TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

へき地医療研修員その2

2012年10月31日 | 未分類
先週からの研修員の動向をお伝えします

先週月曜は美馬保健所、保健センターに始まり、
火曜:森山小学校での小学生との交流
水曜:ホウエツ病院訪問、木屋平診療所では往診に同行させていただき、
木曜:海部病院、出羽島診療所見学
金曜:上勝では彩事業の紹介、ゼロ・ウェイスト・アカデミーでゴミの分別を見学、
上勝診療所と健祥会を訪問

土曜:TICOユースの学生と交流

というなんとも盛り込みすぎな怒涛の1週間

今週月曜は新しくなった徳島県立中央病院を訪問し、
火曜:さくら診療所の見学・救急対応の実演研修を経て、
今日からは自国の医療サービスを向上するための計画づくりが始まります。
金曜には作成した計画を発表、土曜に本研修が修了します。

さてさて研修員のみなさんは、今まで訪問した様々な機関で
どのようなことを学び吸収したのでしょうか。
どのような改善案が出てくるか、楽しみなところです

本研修ではオープン前のさくらcafeを会議室として利用させていただいています。
今日はハロウィンということで、お手製のニジェール服を身にまとった栄養士さんから
かぼちゃのシフォンをサプライズで提供していただきました



素敵な演出でほっこりしました
明日はいよいよ大詰めです。

文責:事務局(庄田)

講師派遣:高知南高校 平成24年度第1回目!

2012年10月30日 | 地球市民教育
昨年も5回の講座を担当させていただいた高知南高校
今年も国際科の1年生を対象に連続講座を担当させていただくことになり、
10月23日、1回目の授業に行って来ました

昨年同様、「世界とのつながり」と聞いて連想する言葉を書き起こしてもらい、
TICOやザンビアの紹介をさせていただきました。



「世界とのつながり」と聞いてやはり一番多くあがったのは、
FacebookやTwitterなどインターネットによるものです。
どんどんIT化が進んでいるんだなぁと実感しました。

最後に感想を書いてもらったのですが、「日本も世界中の国々も支え合っている
ということに気づいたと数人の学生が書いてくれているのが印象的で、
今回の2時間の授業がこの後の授業につながっていく道筋が、少し見えた気がしました。

あと4回の授業、高知南高校の生徒の皆さん、お付き合いのほどよろしくお願いします

文責:事務局(庄田)

48回目の独立記念日

2012年10月26日 | TICO ザンビア

ザンビアから田村です

10月24日は、48回目のザンビアの独立記念日でした。

ザンビア人がどんなふうにこの独立記念日を祝うのか、とても気になるところ。
首都のルサカでは、数日前からパラパラと建物の周辺がザンビアンカラーの緑、オレンジ、赤でデコレートされていっていました。
ちなみに、オレンジ色は鉱物資源、中でもザンビアは世界有数の銅産出国です。そのためオレンジ色は特に銅を表しているのだそうです。
赤は自由への闘いを、黒は国民を表しているそうです。




また、仕立て屋さんではザンビアの国旗の布地を使った洋服の発注でどこも混みあっている様子。
国民が国旗をファッションにまでとりいれるなんて素敵ですね。国に対する誇りを感じます。


かつては盛大にお祭りが開かれ、総出でお祝いしていたようですが、昨今はそういったことも少なくなってきているようです。
こちらの人に聞いてみると、多くの人は近くの学校へ出かけ、子どもたちが披露する歌やトラディショナルダンス、朗読などを鑑賞し、
楽しむようです。


私はというと、いつもと変わらず街中で1週間の食材調達のためお買い物中。
♪ハッピーバースデー♪の歌が聞こえてくるではありませんか。
歌の方へ向かってみると。。。


ザンビア人の笑いのセンスでしょうか。
これまたザンビアの国旗ですが、なにやらおかしなことになってますね


文責:ザンビア事務所(田村)

へき地医療研修員受入中

2012年10月22日 | 未分類
国際協力機構(JICA)技術研修員受入事業を受託し、
「徳島県へき地医療研修事業」を実施中で、10月15日から研修員の受入をしています。

地域保健医療の施策に携わる方や保健医療に携わる方が対象で、
へき地医療サービスを改善するための地域保健施策案が作られることを目標に、
日本の地域保健システムの全体像を把握し、へき地医療対策を支える保健医療体制や
住民参加型の保健活動を学ぶための研修プログラムを作成し、事業を展開しています。

約3週間のプログラムに、ラオス、パプアニューギニア、ナミビア、ベトナム、ウルグアイ、ガーナ、
ケニア、南アフリカ、タンザニア、ジンバブエから14名の研修生が参加しています
救急サービスや公衆衛生、保健省(日本の厚生労働省にあたる)での保健プログラム管理者など、
医師や看護師、環境衛生監視員、保健組織人事など、国もバックグラウンドも様々な研修生が、
毎日きつきつのスケジュールを和気あいあいとこなしています



15日のオリエンテーションに始まり、徳島県庁での講義、
東消防署、半田病院、ホウエツ病院、徳島保健所、地域医療支援センターを訪問、
土曜日はヘルスメイトさんのお話をお聞きし、先週の1週間だけでも盛り沢山の内容

