TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

ザンビアのコミュニティスクール~その1~

2015年04月24日 | TICO ザンビア

お久しぶりです!
ザンビア事務所、柳下です。
今回お送りしますお話は・・・

『ザンビアのコミュニティスクール』

今回より、シリーズでお届けいたします






ザンビアには行政が運営する学校と、日本でいうところの町内会が運営するコミュニティスクールがあります。





ん??どういうこと???


って思いませんでしたか??




ザンビアでは、日本とは違い、子どもの数に対して学校の数が足りておりません



結果、子どもが学校に行けるようにと、村々で住民がカンパを募り、地元住民が運営するコミュニティスクールができあがりました(かなり説明端折りましたが)。

そんなわけで、コミュニティスクールの校舎は地域住民の手作り



そこで質問です!
みなさん、セメントを作ったことありますか?トイレの穴を掘ったことはありますか??


日本でDIYが流行っているとはいっても、なかなか建物を建てられる方は居ませんよね。


ましてや学校を手作りするなんて・・・
きっと私は、椅子一つろくに作れないと思います


ちなみに、TICOザンビア事務所のローカルスタッフ、Mr.カニエンボは、ちょっとした電気工事ならちょちょいのちょい
それもそのはず、普段は警備員をしていますが、大工さんでもあります
とっても心強い存在です。


話がそれてしまいました・・・



今回は、ザンビアのコミュニティスクールの中でも、カムロブウェコミュニティスクール(初等教育)をご紹介したいと思います


カムロブエコミュニティスクール
生徒数 571名
教師数 7名(内、国から2名派遣)
対象 1~7年生(初等科)


ザンビアのほとんどのコミュニティスクールでは、生徒数に対して教師が足りないため、1学年につき1クラスしかありません。
今回紹介するカムロブウェコミュニティスクール(以下、カムロブウェCS)でも、1学年1クラス式です。

生徒数571名に対して教師が7名ですから、単純計算すると1クラス約80人

教師1人に対して生徒80名



ひぇ~~~~室内が熱気に包まれそうですねっ



ザンビアの季節は、大きく分けて乾期と雨期。
雨期にはバケツをひっくり返したような雨が、しょっちゅうゴーーーー!!という音を立てて降ります。

一方、乾期になると、雲がもくもくと空に出てきても、雨はほとんど降りません。
土がみるみる乾いていき、土埃がたつようになります。そして、どんどん風が強くなります。


カムロブウェCSの校長先生によると、一度に約80人の生徒が同じ教室で授業を受けるため、休み時間などに生徒が一斉に席を立つと、空中に舞う砂埃で、子どもたちが咳き込んでしまうそうです。


そして、照明が無く、日中でも教室内はかなり暗くなります。
日本人は、ノートの字すら見えないのではないでしょうか

カムロブウェCS同様、ザンビアにあるコミュニティスクールの多くは、電気がありません。



教室内はこんな感じです

教室内の写真1

子どもたちが座っているのは机?それとも椅子?


教室内の写真2

机は無く、積んだレンガに座って授業を受けている子どもたち。暗くても、暑くても、彼らの目は真剣そのもの!!!
(私が小学生の頃は、中休みと給食が待ち遠しかったものです。それと比べると・・・笑)


教室内の写真3
※クリックすると拡大します。

写真には上手く映っていませんが、机、椅子、黒板、床、窓、屋根、壁などなど、どこを見ても今にも崩れそうな物ばかりです。



TICOがプロジェクトを行っているチサンバ郡中央州モンボシ地区では、ほとんどの住民が農業を営んでおり、自給自足の生活をしています。それゆえ、お金を得られる手段が少なく、校舎建設のためのカンパ金も、多くは出せません。

結果、最低限の材料で建てられた校舎は耐久性が低く、次第に屋根の穴や床材(セメント)のはがれなどが生じます。


TICOでは、子どもたちの学習環境を整えるため、みなさまから集めた寄付でコミュニティスクールの校舎修繕や、新校舎および先生の家の建設支援に取り組んでいます。


子どもたちが安心して楽しく学習できる環境を整えるには、まだまだ支援が必要です。
みなさまのご支援をお待ちしております。→あなたにできること



また、過去のブログで「ンコンジェコミュニティスクール」の建設のようすを紹介しておりますので、ご興味がおありの方は、下記のリンクを参照ください。
過去ブログ:ンコンジェコミュニティスクール


また、TICOの機関誌「Face to Face」にて、TICOの活動をご紹介しておりますので、こちらもぜひご覧ください
Face to Face






授業や教育システムについても、今後触れていきたいと思います



文責:ザンビア事務所(柳下)


NHC(住民保健委員会)による活動発表会

2015年04月23日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所 瀬戸口です。


2月に現在実施中の母子保健プロジェクトの紹介をさせていただきました。
チサンバ郡総合的な農村母子保健を支える"地域力"強化事業 ~NHC編


今回も引き続き、NHC(住民保健委員会)の活動についてお伝えしたいと思います

上の記事でご紹介させていただいたように、地域で様々な活動を行っているNHC(住民保健委員会)
モンボシ地域には10のNHCが存在しますが、他のNHCがどのような活動を実施しているのかを知る機会はあまりありません。

地域を管轄するヘルスポスト(診療所)に、月1回集まって、活動報告や情報交換を行ってはいますが、
その報告に来るのはNHCの中でも限られた1~3名程度のメンバーです。

モンボシの各NHCには少なくても6名、多ければ15人が所属しており、
地域での活動を実施しています。

私たちTICOスタッフは、いつも役得で、すべてのNHCの活動内容や進捗状況を把握していますし、
このNHCはここが得意だな、とか、ここはもっとがんばらないと、とか
このNHCのやり方を他のNHCに教えてあげたら、もっとよくなるのにな、とか色々思うことが出来ます。

それはいろんなNHCを見ているから思えることです。


そこから、
他のNHCやヘルスポスト(診療所)のスタッフ、郡保健局のスタッフに
自分たちの活動を発表する機会があってもいいんじゃないか、
それが、彼らの自信や新たな学びにつながるのではないか、
そして何か困ってる課題があれば、みんなで話し合っちゃえばいいんじゃね?

と言うことで、実施しました「活動発表会」!!


当日は朝から雨が降るあいにくの天気でしたが、
総勢90名近くが集まりました。

近所の学校の教室を借りたのですが、正直、こんなに集まると期待しておらず、
大の大人が教室にぎゅうぎゅう詰めになってしまいました・・・。
(遠方に住んでいるメンバーは本当に遠~~~いところから来るのです)

初めて他のNHCの人たちと顔を合わせる人たちも多かったはずです


発表会ではNHCごとに、
自分たちが実施してきた活動内容
得られた成果
直面した課題などを
発表してもらいました。



会場からもいろいろと質問やコメントが飛び出し、
TICOからはNHC毎に、よかった点と改善が必要な点を
ヘルスポストスタッフからは激励やよりよい活動のためのアドバイスがありました。



他のNHCの活動内容を聞いたことは、とても刺激になったようです

さっそく、発表会で受けた改善策を実行しているNHCもあると聞いており、
とても頼もしい限りです。


これからも同じ地域で活躍するNHC同士、
横の連帯感と適度なライバル意識を持って、
互いに切磋琢磨できるようになると最高だな~と思っています。


文責:ザンビア事務所(瀬戸口)