TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

平成25年度徳島大学国際協力論 Vol.3

2013年06月30日 | 未分類
平成25年4月から徳島大学で開講している国際協力論
 あっという間に第11回目まで終了しました
 それでは、少し講義の内容をご紹介

 6月5日の第8回目は、内蒙古愛陽教育経済支援協会理事長上田勝久さんを講師にお招きしました
 上田さんは、中国内モンゴルで学校建設支援や里親制度を実施し子どもたちの教育を支援しています。
 中国残留孤児で初めて身元が分かった方が徳島出身でその方の講演を聞いたのが、活動のきっかけだそうです。
 その方が、砂漠化の問題を訴えており何か自分でもできないかと思ったのが今に至っているとのことでした。
 上田さんは、おっしゃいます。
 「国際協力をするかしないかは自分が決めること。きっかけがあれば、やった以上は継続してほしい。

 6月12日の第9回目は、ナマケモノ倶楽部理事の宇野真介さんが東京からお越しいただきました
 宇野さんは、高校時代を南米ペルーで過ごされ、そのごアメリカの大学にて生物多様性を学ばれたそうです。ナマケモノ倶楽部は、ナマケモノの
 保護だけを訴える団体ではなく、ナマケモノのようにスローな生活を提案している団体です。ナマケモノの住む森を守ることは、生物多様性を守ること、
 ひいては私たちの生活をも考えるきっかけともなります。私たち、TICOとも通じるところがありますね~
 前日、地球人カレッジでもお話いただいており、詳しい内容についてはこちらをご参照いただけます

 6月19日の第10回目は、JICA四国水谷恭二支部長にお話いただきました
 JICA:独立行政法人国際協力機構には全国に支部があり、この徳島を管轄するのがJICA四国支部となっています。
 JICAの主な活動は、途上国への技術協力や協力隊などのボランティア派遣などによる支援を行なっており、TICOもこのJICA四国から委託を受けてザンビアで
 安全な妊娠出産をサポートする事業をしています
 水谷支部長自身も協力隊のご出身で、マラウイにて活動されていたそうです
 いくつか写真を見せて頂いたのですが、マラウイ版コンニャクの写真がとても印象的でした。
 日本にしかないと思っていたものが、遠く離れたマラウイで食べられているとは本当に不思議でした~
 
 そして、今月最後の6月26日の第11回目は、WHO神戸センター福原美穂さんに飾っていただきました
 先週に引き続き、NGOではなく、GOについてのお話です。NGOが点で支援するのに対して、GOはマクロな支援を行なっています。
 福原さんは、現在、国連職員としてWHO神戸センターにお勤めですが、その前は国連本部のあるニューヨークで勤務されていたそうです
 
 意外にも日本に国連機関は少ないそうで、その理由は必要性がないということでした。それだけ、日本の医療は進んでいるという訳なのですね~ 
 しかし、高齢化や都市化による健康問題が高まっているといことで、WHO神戸センターが存在しているとのことでした。
 国際公務員と聞くとなんだかお固いイメージですが、福原さんのその人柄にもとても親しみを覚えた受講生の方も多いのではないでしょうか 
 もしかすると、将来、受講生の中で国連職員になる方も出てくるかもしれないですね

 いよいよ、国際協力論も残すところ後1ヶ月となりました。
 どうぞ、来月の報告もお楽しみに

 文責:事務局(近森)

 

ナニカニ

2013年06月28日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です

ザンビアに赴任してきて1年と半年。
この間、いろんなザンビア人と出会い、いろんな話をしてきました。

最近、話をしていておもしろい表現だなと思ったのは
「カムワラでお菓子を買うように」という例えです。
カムワラというのは、庶民御用達の日用品が揃うマーケットの名前です。

これが飛び出したのは、なんと「車」の話をしているとき。

私たちが事業地のモンボシに向かうときに、いつも通るグレートノースという道が
あるのですが、これはザンビアを南北へ貫き、近隣諸国とザンビアをつなぐ幹線道路。
南アフリカやコンゴやタンザニアからの大型トラックが行き交います。

最近、ぐぐぐっと車の数が増え、朝と夕方の通勤ラッシュには本当に辟易しますが、
だいたいは南ア経由かタンザニア経由で車を購入するようです。
国境で車を受取り、税金を払って自分たちで運転して帰ってくるというのがよく聞く方法で
ザンビアで車両登録するまで、ナンバープレートの位置には、
臨時の番号(テープの上にマジックで番号を書いただけ)が貼ってあるので見分けがつきます。

