TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

地球人カレッジ 3月 第2弾!

2012年03月30日 | 地球人カレッジ
*とき:3月20日(火・祝)15時~17時
*参加人数:21人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:櫻井睦子(TICOザンビア事務所長)、伏見繭子(TICO国内事務局員)
*テーマ:地域医療の新しい可能性 ~徳島県で国際協力と地域医療を両立する~

みなさんこんにちは、国内事務局の伏見です

TICOでは、地域医療の充実化に取り組んでいる徳島県より委託事業を受け、
国際協力を志す医師が徳島県に集まる仕組みを構築すべく、昨年8月から
調査を開始しこの3月で事業を終了しました。

なぜ「保健・医療分野における国際協力を志す医師を集める」ことが
「地域医療の充実化」につながるのか?


と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います

全国的な問題となっている医師不足ですが、徳島県もその例外ではありません
そしてその一方、近年では国際保健に関心を持つ若手医師や医学生が増えていますが、
経済的・時間的なハードルがあってなかなか携わることができないという状況があります。

国際保健協力と地域医療を組み合わせる意義は、医師不足解消だけではなく、
ヒト・モノ・カネ等のすべての資源が不足している途上国という場所において
活動に取り組むことで、地域医療や命の原点を学べることです。

医療の高度化・専門化が進んだ日本では、人全体ではなく臓器や病気を診る、
といった医療が見られるようになり、それが批判されるようになってきました。
そんな中、まったく環境の異なる途上国での経験は、若い医師が日本を客観的に
見つめ、「なぜ自分は医師になったのか」を問い直す貴重な機会となるのではないでしょうか。


(報告会の様子)

事業報告会の後には、実際に国際保健と地域医療を両立している医師の方と、
国際保健活動に取り組む徳島大学の医学生の方をお招きして、国際保健と地域医療の
共通点や制度作りに向けての課題をお話していただきました

現代の効率化を追い求めた医療システムは、車の修理工場のようにそれぞれの
スペシャリストが各部分を治す、というようになっていて、このようなシステムの中では
へき地医療や高齢者医療は取り残されてしまいがちなこと。


(国際協力と地域医療に長年取り組んでおられる井下俊医師)

学生として国際保健を学ぶ中で、地域医療について関心を持つようになり、日本も含めた
「世界の命」のために医師として働きたいと思うようになったが、国内外の勤務の両立が
難しいこと。


(国際保健を学ばれている医学生、小淵香織さん)

そして、講師の方々の発表を受けて、参加者の方々からもたくさんの意見が出されました。

本事業はこの3月で終了となりますが、取組みとしてはまだ始まったばかりです。国内研修の
充実や海外研修に行くための条件整備など、まだまだ課題は残されています。さらに、全国から
人材を集めるには、行政からのサポートが必要不可欠です。徳島県の取り組みとして、いつか
こういったプログラムが実現されることを期待したいです

最後に、事業を終えて思ったことなどを少しお伝えしたいと思います。

私は本事業を担当させていただきましたが、医療者ではありません。
そんな自分がなぜこの事業に魅力を感じたかというと、日本を出てまったく違う環境に
身を置くことで多くのことを学ぶことができた、という自分自身の経験があったからです。
「命」をあずかる医師という社会的立場の人がそういった経験をすることは、社会全体の
財産となるのではないでしょうか。この思いは調査を終えた今でも変わりません。

また、調査を進めていく中で、医療を「当たり前」のものと考えている自分にも気づかされました。
「コンビニ受診」という言葉も存在する今の日本…住民自身が「医療」や「自分たちの健康」に
ついて考え直すべきなのではないだろうか?と強く思いました。
本事業は自分にとっても今一度「医療の在り方」について考える貴重な機会となりました。

動画はこちら↓から
報告会 意見交換会

次回の地球人カレッジは…
4月22日(日)9時~12時
グローバル・エコビレッジ・ネットワーク
オセアニア&アジア理事 佐野淳也さんによる「世界と日本のエコビレッジ
~人と地球、ともにハッピーになれる暮らし方~」


文責:事務局(伏見)




カッパ

2012年03月29日 | 未分類
ここ最近随分と徳島も暖かくなりました

すっかり春の陽気になったのですが、
ちっともポポちゃんのことを考えていなかったことに気付き、
今日、様子を伺いに行ってみると・・・

???

