TICOブログ

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ザンビア/ルサカで一番盛り上がるお祭り?!

2012年08月28日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

日本は残暑厳しい折でしょうか。
こちらは寒さが少しずつ和らぎ始めています。

さて、ザンビアの数少ない国民の休日の一つにファーマーズデイ(農民の日、今年は8月6日(月))
というのがあるのですが、毎年その頃になると首都のルサカで開かれるお祭りがあります。

その名もアグリカルチャー&コマーシャルショー。
直訳すると「農業および商業展示会」となり、ザンビアではおなじみのイベントです。
ショーを「展示会」と訳したのは、販売促進を目的に企業が最新商品や一押し商品を展示しているためです。


今年でなんと86回目()の開催、つまり独立以前から毎年開催されているという歴史の長さ。
当初は農業のみの展示会だったそうですが、途中から商業が加わったそうです。

年間イベントの中で一番盛り上がると聞き、物見遊山で出かけて来ました。

親しくしているザンビア人に案内してもらったのですが、
まず連れて行かれたのは何故か刑務所の展示エリア。。。
日本の刑務所同様、工芸品や家具などを囚人が作成して安く販売しているようです。

え、これもありなの??と早くも、このイベントの主旨が分からなくなる私。。

次に連れて行かれたのが、警察のブース。
農村で没収した野生動物をしとめるための手作りの銃が展示されていたり、
交通事故の生々しい写真が展示されていたり、
日本で言う白バイが展示されて、子どもたちが楽しそうに乗っているほほえましい場面もあったのですが、
この警察のブースの向かいは保健省のブースで、健康に関する情報を展示していました。


・・・なんだこれは・・・農業でも商業でも展示会でもない・・・とますます混乱する私。。

「の、農業に関する展示がメインだと思ってたんだけど・・・」と
案内してくれているザンビア人に伝えると
や鶏、肥料などが展示されている場所に連れて行ってくれたのですが、
特にスペースが多く割かれてるわけでもなく、これはもうただのお祭りなのではないかという疑念がふつふつと・・・



▼わたがし屋が至るところに出店。    ▼手作り感満載の遊園地(人力観覧車)
        

もちろん中東や北アフリカの企業やルサカ外に拠点を置く企業からの出展があり、
これを機にザンビアやルサカでビジネスを広げて行くチャンスを
このイベントが提供しているというのが分かるエリアもありました。
しかし参加者は一般市民が大半。彼らの様子を見ているとおでかけという言葉がぴったりなんです。

広場では軍隊の行進や模擬コンバット、あるいはサッカーの試合が行われており、
このイベントは誰をターゲットに何を目的にしているのか、
いろんな展示エリアを回れば回るほどわけがわからなくなるのですが、
そんな小難しいことはきっと考えなくていいんでしょうね
案内してくれた人は、次の日は子どもを連れて来ると言っていました。

後日、このイベントでチケット売りをしていたTICOドライバーに話を聞くと、
今回は10億ザンビアクワチャ(1600万円)近くを売り上げたそうで、
1枚のチケットが15,000クワチャ(240円)ですから、6万人以上が訪れた計算になります。

なぜ、TICOドライバーがチケットを売っていたのか。気になりますね。
実はチケット売りの仕事は公募制になっていて、彼の所属している教会グループが応募・受託したのです。
この仕事を請け負うといくばくかの収益がそのグループに入るのですが、
応募の際に、その収益を何に使うか、という計画書を申請書類に添えるんだそうです。
彼の教会グループの場合は若者のための職業訓練校を建てる、というのが目的。
一度、受託すると5年間(つまり5回分)はその団体がチケット売りを担い、今年が最後ということでした。

チケット代が出せないからと参加出来なかったというザンビア人の知り合いもおり、
やはりこのイベントは「特別なおでかけ」なんだと思ったのでした。

文責:瀬戸口(ザンビア事務所)

NITW合宿(8月24~26日)

2012年08月27日 | 地球市民教育
兵庫県立大学の国際看護サークルのみなさんが、TICO合宿にきてくれました
サークルの団体名「NITW」はNurses in the world の略で、ニッツと呼ぶそうです。
国際協力の現場に携わる方を講師としてお招きし講演会を実施したり、
学祭などでフェアトレード商品の販売・促進をしたりすることが主な活動内容のようです。

今回は昨年に続き、2回目の合宿参加というメンバーが半数で、いつもとはまた違った合宿の内容となりました。

〈実施内容〉
1日目
フォトランゲージ、地球人カレッジ
2日目
貿易ゲーム、コーヒーの真実、代表の講義
3日目
フードマイレージとバーチャルウォーター

貿易ゲームは前回も実施したのですが、どうしてももう一度やりたい!
との希望があり、プログラムに組み込みました。

~感想~
「奥が深く、1つのゲームからあらゆる視点に気づけました。」



合宿の最後にはおなじみのひと言宣言タイム。
前回の参加者3名中、2名は昨年の宣言を実行したということでした。
今年の参加者のみなさんはどうなるか??来年の結果報告をお待ちしてますね~