ある日もいつものように、このグレートノースを走っていたら
次々と、この臨時の番号を貼った車が反対車線を走って行きます。

その日は30~40台くらい見たでしょうか。
あまりに多すぎて途中で数えるのを放棄してしまいました。

これを見た、TICOのドライバーが放った一言。
「最近はみんなカムワラでお菓子を買うみたいに車を買う!」

彼に言わせると、ザンビア人がお金を持つようになったというよりは
車の値段が安くなってきているから、ということでこの表現だそうです。

よりによってお菓子を車のたとえに使うとは!斬新です!


たとえ話といえば、コンドームの使用を敬遠する男性の心理を表す表現として
「袋に入った甘いお菓子」という例えも、仕事柄よく聞きます。
コンドームをつけていると、その甘いお菓子が食べられない、というわけです。
男性がコンドームを使いたがらないために、
女性がこっそり避妊しなければならないケースが多々あり、
男女の妊娠出産をめぐる負担の不公平さにあらためて嘆息するのですが、
この例えはなんだか言い得て妙、という気がしてくるので不思議。


しかし、いまザンビア事務所でひそかなブームになっているのは(?)
「ナニカニ」でしょう。

日本語に訳すと「なんだっけ」。
誰かと話をしていて、その途中で言いたいことがうまく言えず
「えーと、ほら、なんだっけ」って言う感じです。

日本語と響きも似てるし、
この単語を挟むタイミングが、まさに「なんだっけ」なので、
もうおもしろくておもしろくて。

いまでもこの言葉がザンビア人から飛び出すたびに、
笑いをこらえるのが大変です。
バカにしたいわけではないのでね


みなさんも、ザンビアにお越しの際は是非使ってみて下さい!


文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

緊急搬送について考えた夜。in ザンビア

2013年06月26日 | TICO ザンビア
すっかりご無沙汰してしまいました。
ザンビア事務所の瀬戸口です。

日本は空梅雨のようですね
こちらは朝晩ぐっと冷え込み、ヒーターや湯たんぽが大活躍です

さてTICOザンビア事務所では安全な妊娠出産をサポートする事業を実施しています。

出産は新しい命が生まれる素晴らしい出来事なのですが、
お母さんと赤ちゃんによる、まさに命がけの協働作業でもあり、
非常にリスクを伴う状態でもあります。

だからこそ、安全な妊娠出産を支援するスローガンは
No woman should die while giving life
(命が生まれるときに、命を落とす女性がいてはならない)
と謳っています。

特に異常もなくスルっと生まれて来る赤ちゃんがたくさんいる一方で、
すぐに救急車や一般車両が利用できる状態にないザンビア(特に農村)では
危険な状態に陥ってしまうと、それが母子の生死に直結してしまうのです。


昨日、事業地であるモンボシでの仕事を終え、
帰宅の途につきかけた私たちを呼び止めるヘルスポストスタッフ。

「赤ちゃんが出てこない」

まだ転院を判断するには情報が足りないタイミングではありましたが、
この日のヘルスポストには熟練スタッフが不在で、若手スタッフしかいなかったため、
万一に備えて私たちの帰宅途中にあるヘルスセンター(※)に送り届けることにしました。
※ヘルスポストよりレベルが一つ上の医療機関

ヘルスセンターまで車で40分。
無事に送り届け、経験豊かな助産師に対応してもらうことが出来たのですが、
実はそのヘルスセンターの分娩室には先客が・・・。


前回、帝王切開で出産した妊婦さんです。
本当はヘルスセンターではなく病院で出産しなければならないのですが、
なぜだかヘルスセンターに来てしまい、もう子宮口も完全に開いた状態。

同伴の家族に、ヘルスセンタースタッフが
「前回、帝王切開で産んでるんだから病院に行かなきゃだめじゃない!」と
口ぐちにお説教をするものの、時すでに遅し。

いつ生まれて来てもおかしくない
でも、赤ちゃんが無事に出てこられるか分からない

という切迫した状態に、私たちは再び立ち会ってしまったのです。

病院と私たちの帰路は正反対の方向です。

本来であれば、その病院から救急車を要請する(*)か、
患者自身が車を手配せねばなりません。
*ヘルスポストに救急車はありません。

車を手配するにはかなりのお金(数千円)がいるし、
救急車がすぐに駆け付けたとしても
患者が病院にたどり着くまでには倍の時間がかかります。
(病院→ヘルスポストで患者ピックアップ→病院へ搬送という経路になるので)