カッパの皿程度にしか葉っぱがなく、みすぼらしい姿になっているではありませんか


▲クリックすると拡大して見れます。

以前の葉っぱがみなぎるかわいいポポちゃんはこちら

でも、ちゃんと新芽が元気に出ていたので、
これからもすくすくと育ってくれるはずです

そろそろお外に出してあげないとなぁ

文責:事務局(庄田)

3月10日salad合宿 in 高知

2012年03月28日 | イベント参加
みなさんこんにちは、事務局の伏見です

3月10日に、高知で行われたsalad合宿に参加しました
この合宿は、四国青年NGO HOPEという団体が主催しています。HOPEさんは、多くの社会問題解決のために四国の青年活動の活性化、そして四国内だけでなく全国の青年活動団体とネットワーク構築を図っている団体です。
この合宿の名前がsaladというのが気になって、団体の方にお聞きしたところ、サラダボールのサラダに由来するそうですこの合宿で様々な価値観にふれ、違いを理解して受け入れるようになってほしい、という願いが託されています会場は国立諸戸青少年自然の家。山の上にある、とても自然豊かな場所でした

この合宿では、昨年までTICOザンビア事務所長を務めていた吉田純を講師としてお招きいただきました。


(前ザンビア事務所代表 吉田純)

タイトルは「CHANCE~一期一会~」自分の人生や「国際」ということについて考えるきっかけを得ることが目的です。ここでのテーマはずばり「『国際』とは何か?」でした。


(スライド)

「国際」と聞くと、なんだか自分からはとても遠い存在のように感じてしまう人も少なくないかもしれません。けれど、世界は今までになく密接につながっており、この世界に生きているということだけで既に自分たちは「国際」につながっているのです。普段の生活ではなかなか気づきにくいことかもしれません。

講義の中盤では、前ザンビア事務所代表の吉田自身がどのような業務にこれまで携わり、その中でどんなことを感じてきたかについて主に発表しました。そこで述べられたことの一つ目が、「What」ではなく「Why」を考えることでした。つまり、「何をすべきか」ではなく、「どうしてそれをすべきなのか」を自分の頭で考えることの大切さです。そして、もう一つは、「自分が楽しんでいるか」ということです。「国際協力」とは「何かをしてあげる」ものだという認識が少なからずありますが、国際協力は自分自身の学びの場であり、自らも楽しみながら責任をもって行うものです。


(最後に集合写真を撮った時の様子)

講義の終盤の質問タイムでも、これからの進路について考えている学生の方々からたくさんの質問が挙げられました活発な雰囲気に私は終始圧倒されっぱなしでしたが、たくさんの刺激をいただきました学生のみなさん、これからもいろんなことに積極的にチャレンジしていって下さいね!ありがとうございました~


(とっても元気な学生のみなさん)

文責:事務局(伏見)

地球人カレッジ 3月 第1弾!

2012年03月27日 | 地球人カレッジ
*とき:3月18日(日)15時~17時
*参加人数:19人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:菅野芳春さん(協力隊OV有志による震災支援の会 代表)
*テーマ:震災支援 今私たちにできること ~宮城県石巻市、震災支援活動の現場から~

東日本大震災から1年近くが過ぎ、私たちの中から震災の記憶が徐々に薄れようとしています。
そこで、今回はもう一度震災について共に考える機会にしたいとの思いから、
宮城県は石巻市から菅野さんにお越しいただき、3月の地球人カレッジを実施しました。

菅野さんは大手機密機器メーカに従事し、2005年に現職参加で青年海外協力隊に参加。
ガーナ共和国に理数科教師として派遣され教鞭をとる傍ら、
村落支援活動や収入向上策などの自主活動を展開し、
日本人で初のサブチーフ(副村長さん)に任命された、バイタリティーにあふれた方です
帰国後もガーナの支援活動は継続しており、フェアトレード商品の販売にも携わっておられます。

サトウキビの栽培、収穫、加工を学ぶことで、ガーナの支援につなげたいという思いから
2010年には長年勤めた会社を辞め、沖縄の小浜島へ移住
サトウキビの収穫は1~3月。ちょうど収穫で大忙しの2011年3月、
菅野さんは東日本大震災のニュースを耳にすることになります。



いても立てっもいられず、駆けつけたい思いを押し殺して、収穫が終わる3月末まで踏ん張り、
協力隊のOB・OGの有志が活動する石巻市入りしたのは、震災から1週間ほどたった、3月20日でした。

石巻市の渡波(わたのは)小学校を拠点に、炊き出し、物資の輸送から始まり
泥出し、がれき撤去の他、保健衛生の改善やこどもたちのケア、
時が立つにつれ、寄席やコンサートなどの娯楽の提供やサマーキャンプの開催、
多岐に渡る活動を展開してきましたが、そのモットーは

自分たちができることは何でもやる!
その日にやるべきことはその日のうちにやる!


