TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

コミュニティーによるコミュニティーのための

2010年07月28日 | TICO ザンビア
さて、PHCのプロジェクトがいったん終了し、
報告等のプロジェクトに関わる書類作業も一段落をいたしましたが、
現在のモンボシはどうなっているのでしょうか?

プロジェクトという「枠組み」は、いったん終了を迎えたものの、
モンボシのコミュニティー自身は、もちろん活動を一瞬たりともやめてはおりません。
生活の一部として、今まで以上に熱心に活動を推進してくれております。

人口が19,000人もいるモンボシ地区。
ヘルスポストでは、ボランティアのCHWさん達ががんばってくれているとはいえ、
資格のある看護士が1人で活動するには、あまりにも負担が大きいのが現状です。

増員の可能性に関して郡保健局と協議をしてみるものの、
「派遣したくても、その看護士の住む場所がなければ派遣できない」の一点張り。
CHWさん達とムクンバ看護士とTICOで、今後の活動を進めてゆくにあたり、
一番の懸念事項はムクンバさん自身の健康です。
仕事に熱心なムクンバさんなだけに、このままではたった一人の看護士さんさえ
過労で倒れてしまいかねません!

そこでTICOとCHWの呼びかけに応じて  コミュニティーの人たちが、
「自分達の地域に看護士さんが増員されるのであれば!」と
増員看護士用の宿舎建設のためのブリックや労働力を、
各村から提供してくれることに賛同してくれました。 


乾季に入ったら、すぐに焼き始める!といっていたブリック。
昨日、日本での報告などを終えて、久しぶりにいってきたモンボシの
ヘルスポストの裏手には、まさに山となったブリックが!!!

CHWさんの一人が中心になり、毎日各村からボランティアが集まり、
泥を掘ってはブリック型にいれ、乾燥させ、さらにそれを焼いてゆくという
大変な作業を、皆さん、本当に熱心にやってくださっています。
さらには、焼き場を作るための草刈や地ならしまで。


まさにコミュニティーによるコミュニティーのための活動です!
本当にモンボシの人たちと一緒に仕事をしていてよかったなぁ、と感じる瞬間でした。

病院前外傷ケア研修 in ポチェントン病院

2010年07月15日 | TICO カンボジア
 先日、ポチェントン病院にてPTEC(Pre-hospital Trauma Evaluation and Care: 病院前外傷ケア)研修を開催しましたので、その様子をお知らせ致します。ちなみに病院前外傷ケア研修とは、交通事故やその他の事故により受傷した傷病者を発見(救急通報)から病院到着までいかに安全かつ迅速に搬送するか、その一連の流れを学ぶことを意図した研修です。
 
 今回の研修には、プノンペン市内からポチェントン病院(2隊参加)、市民病院、市保健局の3救急隊から12名の参加者を募り合同で研修を実施致しました。研修の参加者としては、救急車にて傷病者(患者)搬送業務を行う救急隊メンバーを対象として実施いたしました。これまでに行ってきた研修の総まとめのような内容で、断片的だった知識や技術を病院前外傷ケアの一連の流れとして理解してもらうことが主な目的です。また、今回の研修ではこれまで指導される立場であることが多かったTOT(Training of Trainer:トレーナー研修の研修生)を指導者として迎え、研修の指導にあたる機会とすることを併せて考慮致しました。

 研修は渡部医師の講義から始まり、TICOカンボジア事務所スタッフによるデモンストレーションとその解説を行い、その後は二つのブースに分かれて、状況評価、初期評価、全身観察、車内活動、ネックカラーのつけ方、ヘルメットの安全な脱がし方、脊椎管理、救急ケアと多種多様な内容を学んで頂きました。また、日本から田渕医師も応援にかけつけて下さり研修をサポートしてくださいました。

渡部医師の講義の様子


田渕医師の迫真の演技と指導!!

