TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

地球人カレッジ 8月

2010年08月27日 | 地球人カレッジ
*と き:8月21日(土)19:00~21:00
*参加人数:36名(ネット中継での参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:井下俊(日本イラク医療支援ネットワーク:JIM-NET)
*テーマ:イラクでわしも考えた~小児がん患者を見つめ続けて~

8月の地球人カレッジは
今現在もイラクの小児がん医療支援に携わっている
JIM-NETの井下俊先生をお迎えしました。



イラクなどの途上国では、
生活環境などの衛生状況に問題があったり
医療技術が導入されていなかったりするために、
がんなど治療するのが困難である病に対しては
ほとんど手をうつことができません。

しかし、実際にがんに苦しむ患者などを目の当たりにすると、
やはり医者である以上、助けたい気持ちに駆られ、葛藤するそうです。

その中でも小児がんに関して、
深くお話していただき、がんを患っている小さな子どもたちの写真や映像を
実際に見せていただき、私もすごく胸が痛くなりました。

日本でも、がん治療は特に費用やコストがかかるため
なかなか治すことができない病であるのに、
途上国であればなおさらだと思います。

また、日本のように医療器具が充実し、
衛生状況が整っていれば治すことも可能である状況の
患者に遭遇したとき、葛藤が起こるのは必然であると思いました。

イラクでのがんの発症の原因として考えられるものに
劣化ウランというものが挙げられました。

劣化ウランとは核兵器の残骸に含まれるものであり、
半永久的に放射能を発し続けるという
大変恐ろしいものでした。

このような問題を解決するためにも
国連などで劣化ウランに対する理解と問題解決が
必要とされると思います。

講演後の参加者による数多くの質問にも
ひとつひとつ丁寧にわかりやすくご回答いただき、
とても充実したものとなりました。

講演の模様は動画で配信しています。
興味がある方は是非ご覧になってみてください!
*講演を視聴する*

事務局ボランティア体験者(生原)

コミュニティースクールで英語のレッスン!

2010年08月25日 | TICO ザンビア
ご無沙汰しております、ザンビア黒田です。

 さて、今回はモンボシ地区にあるミスワコミュニティースクールにお邪魔してきました。ちょうど1-2年生が英語の授業を行なっていたので、コミュニティースクールの授業風景をお伝えしますね。

 ザンビアのコミュニティースクールでは、基本的に小学2年生までは現地語で授業を行いますが、小学校3年生からは英語の授業があります。1年生の子ども達はビデオに映っているように単語や簡単な挨拶を勉強していますが、5年生にもなると流暢に英語で話をしてくれる子ども達もたくさんいます。ビデオに映っている子どもたち、発音完璧ですね。。。




   しかし現在とザンビアの独立当時の教育水準を比べると、子どもたちの教育環境はどんどん悪化しているのが実際のところ。独立当時は授業料も無料、全寮制の学校は宿泊費も無料だったそうです。年配の方とお話をすると、当時は質の高い教育が受けられていたことがよく分かります。

 現在では、政府の運営する学校だけでば教育の需要をまかなえません。ザンビア政府は初等教育の無料化と一般化に向けて、コミュニティーが主体となって運営するコミュニティースクールを推進していますが、学校の数や先生の数、教材の供給など、問題は山積みです。

    限られた資金と設備の中で一生懸命子ども達を教える先生の力になんとかなりたいものです。


文責 ザンビア事務所(黒田)


TICO合宿、TICO合宿、TICO合宿!!

2010年08月24日 | 地球市民教育
8月は3団体がTICO合宿にやって来ました!

8月6日~8日 東海大健康科学部看護学科
8月10日~11日 IFMSA(AVP10)
8月21日~22日 岡山大学医学部医学科


~東海大健康科学部看護学科~

<ラクの物語>
・ラクという一人の女性からその国の問題を考えることができ、様々な意見が聞けてよかった。
・事例を用いてより深く問題分析ができ、非常に有意義な時間だった。


<農作業>




~IFMSA(国際医学生連盟 日本)~

<宇宙ステーション>
・何度も参加させてもらっているが、その度に資源の大切さ、今の生活の無駄の多さに気付かされる。
・視野を広く、この地球のシステムについて1住民として考えていかなければなと思った。

~岡山大学医学部医学科~

<チャレンジ・アフリカ>
・数人で現状を学べるだけでなく、課題発見も出来るのがすばらしいと感じた。
・多くの要因が複雑に関連していることが良くわかった。


TICO合宿に参加したい!と思われた方、
9月に公募型合宿を実施します。おひとりでの参加はもちろん、親子と、友人と、是非ご参加ください。

文責:事務局(瀬戸口)

ポチェントン病院前道路整備(第2段)終了!

