*とき:3月20日(火・祝)15時~17時
*参加人数:21人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:櫻井睦子(TICOザンビア事務所長)、伏見繭子(TICO国内事務局員)
*テーマ:地域医療の新しい可能性 ~徳島県で国際協力と地域医療を両立する~
みなさんこんにちは、国内事務局の伏見です
TICOでは、地域医療の充実化に取り組んでいる徳島県より委託事業を受け、
国際協力を志す医師が徳島県に集まる仕組みを構築すべく、昨年8月から
調査を開始しこの3月で事業を終了しました。
なぜ「保健・医療分野における国際協力を志す医師を集める」ことが
「地域医療の充実化」につながるのか?
と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います
全国的な問題となっている医師不足ですが、徳島県もその例外ではありません
そしてその一方、近年では国際保健に関心を持つ若手医師や医学生が増えていますが、
経済的・時間的なハードルがあってなかなか携わることができない
という状況があります。
国際保健協力と地域医療を組み合わせる意義は、医師不足解消だけではなく、
ヒト・モノ・カネ等のすべての資源が不足している途上国という場所において
活動に取り組むことで、地域医療や命の原点を学べることです。
医療の高度化・専門化が進んだ日本では、人全体ではなく臓器や病気を診る、
といった医療が見られるようになり、それが批判されるようになってきました。
そんな中、まったく環境の異なる途上国での経験は、若い医師が日本を客観的に
見つめ、「なぜ自分は医師になったのか」を問い直す貴重な機会となるのではないでしょうか。

(報告会の様子)
事業報告会の後には、実際に国際保健と地域医療を両立している医師の方と、
国際保健活動に取り組む徳島大学の医学生の方をお招きして、国際保健と地域医療の
共通点や制度作りに向けての課題をお話していただきました
現代の効率化を追い求めた医療システムは、車の修理工場のようにそれぞれの
スペシャリストが各部分を治す、というようになっていて、このようなシステムの中では
へき地医療や高齢者医療は取り残されてしまいがちなこと。

(国際協力と地域医療に長年取り組んでおられる井下俊医師)
学生として国際保健を学ぶ中で、地域医療について関心を持つようになり、日本も含めた
「世界の命」のために医師として働きたいと思うようになったが、国内外の勤務の両立が
難しいこと。

(国際保健を学ばれている医学生、小淵香織さん)
そして、講師の方々の発表を受けて、参加者の方々からもたくさんの意見が出されました。
本事業はこの3月で終了となりますが、取組みとしてはまだ始まったばかりです。国内研修の
充実や海外研修に行くための条件整備など、まだまだ課題は残されています。さらに、全国から
人材を集めるには、行政からのサポートが必要不可欠です。徳島県の取り組みとして、いつか
こういったプログラムが実現されることを期待したいです
最後に、事業を終えて思ったことなどを少しお伝えしたいと思います。
私は本事業を担当させていただきましたが、医療者ではありません。
そんな自分がなぜこの事業に魅力を感じたかというと、日本を出てまったく違う環境に
身を置くことで多くのことを学ぶことができた、という自分自身の経験があったからです。
「命」をあずかる医師という社会的立場の人がそういった経験をすることは、社会全体の
財産となるのではないでしょうか。この思いは調査を終えた今でも変わりません。
また、調査を進めていく中で、医療を「当たり前」のものと考えている自分にも気づかされました。
「コンビニ受診」という言葉も存在する今の日本…
住民自身が「医療」や「自分たちの健康」に
ついて考え直すべきなのではないだろうか?と強く思いました。
本事業は自分にとっても今一度「医療の在り方」について考える貴重な機会となりました。
動画はこちら↓から
報告会 意見交換会
次回の地球人カレッジは…
4月22日(日)9時~12時
グローバル・エコビレッジ・ネットワーク
オセアニア&アジア理事 佐野淳也さんによる「世界と日本のエコビレッジ
~人と地球、ともにハッピーになれる暮らし方~」
文責:事務局(伏見)
*参加人数:21人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:櫻井睦子(TICOザンビア事務所長)、伏見繭子(TICO国内事務局員)
*テーマ:地域医療の新しい可能性 ~徳島県で国際協力と地域医療を両立する~
みなさんこんにちは、国内事務局の伏見です