放ってはおけず、病院まで送り届けることにしました。
私たちの車なら40分で病院に着きます。
ぎりぎり間に合うだろうという助産師の判断でした。



そして病院までの道中・・・・。
なにやら人だかりを発見。

横転しているバス。

交通事故です。

警察が状況検分と救助活動を実施しているところでした。


徐行運転で現場を通過しているところを呼び止められ

「警察の車がいっぱいだ。軽傷の患者を病院まで乗せて行ってくれないか。」

もう、乗りかかった船です。
さらに軽傷患者を3人乗せて病院へひた走ります。
このとき1台しかない病院の救急車は、事故現場と病院をピストンで患者輸送していました。



やっとの思いで病院に到着し、患者をそれぞれの科に送り届けて任務完了。
すっかり日は落ちて、空には満月がのぼっていました。


私たちが昨日、モンボシに行っていなかったら
変わっていた運命があったのかもしれません。
緊急搬送の重要性をまさに目の前につきつけられた一日でした。


文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

にこにこ市へ出店しました!

2013年06月17日 | イベント参加

 6月16日(日曜日)石井町ロッタハウスにて開催されましたにこにこ市に出店しました
 
 
 にこにこ市は手作りの品がメイン美味しそうなケーキや可愛い洋服アクセサリーやバックなどなど
 世界に一つしかないモノたちがたくさんありました



 TICOのお店です

  お天気はカンカン照り真夏のような暑さでしたが、たくさんの可愛いものや美味しいものに出会えて
とても楽しかったです

 また是非、出店させていただきます
 にこにこ市の主催さま、ありがとうございました

文責:事務局(近森)
 
 

6月の地球人カレッジ

2013年06月17日 | 地球人カレッジ
 *日時:6月11日(火)19:00~21:00
 **参加人数:24人(発表者、ネットでの参加者含む)
 *場所:さくらcafé
 *報告者:宇野真介(環境=文化NGOナマケモノ倶楽部理事・法政大学兼任講師)
 テーマ:「コーヒーから考えるナマケモノ流国際協力」

 今回の地球人カレッジの講師は、「ナマケモノ倶楽部」の理事、宇野真介さんをお招きし、
コーヒーを通して国際協力について考えてみました。
 「ナマケモノ倶楽部」と聞いて、ナマケモノを保護する団体かなと思われた方も
いらっしゃるかもしれませんが、そうではないのです。また、TICOのような国際協力事業を
している団体というわけでもありません。
「ナマケモノ倶楽部」は、環境、経済、文化それぞれの専門家が共同で立ち上げ、ナマケモノ
のような「スロー」な生き方を提案しているNGO団体なのです

そして、宇野さんは生物生態学がご専門生産性だけを重視する農業ではなく、多種多様な生物
が共存できる農法を紹介していただきました。
その一つは、森の中でコーヒーを育てる「森林農法」です。上手くすれば、生産性も保ちつつ、生物
多様性も持続できるそうです。コーヒーの主な生産地(コーヒーベルト)と、生物多様性のホットスポット
は重なり合う所が多いそうで、生物多様性を保つためにも、コーヒーの生産方法は重要なんだそうです。


今、世の中は安いコーヒーがたくさん出回っています。なんとコーヒーの取引価格は、原油についで世界第2位 
しかし、生産者へ渡る利益は全体の数パーセントにしか過ぎません。さらに、お金を得るためには、森を切り開き、農地を広げ、
もしかすると児童労働の問題もはらんでいるかもしれません。
一方で、フェアトレードコーヒーも存在しています。生産者へ適切な利益がもたらされるもの、環境に配慮して生産されているもの
是非、お店や専門店で探してみてください

「スロー」とは、つながりなおし と宇野さんはおっしゃいます。
私たちが日々飲んでいるコーヒーそのコーヒーから始められる国際協力もあります。
たまには、ナマケモノのように過ごしてみるのはいかがでしょうか

最後に「ナマケモノ倶楽部」からご提案
6月21日は夏至の日です電気の明かりを消して、キャンドルナイトをしてみませんか

地球人カレッジの様子はこちらでご覧いただけます

文責:事務局(近森)