TICOブログ

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カウンセリングってなんだろう?

2014年08月23日 | TICO ザンビア
こんにちは、ザンビア事務所より出浦です

今回はモンボシ地区で行われたワークショップの報告です

モンボシでは月に一度、診療所の管轄する9か所の地域で出張健診を行っています。
診療所の看護師が各地域に出張し、そこの地域で活動するボランティアの方々と協力して
乳幼児健診、妊婦健診、予防接種、家族計画をします。
TICOではこの健診の質の向上のため、診療所のスタッフ、地域のボランティアさんたちと協力して活動しています


村のお母さん・子どもたちが集まってきたらまずは体重測定から始まります。
そしてこの乳幼児カードに体重を記入。



このカードはザンビア政府が発行しているもので、施設分娩をした全ての子どもに配られています。
年齢に応じた子どもの標準的な体重や、食事の回数、栄養内容など、いろんな情報が書かれているすぐれもの
日本のように母子手帳はありませんが、生れてから5歳になるまで子どもの健康をこのカード1枚で管理しています


さて、健診の重要なポイントは体重増加不良の子どもを見つけフォローアップしていくことです。
ただ体重を測ってカードに記入するだけでは効果がありません。
そのカードの内容を確認し、低体重や体重増加不良の子どもを見つけ出し、お母さんと一緒に解決策を見つけていくことが重要なのです。

そのため、体重測定をしたあと必要な家族には食事のカウンセリングを行っています。

なぜ体重が増えていないのか?
体重を増やすため家庭で何ができるのか?


これを地域のボランティアさんがお母さんと一緒になって考えていく事で、健診をする本当の意味があります。

今回はカウンセリングのスキルアップのため、1日がかりで研修を行いました


▲熱心に講師の話を聞くボランティアさんたち


▲グループを作り、お母さん役とカウンセラー役で練習をしています


体重が増えていないのは病気のせいなのか、食事の回数が少ないからなのか。もしかしたら食事の内容が歳に応じたものになっていないのかもしれません。
お母さんとの会話を通し、原因を探していくことがカウンセリングの技術に求められます。
そして問題を発見したら、お母さんと一緒にその日からできる改善策を見つけていかなくてはなりません。
アドバイスをするのは簡単です。しかし、そのアドバイスが一方的ではなく実現可能なものになるためには
お母さんとよく話し合うことが大切です。
その日からできる改善策を見つけることが、子どもの栄養改善につながるんですね

カウンセリングは技術のいる事ですが、彼らの仕事によって必ず低体重の子どもは減っていきます。
今回のワークショップでは多くのボランティアさんが熱心に話を聞いてくれました
この勉強の内容が次の出張健診から活かせるように、引き続きお手伝いしていこうと思います


文責:ザンビア事務所(出浦)

子どもたち大集合♪

2014年08月21日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所インターンの出浦です

8月も半ばとなりザンビアで最も寒い月(7月)が終わったので、日に日に暖かくなってきました
これから本格的に暑いシーズンが始まります!


先日、ムワプラで久しぶりに乳幼児健診が行われました

5歳児以下を対象としたザンビアの乳幼児健診では、子どもの体重測定予防接種が行われます。



野外の木に体重計を吊るして測定します
大きい子はいい子にしてくれるのですが、小さい子でたまにものすごく泣いてしまい体重測定が難しいことも
なんとかなだめながら村のボランティアさんたちが次々と体重をはかり、乳幼児カードに記入していきます




この日は100人近い子どもが体重を測りに来てくれましたっ

この村では電気がないため、ワクチンの保管ができません。
以前はバイクがあり、近隣の施設までワクチンを取りに行っていたのですが
そのバイクも数か月前に壊れてしまい現在修理中のため使うことができず、しばらく健診はお休みしていたそうです
この村の子どもの乳幼児カードを見ると予防接種を受けていない子どもがちらほら
BCGや麻疹、ポリオや肺炎球菌などの種類があるのですが、決まった月齢での接種が難しく
接種する機会を逃してしまうお子さんが多いそうです。

今回は車で近くの診療所までワクチンを取りに行ったのですが、そこでもBCGと麻疹のワクチンが不足しており
その2種類に関しては提供することができませんでした


電気がくる間まで、ワクチンを取りにいくための交通手段を確保することはとても大切です。
一番近いワクチンが保管してある施設まで、自転車で片道約2時間。
余ったワクチンも返却しに行かなくてはならないため、2往復する必要があります。
この状況だと、なかなか診療所のスタッフもボランティアさんも取りにいきづらく、毎月の予防接種が行われていません。


電気が来ない、交通手段がないという状況はすぐには変わらないため
今ある状況の中でできることを探していけたらと思います
まずはたとえワクチンがなかったとしても、毎月の体重測定の場を作っていくことから始めて行けたらと思います


文責:ザンビア事務所(出浦)

7月の地球人カレッジ

2014年08月12日 | 地球人カレッジ
*テーマ:「ザンビアで住民とともに橋ををかける~道普請人の新たな展開と動き~」
*日時:7月13日(日)17時~19時
*場所:さくら診療所 デイケア室
*参加人数:16名
*発表者:木村 亮さん( 京都大学大学院教授、NPO法人道普請人理事長)
     芝村 裕人さん(京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻) 


TICOの活動地であるザンビアのモンボシ地域で、NPO法人道普請人と連携し
橋の建設計画が進んでいます
2013年7月の地球人カレッジに講師として木村先生に来ていただいたのがきっかけです。
その時のようすはこちらから
そして、代表の木村先生ご指導のもと、今回の橋建設の計画は京都大の院生、芝村さんが担当されています。
今回は、その進捗状況の報告をしていただきました

まずは木村先生から現在の活動について報告していただきました
土木の原点人々の暮らしを豊かにする
何か土木で人々の暮らしを豊かにすることは出来ないかと考え、土のうを使った
アイデアを考え出されました。
現地で手に入りやすい材料を使用し、地域の人々が主体となって作業出来ることにより、
地域活性化やさらには雇用創出にもつながることができます。
ケニアをはじめ、数カ国で事業を展開されています



その後、芝村さんから進捗状況の報告がありました
川幅は最大で35メートル、雨季にもなると水位は2メートルにもなるそうで、
この川に橋がかかれば、どれだけ地域住民の人々のためになるか、計り知れません

様々な橋が検討されたようですが、最大5トンまでの強度が保てるような橋の建設が住民参加型で計画
されているそうです。
計画と実際の作業とでは、勝手も違ってくるとは思いますが、すでに、村人たちは石を集めたり、
現地でミーティングを開催し、本格的な建設のための準備を進めているそうです。
この夏、芝村さんもザンビアへ渡り、本格的な建設が始まります。
期待が膨らみます
今後の進捗状況については、季刊誌(Face to Face)、ブログ等でお知らせいたします
7月26日(土)に行いました映画上映会については、こちらをご覧ください

文責:事務局(近森)