TICOでは、地域医療の充実化に取り組んでいる徳島県より委託事業を受け、
国際協力を志す医師が徳島県に集まる仕組みを構築すべく、昨年8月から
調査を開始しこの3月で事業を終了しました。
なぜ「保健・医療分野における国際協力を志す医師を集める」ことが
「地域医療の充実化」につながるのか?
と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います

全国的な問題となっている医師不足ですが、徳島県もその例外ではありません

そしてその一方、近年では国際保健に関心を持つ若手医師や医学生が増えていますが、
経済的・時間的なハードルがあってなかなか携わることができない

国際保健協力と地域医療を組み合わせる意義は、医師不足解消だけではなく、
ヒト・モノ・カネ等のすべての資源が不足している途上国という場所において
活動に取り組むことで、地域医療や命の原点を学べることです。
医療の高度化・専門化が進んだ日本では、人全体ではなく臓器や病気を診る、
といった医療が見られるようになり、それが批判されるようになってきました。
そんな中、まったく環境の異なる途上国での経験は、若い医師が日本を客観的に
見つめ、「なぜ自分は医師になったのか」を問い直す貴重な機会となるのではないでしょうか。

(報告会の様子)
事業報告会の後には、実際に国際保健と地域医療を両立している医師の方と、
国際保健活動に取り組む徳島大学の医学生の方をお招きして、国際保健と地域医療の
共通点や制度作りに向けての課題をお話していただきました

現代の効率化を追い求めた医療システムは、車の修理工場のようにそれぞれの
スペシャリストが各部分を治す、というようになっていて、このようなシステムの中では
へき地医療や高齢者医療は取り残されてしまいがちなこと。

(国際協力と地域医療に長年取り組んでおられる井下俊医師)
学生として国際保健を学ぶ中で、地域医療について関心を持つようになり、日本も含めた
「世界の命」のために医師として働きたいと思うようになったが、国内外の勤務の両立が
難しいこと。

(国際保健を学ばれている医学生、小淵香織さん)
そして、講師の方々の発表を受けて、参加者の方々からもたくさんの意見が出されました。
本事業はこの3月で終了となりますが、取組みとしてはまだ始まったばかりです。国内研修の
充実や海外研修に行くための条件整備など、まだまだ課題は残されています。さらに、全国から
人材を集めるには、行政からのサポートが必要不可欠です。徳島県の取り組みとして、いつか
こういったプログラムが実現されることを期待したいです

最後に、事業を終えて思ったことなどを少しお伝えしたいと思います。
私は本事業を担当させていただきましたが、医療者ではありません。
そんな自分がなぜこの事業に魅力を感じたかというと、日本を出てまったく違う環境に
身を置くことで多くのことを学ぶことができた、という自分自身の経験があったからです。
「命」をあずかる医師という社会的立場の人がそういった経験をすることは、社会全体の
財産となるのではないでしょうか。この思いは調査を終えた今でも変わりません。
また、調査を進めていく中で、医療を「当たり前」のものと考えている自分にも気づかされました。
「コンビニ受診」という言葉も存在する今の日本…

ついて考え直すべきなのではないだろうか?と強く思いました。
本事業は自分にとっても今一度「医療の在り方」について考える貴重な機会となりました。
動画はこちら↓から
報告会 意見交換会
次回の地球人カレッジは…
4月22日(日)9時~12時
グローバル・エコビレッジ・ネットワーク
オセアニア&アジア理事 佐野淳也さんによる「世界と日本のエコビレッジ
~人と地球、ともにハッピーになれる暮らし方~」
文責:事務局(伏見)