TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

鳴門教育大学で「チャレンジアフリカ」

2010年11月29日 | 地球市民教育
11月25日(金)、事務局の先輩スタッフ2名のお伴をすべく、鳴門教育大学に行ってきました

講義に参加した学生さんたちに混じって、カードゲーム「チャレンジアフリカ」(TICOオリジナル教材)を初体験。
ゲームでは、自分が生まれる家庭環境のカードから始まり、成人までの成長が順次カードを引くことで決まっていきます。

アフリカで生まれた私たち(ゲーム参加者)には、病気や事故、家庭のトラブルなど、様々な出来事が降りかかりました。
他の参加者もカードを引くたびに声を上げ、カードの内容に一喜一憂。
幼い私にも病気で命を落とす危機が!!

・・しぶとい私はなんとか生き延びることができましたが、中には不幸にして亡くなってしまう場合も。

途中参加者からは様々な質問が飛び出し、事務局の先輩スタッフ2名がそれに答えていきます。
その答えを受け、参加者はアフリカの現状に想像をめぐらせ、またそのような状況が起こるのは一体「なぜ」なのかを、真剣に考えている様子でした。

また、一緒にゲームに参加してくださったある教授からは、ゲームで体験するアフリカの状況が40~50年前の日本と非常に似ている、というお話を伺いました。
その方がゲームの合間に語ってくださった当時の日本の状況は、まさに今のアフリカ
実体験に基づいたその話はリアリティにあふれていて、こんな時代が日本にあったのか!と、私自身驚きました。
その方のお話は、私だけでなく参加者全員にとって、とても勉強になったのではないかと思います。
機会があれば、もっとお話を聞いてみたいと思いました。

カードに書かれている内容は、いまの日本人には想像するのが難しいかもしれません。
しかしこれらの出来事は、アフリカの驚くほど多くの場所で、まるで日常茶飯事のことのように起こっていることなのです。
事実、私がタンザニアに滞在しているときにも、カードに書かれたような状況にたくさん出会いました。
出会い過ぎて、悲しいかな、それが普通になってしまうほどです。

「チャレンジアフリカ」で改めてアフリカの現状の「なぜ」を考えるとともに、タンザニア滞在中に出会った大好きな人々を思い出し、頑張ろう!と思った私でした

参加していただいた鳴門教育大学のみなさま、どうもありがとうございました

文責:事務局(滝川)

警察を対象にワークショップを開催

2010年11月18日 | TICO カンボジア
サムロンクロン地域の警察を対象にファーストエイドに関するワークショップ
を開催しました

事故現場に必ず駆けつけるのは警察。
そして、警察は路上で取り締まりをしているため、ファーストレスポンダーに
なる可能性が高いと思われます。

そして、住民の方から色々話を聞くと、警察と私立病院の救急車はつながりが
あるとの話があったため、警察を巻きこむことは必要不可欠だと判断しました。

とある住民の方は、「事故にあった時、TICOから教えてもらったポチェントン
病院の救急車を呼ぼうとしたんだよ。そしたら、警察が別の私立病院の救急車を
呼んじゃって・・・。」とおっしゃっていました。

そこで開催したのが、今回の警察対象のワークショップ。
VIPの警護があるとのことで、参加者が少ないコミューン(行政村)もありましたが、
合計16名の方に参加頂きました。

警察の方なので、交通事故に対応することが多い事を想定し、下記の内容を
中心としました。

・応急処置とは何か、・救急車の要請方法、・CPR(心肺蘇生法)、・搬送法、
・止血や骨折、窒息への対処方法等

次回はクモイ地域の警察を対象としたワークショップを開催する予定です


▲窒息時の対応について学ぶ警察


▲胸骨圧迫に挑戦する警察(左)、アドバイスをする田中看護師(右)


文責:TICOカンボジア事務所(大坪)

ゆず狩り2010@木屋平

2010年11月16日 | イベント参加
11月14日

毎年恒例!!のゆず狩りです。

今年TICOへの事前参加の連絡が30名を超え、うれしいやら驚くやら。
その一方で去年が豊作だったので、
今年は裏作ではないかという予想がまことしやかに流れており、
せっかく来ていただいた方のやる気を損ねやしないか心配していました。

当日は曇り空。
ユズの出来はどうかな、と見てみると、小ぶりながらなかなかの数。



まずは手が届く範囲のユズを、剪定バサミで収穫します。


その後、手の届かない高いところにあるユズや、
枝が茂っていて取りにくいところのユズを高枝ばさみで収穫していきました。

ゆずの棘に悩まされながら、ひたすら収穫を続けます
もちろん、おまんじゅう休憩、カレー休憩(お昼)、おしるこ休憩をはさみながら。
このおまんじゅう(手作り)、わらびの会のメンバーのお母さんが
いつも差し入れてくださるのですが、最高においしいのです!

今回は人数が多かったのと、量がさほどなかった(といってもコンテナ約100杯分!)からか、
午後3時にはほぼ取り終えることができました。


当日お手伝いいただいた方も、とても楽しんでいただけたようです。
わらびの会のみなさんにはお世話になりっぱなしでした。
これからもよろしくお願いします!
※わらびの会についてもっと知りたい方はFace to Face23号”支援のカタチ”をご覧下さい!

来年も手入れから励みたいと思います。
随時メールやHPでお知らせするので、ご都合のつく方はお気軽にご参加ください!

