ムワプラでの生活についてお伝えしようと思います


ザンビアでは現在乾期のためメイズの収穫真っ最中です!
主食のシマはメイズ(白トウモロコシ)でできているため、多くの農家がメイズを作って自分たちが食べる原料を用意しています。
ムワプラでは多くの家庭が農業を行っているため、この時期はみなさん収穫で大忙し。
最近どう?と聞くと、多くの場合「収穫で忙しいのよね」と返ってきます



このようにそれぞれの畑でメイズを育てていて、乾燥したころに収穫します。



収穫したら、実の部分だけ取り除きます。
一つ一つ手で取っていったり棒を使ってたたいて落としたり、これがなかなかの重労働。
こうして実の部分を取り除き、機械で砕いてシマの元となる粉ができます


ムワプラでは電気がないため炭や薪を使って外で料理をします。

私がホームステイをしているおうちのキッチン



こうして景色をみながらのんびりごはんを作ります。

写真のように、お湯の入っている鍋にメイズの粉を入れて混ぜていきます。
最初は柔らかく混ぜやすいのですが、徐々に固くなってくるので、混ぜるのは一苦労
村のお母さんたちは簡単そうに作っているのですが、自分でやってみるとなかなかうまく作れず、笑われてしまいました


地域のボランティアさん達も、仕事の合間にこうして外でランチタイム



さて、主食のシマですが、みなさん食べたことあるでしょうか?


右の白い食べ物がシマです。粉を入れる量によって柔らかかったり固かったりと、それぞれの家庭で特徴がでます。
これを一口分つかみ、少し掌でこねてからおかずと一緒に食べます
もちもちと弾力があり、とうもろこしの風味がしてとてもおいしいです


日本と違い、ここでは近くにレストランや食事を売っているお店がほとんどありません。
また、インスタントの食事も売っていないので、朝・昼・晩と毎食自分たちで作らなくてはいけません。
炭を起こすところから食べ始めるまで1時間ほどかかるため、食事の準備は1日の中で多くの時間を占めています。

水道もないため、水は毎日井戸から何往復もして汲んできます。
もちろん洗濯は手洗い。それに掃除や皿洗いもしなくてはいけません。
赤ちゃんがいる家族はその合間に何回も授乳をしています。

村のお母さんたちは毎日大忙し休む暇なくいつもせっせと働いています。
そんなハードな環境にもかかわらず、いつも明るい素敵な笑顔でパワフルなお母さん
お母さんたちからたくさん元気をもらっています
彼女たちのたくましさを見習いながら私も生活していきたいなと思います




文責:ザンビア事務所(出浦)

新活動地!ムワプラ

2014年07月03日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所でインターン中の出浦です。

日本では少しずつ日差しが強くなっている頃だと思いますが
ザンビアでは日に日に気温が下がり、1年のうちで最も寒い時期になってきました。
特に朝晩の冷え込みは厳しく、厚手の服を着こまなくては耐えられません
ザンビア人も寒さに弱い方が多いらしく、朝晩はダウンを着込んでいる姿をよく見かけます。


さて、今回はTICOの新たな活動地ムワプラについて紹介したいと思います。
先月から事前調査のためこの地区に泊まり込んで住民のみなさんと生活を共にしています。


ムワプラは首都から東へ約70Km、モンボシと同じチサンバ郡にある人口約12000人の農村地区。
四方を山に囲まれた盆地で、2本の川が流れているのどかな田舎です。

この地区には電気が来ていないので、日が暮れるとあたりは真っ暗闇に。
夜は満点の星空に包まれ、プラネタリウムのような空を眺めながら過ごしています


2011年にこの地区に診療所ができ、看護師兼助産師1名でこの地区の健康を守っています。




患者さんは1日20人前後。マラリアに罹ってしまう患者さんがとても多いのが特徴です。
通常の外来に加えて妊産婦検診やファミリープランニング(家族計画)、HIV検査なども行っています。



診察室の様子



このようにカルテも綺麗に並べられていて、整理整頓された環境です



妊婦健診の道具。右の青い道具(トラウベ)を使って胎児心音を確認します。
試しに何人かのお母さんのおなかを聴診させてもらったのですが、本当に音が小さくほとんど聞き取れませんでした
診療所の助産師さんには聞こえるらしく、何度も位置を調整してもらったのですが、わかりませんでした…。


また診療所のスタッフだけでは人手不足なので、地域のボランティアさんが手伝いに来てくれます。


彼女たちは無給で診療所のお手伝いをしてくれる、心強いお母さんたちです。
マラリアの検査や体温測定、お産の介助など診療のお手伝いをしています
また診療所のみではなく自分たちの住む地域の住民の健康を守るという役割も持っていて
住民に蚊帳を配ったり、妊婦さんたちに診療所で出産するように啓発するなど、幅広い活動をしてます

診療所スタッフと地域の住民を繋ぐ役割を担っているんですね
無償で日々このような活動をしているみなさんには本当に頭が下がります

ザンビアでは医療人材の不足は大きな問題ですが、このように住民の主体的な活動によって、健康が守られているんだと感じました



診療所にも電気がないのでワクチンの保存ができず妊婦さんや子どもへの予防接種ができないことや
夜間のお産を受け入れることが難しく、半数以上が自宅出産となっていることなど
課題はたくさんあります。


電気もなく、多くの村人が車や自転車などを持っておらず交通手段が限られた環境の中で、いかにこの地区の健康を守っていくのか。
そのためには何が必要なのでしょうか。
ムワプラでの生活を通して考えていきたいと思います



文責:ザンビア事務所(出浦)

6月の地球人カレッジ

2014年07月01日 | 地球人カレッジ
*テーマ:「イラク支援の現状報告 ~JIM-NET設立10年を迎えて~」
*日時:6月10日(火)19時~21時
*場所:さくらcafe 
*参加人数:19名
*発表者:佐藤真紀さん( 特定非営利活動法人日本イラク医療支援ネットワーク事務局長)

JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)では、イラクの小児がんの医療支援、福島の放射能除染作業や移動保育支援などを行っています。
今回は事務局長である佐藤さんをお招きし、お話をしていただきました


2003年、JIMーNETが設立される少し前にイラク戦争が起こりました。イラクに大量破壊兵器があるという脅威を大義名分に米国をはじめ
多くの国がイラクへ侵攻しました。日本も非戦闘地域に限るという約束の元、自衛隊をイラクへ派遣しました。
あれから約10年がたち、佐藤さんはイラク戦争は何だったのかと問い掛けます。
後日、調査により大量破壊兵器はなかったことが明らかになりました。脅威は取り除かれたかもしれませんが、イラク戦争はたくさんの爪痕を残しました。
戦争で使われた劣化ウラン弾により、幼い子どもたちが白血病などにかかり短い命を終えます。
JIM-NETの活動についてお話を伺いながら、恐怖というのは恐ろしい武器であると思いました。
そこに実在するかしないかは関係なく、その怖れから戦争というとてつもないことが実際に行われてしまうものであると。

昨年の10月にJIMーNETの理事でもある池住義憲さんに地球人カレッジでお話いただいた際に、「平和」とは、
平・・・広く平等に
禾・・・食べ物(穀物)を表す
口・・・口にする
「平和」とは、平等に食べ物を口にできる(食べられる)ことと教えていただきました。
ブログはこちらから。

「平和」とは何か、今一度、立ち止まって考えることが大切であると強く感じました。

文責:事務局(近森)