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ディップタンク、遂に完成!?

2015年12月23日 | TICO ザンビア

ザンビア事務所の柳下です

 

2013年にスタートした家畜用薬浴槽(ディップタンク)建設プロジェクト in ンプンドゥ村

2年の時を経て、ようやく建物の工事が終わりを迎えようとしています

ディップタンクの説明は、こちらから♪→家畜薬浴槽

 

ンプンドゥ村ディップタンクの建設には、村人からなるBuilding committee(建設委員会)が村の代表となり、今まで活動してきました。

私が着任した頃は、リーダーが誰なのかもわからず、どこまでが委員会メンバーなのかもわかりませんでした(笑)

 

と言いますのも、ンプンドゥ村という村全体のプロジェクトなので、正直誰が来てもオッケーなんですね。

むしろ、突然やってきたおじちゃんの方が委員会メンバーよりもよくしゃべってきたりw

 

そんな感じで和気あいあいとやっているディップタンクのメンバー

 

少しずつ、少しずつ。

一歩ずつ、一歩ずつ。

 

みんなで話し合って、頭を悩ませながら、ゴールに向かって力を合わせてきました。

 

私が初めて訪問した4月。

建物周囲には草がボーボーに生え、ディップタンクの屋根を支える支柱には沢山のシロアリの巣がありました。。

 

このプロジェクトに支援をしてくださった方々のことを思い、複雑な心境の中、いつも連絡係をしてくれているエーブルさんにいつもより真剣な口調でその事実を話しました。

 

 

 そして翌月。

シロアリの巣はすべて掃除され、周囲の草もきれいに刈られていました。

この二枚の写真の違い!後から見ても感動します。

 

  

壁を作る作業、壁を作るレンガ運び。レンガ作り。

全て、一つ一つが村の人の手作業です。

 

写真上方、74歳のガホバさん、村で一番の大工さんです。

彼無しに、このプロジェクトは進みませんでした(写真は7月)。

8月、大工さんのおかげで見違えるようにきれいになったディップタンク。

気づくと、ディップタンクの横に小さなタンクもできていました。

村人のアイディアで、水が足りなくなった時にすぐに足せるようにと作られたそうです。実はこのタンク、屋根より少し外にはみ出しているので、雨が降ったときに屋根から水が落ちるようになっています(それを意図して作られたかどうかは別にしてw)。

ディップタンクとこの小タンクはつながっています。直径3cm程の穴をふさぐ栓(ただの木片ですが)を抜くことで水が流れこむ仕組みになっています。

 

  

ミーティング中の一場面。たまにはリフレッシュのために、地図を作るゲームなどもしました♪

みんな必死です!!(なぜなら、次のミーティング時にどちらかのチームだけが飲み物をゲットできるという設定だったからw)

雨季チームと乾季チームに7名ずつに分かれてもらい、雨季に人が通れる道を描いた地図と乾季に人が通る道を描いた地図を作ってもらいました!

(勝ったのは左手の写真に映っている雨季チーム

 

 

そしてそして、先日12月17日!

ディップタンク運営を目前に控え、委員会メンバー(幹部のみ)が研修に参加しました

この研修は、ディップタンクの運営方法や牛の病気、ディップタンクの必要性などを学ぶもので、ディップタンクを使用する前に必ず受けなくてはいけません。

(講師は写真下方に居る方です)

 

 

しかし・・・・写真ではわかりませんが、実はこの日、なんと大雨・大風

気温は20度を下回り、身震いしながらの研修となってしまいました。。。

その上この建物は、もちろん学校のように壁があるわけではありません。

雨も風も、勢いよく吹き込んできました

 

そんな環境にも関わらず、講師も受講生も真剣な眼差し。

学習後にメンバーに感想を聞くと、

「とても学びになった。牛は僕らの財産だから、このタンクをいつまでも現状維持するためにがんばるよ」

と言ってくれました

 

完全に工事が終わったら、村の集会を開き、その次はいよいよ運営スタートです

ザンビアは雨季に入り、農民が最も忙しい時期に入ってしまいましたが、遅くても3月にはこのディップタンクに牛がどんどんと飛び込む様子をお届けできればと思っています!

 

村人にとって牛は、食糧を確保するための労働力です。

彼らの生活を潤してくれる牛たちを病気から守ることで、村人の生活も守られます。

 

最後に、研修の際に聞いた農業局長のスピーチを皆さまにお届けして、今回の記事を閉めたいと思います。

 

「ここに集まった幹部のメンバーは、委員会の幹部だが、幹部というのはただの役割であり、権力は存在しないことを忘れないように。全ての話し合いは、常に5人全員が集まった時にしなさい。会計担当者だけが、村人から預かったお金を借りたり、ということは絶対にあってはいけない。しかし、この5人で話しあって決めたことだったら問題ないだろう。どうか、透明性を意識して、この村のために働いて欲しい。そして、このディップタンクは、日本の支援者個人個人がお金を出していることを忘れないで欲しい。ディップタンクは、トンガ族にとっては本当に貴重なものだ。数十年どころではなく、数世紀に渡って、このディップタンクを守ってほしい。どうか、このディップタンクを自分の子どもだと思い、大事にするように。」―チサンバ郡農業局長 マリパ氏

 

 


さて、今年も残りわずかとなりました

ザンビア事務所は、今年一年、支援者のみなさまに支えられ、様々な事業に取り組むことができました。大変お世話になりました。

ザンビア事務所を代表しまして、みなさまに、心より御礼申し上げます。

2016年も引き続き、ザンビアの人々の福祉・生活向上に貢献できるよう精一杯がんばってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします

 

文責:柳下(ザンビア事務所)