文責:事務局(庄田)

出産する時、谷間の時。

2012年08月15日 | TICO ザンビア
ザンビアから田村です。

ザンビアに来て早3週間が過ぎようとしています
朝晩はとても冷え込む毎日です。
日本は猛暑の中、オリンピックの余韻がまだ続いているのでしょうか。

ザンビアの選手も7人オリンピックに出場したようですが、早々に敗退してしまい、盛り上がっている様子はなかったです

サッカー観戦好きのTICOドライバーのガバナーさんから、日本のサッカー女子は本当に強い!アメリカとすばらしい試合だった!
とお褒めのお言葉をもらいました
ザンビアに住むガバナーさんが、こうして日本のことを応援してくれることもとても嬉しかったです。


さて、先日もTICOの活動サイトであるモンボシのヘルスポストへ行ってきました。
毎日40人から50人の外来患者さんがヘルスポストへ診察を求めて訪れます。

そんな中、ある女性と少女を診察していたナースが、ヘルスワーカーに少女のHIVの迅速テストをするように指示しました。
お母さんに連れられて来たその女の子は、まだ6歳。6歳にしては体つきがとても小さかったです。

一つ目の迅速テストで陽性の反応が出たため、より感度の高い迅速テストを追加で行います。


お母さんはHIV感染者。

15分ほど待ち、結果は陽性。

ナースから母親へ結果が告げられます。
しかし、ヘルスポストでは簡易的なテストキットによるスクリーニングしかできません。治療はできないのです。
そのため、ナースがHIVの確定診断として必要なテスト(免疫機能の推測ができるCD4というリンパ球の数の測定や、血中のHIV-RNAウイルス量を測る検査)のできる上位の病院へ紹介状を書き、母親に持たせました。

ヘルスポストから上位病院へは、歩いて少なくとも2時間程度はかかる道のりです。                                                                

母親と彼女が病院へ行き、適切な投薬治療が受けられることを心から願います。


HIVの5歳未満の子供の90%が、母子垂直感染(HIV陽性の母親から妊娠中・分娩時・母乳を介した子供への感染)が原因です。
そして、この少女も垂直感染が原因ではないか、ということでした。



あらためて妊産婦の時期が特に見えにくい谷間の時期だと感じます。

子どもの予防接種や、体重計測の機会を利用する母親の数がある程度多いのに比べ、妊婦健診や産後健診といった出産のために保健に関わる母親が極端に少ないのが現状です。

妊婦健診に1度でも来れば必ずHIVのスクリーニングテストを受ける機会があるのに。。
そこでHIV陽性だとわかれば、抗レトロウイルス薬(ARV)の投与、子どもへの垂直感染の予防策をあらかじめ受ける機会が得られます。

私自身とてもショッキングで、この事実を受け止め今できることはなんだろうと。NO ACTION TALK ONLYではいけないですよね。
やはり、地域の人々による確かな知識の伝達と、お母さんたちが保健医療に関わることのできる機会がもっと増えるよう、
モンボシの地域の人々と関わって行くことだと思います。


ザンビア初投稿、少し硬い投稿になりましたが、今後もザンビアからお伝えしていきますね


文責:ザンビア事務所(田村)




瀬戸塾合宿(7月26~29日)

2012年08月01日 | 地球市民教育
今回の合宿は初の中学生受け入れ
埼玉の瀬戸塾に通う生徒さんたちです。

3泊4日とあって、藍染め体験やお豆腐づくりなど、ワークショップ以外の内容も。

▲お豆腐作り体験のようす

4日間みんなで協力し、食事も時間の管理も、責任をもって自分たちで取り組みました
焼きそばやビビンバなど、献立を考えてお家で練習してきたり
お掃除当番さんは整理整頓をお家で心がけてきたりと事前学習にも積極的に取り組んでくれ、
クーラーのない生活に苦戦しながらも、たくさんの刺激を受けてくれたようです

貿易ゲームが一番元気がよかったですね



~感想~
「資源や道具の量の差だけで貧富の差が出ることを体験し、道具がない側の気持ちがよく分かりました。」
(貿易ゲーム)

「この合宿は、メンバーとの協力がとても大きいと思いました。
また、食糧の大切さや、環境についてのことが、改めて実感させられたような気がします。

参加して下さった5名のみなさん、ありがとうございました
また遊びにきてくださいね

文責:事務局(庄田)