というもので、まさに途上国での活動と同じ、協力隊の経験が活かされたそうです。

避難所が閉所された後も菅野さんは一人残り、自立支援、復興支援活動を続けます。
震災後から7ヶ月間、ずっと炊き出しを手伝ってくださっていた渡波のお母さんたちと、
昨年の11月に宅配のお弁当屋さん「ワタママ食堂」をオープンしたのも、その活動のひとつ。



可愛いロゴは缶バッジやTシャツ、エコバックとして販売もしているようです。
商品はこちら。

支援を続ける中で菅野さんが特に気を使っていることがあります。それは
地元商店や被災者の自立の阻害
です。

現段階では「与えられる」支援ではなく、双方向で与え合う支援が必要だと菅野さんは感じています。
被災者のみなさんは、もうもらうだけの立場ではなく、生み出せる立場にあります。
自分たちで採った魚介類や手作りの品々を少しずつ販売し始めています。
そういったものを買い支えるのも支援のひとつの形なのだと思います。
また、商店が開店し始めている今、外からの支援が逆に商売の妨げになることもあってはならないこと。
あくまで被災者が主役で、支援者は脇役なのです。
これは、国際協力の支援も同じこと
ガーナと全く同じだ、と菅野さんもおっしゃっていました。

そして、まだまだやることはたくさんある、
自分のアイディア次第でなんでもできる
やりがいのある場がここにはある、とおっしゃっていたのが印象的で、
若いみなさんを中心に東北を支え、盛り上げていければ・・・と感じました。

今でも喪失感、無力感、やるせなさが残っている方も中にはおられます。
癒すことは到底できなくとも、寄り添うことはできると菅野さん。
双方向で互いに感謝し、笑顔になれる関係づくりが、今後の被災地を支え
復興、福興につながっていくのかもしれません。

今回ご参加いただけなかったみなさん、徳島からでも応援できます!
講演後の質疑応答も合わせて是非動画でご覧になって下さい

動画はこちらから。

3月の地球人カレッジは2本立て!第2弾の記事もお楽しみに

文責:事務局(庄田)

国際保健医療学会ユースフォーラム@高知(3月3日)

2012年03月23日 | イベント参加
こんにちはみなさん、事務局の伏見です

3月3日に、高知大学で行われた国際保健医療学会ユースフォーラムに
参加してきました
今回のフォーラムでは、「今、求められている国際保健とは~MDGsを問い直す~」というテーマで、
パネルディスカッションとグループワークが行われました。
パネリストには、ユニセフソマリア支援センターに勤務されている國井修氏
香川大学医学部公衆衛生学教室助教授の依田健志氏が、国際機関、学術界と
いった立場から参加されていました。


(左から2番目が依田健志氏、一番右が國井修氏)

そして、NGOの立場からのパネリストには、
昨年までTICOザンビア事務所長を務めていた吉田純が参加しました。



第1部では、国際機関・学術界・NGOという異なる立場から、MDGsについての意見が
交わされ、それぞれに問題点を抱えているからこそ、3者間の連携が必要とされて
いることなどが挙げられました。

第2部のグループワークでは、それぞれのグループで話し合い、パネリストの方々に
質問するという形式でした。「誰によってどのようにMDGsの方向性は決められているのか?」、
「本当にそれは人々のためになっているのか?」、「データはどのように収集されているのか?」
などなど、たくさんの質問が挙げられました

Jaih-sのイベントに参加させていただく度に、いつもJaih-sの学生の方々の熱意には
圧倒されますとても行動力があり、ネットワークを広げ、積極的に学ぼうとする姿勢が
伝わってきました今回もとても充実した時間となりました
またぜひ参加させていただきたいと思いますありがとうございました~

文責:事務局(伏見)