 今回の研修では、病院前外傷ケアの一連の流れを理解してもらうため、交通外傷症例に対するケアのデモンストレーションを二度行い、一度目は解説なしで、二度目は適宜解説加えながら見ていただきました。

デモンストレーションの様子

 研修では様々な内容を学んでもらいましたが、各救急隊ともに熱心に参加し、実践練習の場面ではお互いに意見を出し合い疑問点を解決しようとしているのが印象的でした。あまりに議論が白熱するため、研修時間を調整しなければならないこちらとしましては冷や汗をかくこともしばしばでした。。。

ネックカラーの固定方法を学ぶ


穿通性異物の固定方法を学ぶ


クモイ診療所のTOTクリー医師の講義を熱心に聴く参加者

 また、香川県のJICA事業(カンボジア医療人材育成プログラム)で日本に招聘されたチーチャンナリット医師、サター医師も指導者として参加し大活躍してくれました。

※参考 香川らしい国際協力プロジェクト「カンボジア医療人材育成プログラム」
http://www.jica.go.jp/partner/kusanone/chiiki/cam_02.html


チーチャンナリット医師、サター医師も大活躍!!

 今回の研修の締めは各救急隊の模擬診療実践テストです。たくさんの評価者に囲まれて非常に緊張したことと思いますが、完璧とは言えないまでも今回学んだ内容を十分に取り入れた模擬診療を行ってくれました。

模擬診療テストを受けるポチェントン救急隊


熱心に評価を行うカンボジア人指導者の様子

 模擬診療後には各救急隊へのフィードバックが行われましたが、良いところは十分に褒め、改善が必要な点はしっかりと指摘するという理想的な指導が、カンボジア人指導者からも行われ大変感激致しました。これまでの研修を通じてTOTは十分に育ってきており、カンボジア人によるカンボジア人のための指導が行える状況が現実味を帯びてきたと感じることができました。

模擬診療テスト後のフィードバックの様子
 
 また、プノンペン市内の3つ救急隊を一堂に集めて研修を行ったことは情報交換の機会を提供し、お互いの良い刺激になったのではないかと思います。今回学んだ内容がすぐに実際の実務の流れとして取りこまれることは難しいことかもしれませんが、病院前外傷ケアの標準化は救急外傷診療の知識・技術のボトムアップを図る上で非常に重要なことであると考えますので、カンボジア人指導者を中心にした研修が自立的に開催されること目標とし今後も関わっていきたいと考えます。

 先日、他の病院の救急隊が交通事故の患者さんを事故現場から病院へと搬送している場面に遭遇しました。ですが、案の定、患者さんを単にストレッチャーに乗せて病院まで搬送するというだけのものでした。(救急車内の処置は見ることができませんでしたのでその実態はわかりません。)

 必要な観察と処置が行える救急隊がこのプノンペン市、そしてカンボジア全土に根付くことを切に祈ります。

文責:TICOカンボジア事務所インターン 田中準一

森山小学校の皆さんへ、ありがとう!

2010年07月10日 | TICO ザンビア
 ご無沙汰しております、ザンビア黒田です。    

 先日森山小学校の生徒さん達が頑張って空き缶回収をして募った2万円を寄付して下さいました。今回はその寄付金で黒板を作成し、チボンボ郡モンボシ地区のコミュニティースクール9校へ贈呈させていただきましたことをご報告致します。  

 ザンビアでは政府の運営する公立の教育機関だけでは教育の需要に対応できないため、地域住民によって設立されたコミュニティースクールと呼ばれる非公式な学校が多数存在しています。このような学校には政府の予算の割り当てや支援が無いため、彼らは学校運営のための資金、資材不足に慢性的に悩まされています。TICOが活動するモンボシ地区には、十分な数の教室が無い学校もあり、中には屋外での授業を余儀なくされている学校もあります。そのような状況を踏まえ、また生徒全員に公平に利益がもたらされるようにとの考えから、2万円(1,000,000クワチャ)を可動式の黒板15枚の制作費として使用させていただき、9校へ贈呈させていただきました。    

 森山小学校の皆さんからのご支援に、コミュニティースクールの先生や生徒の皆さんも大変感謝しております。彼らからのお礼のメッセージや黒板が実際に授業で使用されている様子をご紹介させていただきます。慣れないビデオレターに皆さん若干緊張されているようですが(笑)

 

 森山小学校の皆さん、温かいご支援を誠に有り難うございました!  

文責:黒田