文責:事務局(瀬戸口)

地球人カレッジ 11月

2010年11月15日 | 地球人カレッジ
*と き:11月13日(土)19:00~21:00   
*参加人数:26名(ネット中継での参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:饗場 和彦さん(徳島大学総合科学部教授)
*テーマ:ニュージーランドはなぜ良い国か~翻って日本社会は~

ニュージーランドに短期滞在(3ヶ月)してみて分かった良さ
自然、歴史、社会の仕組み、国民性、生活などの魅力を紹介していただいた後、
そこから見えてくる日本社会の問題についてお話しいただきました。


「今日の講演の6割はニュージーランド観光案内です」と口火を切られた饗場先生。
現地で実際に撮られた写真を交えて、自然・文化の魅力について言及されました。

印象に残ったのは、
人口の15%を占めるマオリの人のための専門テレビ番組があること(もちろんマオリ語)や
都市部でも川や公園をコンクリートで固めず緑豊かであること、です。

政治については、政権交替が定着していること、
反核政策を取り、原発を否定したり、アメリカとの同盟を破棄するなど独自の政策を取っていること
をお話しされました。



また、滞在先のクライストチャーチ市(人口30万)は、
徳島市と同規模の都市で鉄道が発達していないため、バスを徹底的に活用できるような交通網を整備し、
1日2回(通勤・通学)使うと3回目以降は無料になり、
平日で10回分(5日間×2回)使うと休日は乗り放題というシステムを運用しています。
そのおかげでバスの利用客が増え、いろんなところにバスで行けるようになったことで、
饗場先生のような短期滞在者を始め車がない人でも一切不便を感じないようになっているそうです。
これは、徳島のような地方都市でも検討する価値があるように思いました。


続いて、後半はニュージーランドから日本社会を見たときわき上がってくる疑問について、です。
その疑問というのは、「なぜNZの人はあれだけしか働かないのに、こんなに生活レベルが良いのか」ということ。

これは、この国に滞在する日本人なら必ず抱く疑問だそうで、
きっちり定時にあがって、6時から家族で食事、土日は完全オフ、
日本のように色々な産業があるわけでもないのに、生活水準は先進国並み
なので、何か秘訣でもあるのか、と思ってしまうほどなんだそうです。

しかし、疑問を裏返すと「なぜ日本人はあんなに働くのに、この程度の生活なのか」
つまりNZが秘訣を持っているのではなく、日本が問題を抱えている、ということになるのではないか、
と饗場先生は言います。
実際、2008年の調査では、労働時間は先進国では最長の基準である一方、
労働者が生み出す付加価値を示す「労働生産性」は最低クラスという結果が出ています。

そこで極端に生活レベルが下がらないのであれば、必要な仕事だけして、後は余暇を楽しむという選択肢もありではないか、とおっしゃっておられました。
日本人は「勤勉」と言われるが、無駄な仕事まで「勤勉」にしているのではないか?という耳の痛いお話でした。

※講演を視聴する※

文責:事務局(瀬戸口)

ワークショップ終了時調査を終えて

2010年11月12日 | TICO カンボジア
これまで、地域ボランティアさんの育成や地域住民のみなさんを
対象にファーストエイドに関するワークショップを実施してきました。

今年の12月をもってJICA草の根パートナーシップ事業が終了するため、
住民のみなさんの間にファーストエイドに関する知識がどれくらい普及
しているのかを測り、これまでの活動を検証することを目的として
終了時調査を実施しました

各世帯を回って聞き取りをしていると、住民の方の意見を直接聞くことが
できたため、これまで知りえなかった情報も聞くことができて大変参考に
なりました。

私たちが対象としている地域は、本当に地区毎にそれぞれ全く異なる背景を
もっています。
スラム地区や古くから存在しており、現在も住民同士のつながりが強い地域、
最近できた地域等さまざまです。
スラム地区はさまざまなNGOの支援が入り、病院・診療所の費用が無料に
なる等の支援を受けていますが、スラム地区ではなくとも、本当に貧しくて
病院に行けないという方々もいらっしゃいます。
しかし、支援はどうしてもスラム地区に集中しがちなのです。

先日、調査で村を訪れた際に、貧しくて病院に行けなかったために、手が
壊死していくのを寝て我慢されていた方に出会いました。自分の身体が
腐っていくのに為すすべもなく、さぞや不安で怖かったことだと思います・・・。
近所の方は心配して、その家庭の子どもの世話等のサポートをしていましたが、
費用がかかるため病院に連れていくことができなかったそうです。
本当に貧しい場合は村長からの証明があれば、公立の病院・診療所の
診療費が無料になります。

しかし、中々機能していないのが現状なのです。

たとえ治療費が無料になったとしても、カンボジアでは、入院した際に
患者さんの世話をするのは、看護師ではなく患者さんの家族であるため、
「誰が患者さんの世話をするのか」、「食事代はどうするのか」等の問題が
でてきます。

また、とあるNGOの支援により、病院・診療所の費用が無料になる支援を
受けているにもかかわらず、使い方が分からなかったために病院に行くのを
数年間も我慢していた方もいました。
「開発援助がどうあるべきか」ということについて本当に考えさせられました。

今後、調査時での聞き取りで得た情報やアンケート調査の結果を分析し、
事業終了までのフォローアップをどうするか、事業終了後にどのような
サポートが必要なのか検討したいと思います。



▲村での調査の様子(右側:ナショナルスタッフ ライ)

文責:TICOカンボジア事務所(大坪)