2010年08月17日 | TICO カンボジア
ポチェントン病院前の道路整備が終了しました。
今回は前回の整備に続いて第2段の実施となりました。

(前回の道路整備については下記をご参照ください)
⇒ http://blog.goo.ne.jp/tico_blog/e/5a508421a6828f60db6d280242cba793

これまでのデコボコ道では通行に時間を要したり、病状によっては悪影響を
与えたりと、妊婦さんや救急患者さんにとってかなりの負担となっていました。

今回、整備を行ったのは、直線距離にして79メートル、面積にして504平方
メートルです。
将来、道路が破損したり修繕が必要となった際にカンボジアの人々が、
「自分たちで修繕しよう!」と思ってもらえるように、TICOが資金を全て捻出する
のではなく、様々な人々に協力してもらえるよう呼び掛けました。

すると、西部保健局、ポチェントン病院だけでなく、近隣の住民からも資金を提供
してもらえることになりました。
(西部保健局からは1,000ドル、ポチェントン病院、近隣住民からそれぞれ
500ドルずつの資金提供)

結局、費用合計6,552ドルの内、2,000ドルを分担して頂くことになりました。
当事者意識をもってもらえることを望みます。

そして、道路を使用する人々から舗装後の感想を聞いてみました。

○救急隊コーンさんの感想

「早く、スムースに、快適に」患者さんを搬送できるようになって感謝しています。
雨の際は道路が土だと救急車がとても汚れるので、舗装してもらって助かっています。
どうもありがとうございました。」

○患者さんをよく搬送しているバイクタクシードライバーさんの感想

雨が降ると患者さんを運ぶのが大変だったので、今はすごく通行しやすくて
助かってるよ。あとの残りの部分もやってくれた方が助かるけどね。」

今後は残りの未舗装部分についても西部保健局と協議していきたいと思います。
現地の人々のペースに合わせながら


  
              ◆舗装前

  
              ◆舗装後


文責:TICOカンボジア事務所(大坪)

徳島大学「国際協力論」

2010年08月13日 | 地球市民教育
徳島大学公開授業「国際協力論」
8月8日(日)10:25~11:45

代表の吉田が講師を務めました。
公開授業ということもあり、高校生から年配の方まで様々な世代が集まりました。

講義名:「ザンビアの現状と 日本国憲法から読み解く日本の役割」


まずはおなじみの(?!)カードゲーム「チャレンジアフリカ(TICOオリジナル教材)」を使って、
アフリカの現状を疑似体験していただきます。
「あ、死んじゃった!」と最初から悲しいカードを引いた方もいれば、「ジフテリアってなんだろう」と普段は聞きなれない病気の名前に戸惑う方も。。
家族の死や感染症、交通事故、紛争、妊娠・出産などなど紆余曲折を経ながら、成人まで成長していただきました。

その後は、吉田がいままで経験してきた国際協力活動について講演しました。
世界のいろいろな情報がすぐに手に入る現代とはいえ、
まだまだアフリカの現状を知っている日本人は多いとは言えません。
リアルな情報に、ショックを受けられた方もいたようでした。

しかしながら、代表の吉田に言わせると今回の講義は「前座」。

開発教育の第一人者である池住義憲さん(立教大学大学院教員)の講義が同日午後に、
また翌日には、ap bankの監事など多様な市民活動に携わっておられる田中優さんの講義が控えていたのです。

お二方の講義の詳細は省きますが、共通したメッセージとして、
「根本的な問題が何かを知ること」
「相手の立場で物を見ること」
「よかれと思って行ったことが、相手にとって大きな迷惑になっていることを知ること」
「一つの考え方に固執しないこと」
「仕組みを変える必要があること」
があったと思います。

そして世の中(日本も世界も)に起こっている問題は、
「誰の」問題なのか、もっと私たちは自覚する必要があると非常に強く感じました。
第一線で活躍されている方は、人の心を動かす力をお持ちですね。

TICOの活動もですが、自分自身も生き方を問われた2日間でした。

文責:事務局(瀬戸口)