今週も様々な機関にお伺いすることになります。
また研修の様子をアップします

文責:事務局(庄田)


地球人カレッジ 10月

2012年10月22日 | 地球人カレッジ
*とき:10月6日(土)19時~21時
*参加人数:27人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:渡部豪(NPO法人TICO理事)
*テーマ:カンボジア救急の現状~救命への道~

今回の地球人カレッジは、TICOの理事であり、さくら診療所の医師でもある渡部豪先生に、
TICOの事業の一つであるカンボジアの救急医療についてお話していただきました

カンボジアでは、どのような救急医療の事業が必要とされているのでしょうか。
考えるきっかけとして、渡部先生は二つの事例を話してくださいました。

一つ目の事例は、70歳くらいの男性を救急車で搬送した時のこと。
言葉が全く通じなかったため、問診ができず、バイタルサイン(脈拍や体温、血圧などのことだそうです)から
病態を推測するしかなかったそうです。
しかし、血圧などを測る機材は古く、心電図モニターは救急車に搭載されていなかったそうです。
また、病院に到着しても病院のスタッフが出てこなかったり、
搬送先の病院では十分な治療ができないことが判明したり、
仮に治療のできる別の病院に搬送したとしても患者が治療費を払えない可能性もあるなどの問題があるそうです



二つ目の事例は、自動車同士の交通事故現場を目撃した時のこと。
民間病院の救急車で運ばれていったそうですが、運び方が荒っぽく、傷が悪化してしまうような搬送の仕方だったそうです。

渡部先生が現地で体験された事例をもとに、どのような医療支援が必要か、参加者の皆さんからは次のような意見が出されました。

*救急車内の医療機材を新しくする
*緊急時の対応ができるように訓練する
*救急隊と病院の間で連絡する内容や連絡方法を確立する
*交通事故を減らすため、交通ルール指導など教育の充実化を図る


TICOは今まで、医療従事者への研修、クメール語の医療用教科書の編集、
一般の人に対するファーストエイドの講習、医療機材の供与などを行っているそうです
特に医療従事者への研修については、患者の脈、体温、血圧等を教えられたとおりに測れるようになったり、
研修が活かされて実際に救命できた例が報告されたり、少しずつ成果を上げているようです。
また、日本に招へいされたカンボジア人医療従事者が日本の医療現場を見ることで、
自身の病院をきれいにするようになったり、入院患者の間をカーテンで仕切ってプライバシーに配慮するようになったり、
研修が思わぬ相乗効果を生み出しているとのことでした。

このようなTICOの取り組みがカンボジアの医療事情改善に大きく貢献していると思いますが、
上述の事例からもわかるとおり、課題もまだ多くあるようです。
そのような医療事情を踏まえたうえで、TICOの今後の活動について以下のような説明がありました。

 救急隊員から病院スタッフへの迅速な連絡体制を強化する
 中古品の機材を新しくする
 「命は助かる」ということを、カンボジアの医療従事者に伝えていく


特に3点目について、治療方法次第では助かるチャンスが広がるにもかかわらず
、カンボジア人スタッフの経験が少ないために、何とかして助けようという姿勢が
まだ身に付いていないのが現状のようです。
適切な治療方法で助かる命があることを伝えていきたいと仰っていました。

TICOの活動がカンボジアの医療改善に貢献している反面、一団体としては及ばない、
国際協力活動の難しさもあるようです。その一つが医療保険制度。
日本と違ってカンボジアには医療保険がなく、治療費を支払えない人もいるそうです。
そのため、治療よりも先に治療費が支払えるかどうかを確認するとのこと。
お金がなければ、治療を受けられないという現状では、どんなに医療レベルが上がっても、
医療機材が良くなっても、助かる命が見過ごされてしまうのではないでしょうか。
医療制度が変わらないと、医療事情が良くならないのではないか、と指摘されていました。

病院の運営体制についても、予算の問題があるそうです。
病院の収入が少ないため、機材を購入できず、中古品を支援してもらうのを待っている状況だそうです。
また、少ない予算は救急隊の運営体制にも影響しており、
救急車のガソリン代や救急隊員の給料を捻出するのが難しいとのこと。
ある一定期間をTICOが支援することができても、将来的には現地の病院やカンボジア政府の自立が必要であり、
国の制度や体制が改善されない限り、根本的な医療改善にはつながらないのではない
かとも仰っていました。

また、カンボジアでは様々な国や支援団体が事業を行っているそうですが、
役割分担がうまく行われていない現状があるそうです。
例えば、救急車が大量に支援されているにも関わらず、活用されていないとのこと。
カンボジア政府が支援国・団体の調整を試みているそうですが利害関係もあり、
調整がうまくいっていないのが現状だそうで、必要な支援がうまく行き届いていないようです

予算が少なかったり、機材が古かったり、日本であれば助かるはずの命が助からなかったり…
このような現状が少しでも改善され、少しでも多くの命が助かるように願ってやみません。


文責:ボランティア(吉田悠)