TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

高知大学(7月6日~7日)合宿について

2013年07月19日 | 地球市民教育
高知大学医学科在学生/卒業生の総勢9名の学生さんたちが
7月6日から7日の2日間で合宿を行いました

9名のうちの3名の方は、2日目のみ参加という僅かな時間
でしたが、TICOの活動や国際協力等について、いろいろと
考えることができたようです


7月の蒸し暑い中の合宿となりました


自称兼業農家の吉田代表との農作業
この時期は、トマト、きゅうりやすももなどなど美味しい野菜や果物を収穫することができました
この農作業は早朝から行いますが、合宿の中でも人気のプログラムです

以下、みなさんからいただいた合宿の感想です

国際協力といっても具体的に出来ることも分からず、なにか
刺激をもらえればと思って参加しました。話を聞いて、今まで
自分の中でぼんやりとあった考えがすっきりして自分がどうい
う事をしたいかが少し分かった気がします。


今回、この合宿に参加して、大変考えさせられることが多かった。
現状を知ることが一番、身近な出来ることだと思った。


日常、考えもしないことを考えることができ、世界が広がりました。

これから医療現場や様々な世界に羽ばたいていくみなさんがこの合宿で
いろいろな気付きがあったことをとても嬉しく思います

また、TICOにも遊びに来てくださいね

文責:事務局(近森)

継続性のある活動のために vol.2

2013年07月17日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

昨日の記事で、事業(「外からのサポート」と読みかえていただいても結構です)が終了しても、
地域住民が活動を継続していくためには何が必要だろうか、という問いかけをしました。

これまではずっと私たちが伴走をしてきたのですが、
その伴走者がいなくなるというわけです

となると、彼ら自身で進むべき方向を見つけ、
道筋をつけられるようにならねばなりません。

そのためにはSMAG自身が、自分たちの活動の成果と課題を分析し、
さらにそれを活動計画に落としこむことができねばなりません。

ということで、7月の5日と8日の2日間にわたって
活動成果を分析する方法と、活動計画の作り方について学ぶワークショップを開催しました。




毎月、担当地域での妊婦の数や出産件数についてレポートを提出しているSMAGですが
つい数を集めること、レポートを提出することで満足してしまい、
自分たちが集めてきたデータを使いこなすという段階にまで達していないのが現状です。

無償で地域に奉仕している彼らSMAGにデータ分析まで求めずともよい、
という考え方もあるのですが、政府からのフォロー(指導や励まし)があまり期待できないのも事実。

SMAG全員とは言わずともその中の何人かが
データ分析→活動方針に反映
という考え方を理解することを目標としました。

そして取り上げたのは、"パーセント"という考え方。
これが結構難しい。

例題としてザンビア人が大好きなサッカーを扱いました。

とあるサッカー選手の成績で
6月のゴール数  3
7月のゴール数  4


というデータがあるとき、どちらの月の成績がいいと言えるでしょう?
という問題です。


7月!と答えたくなりますよね。当然です。


その後、提示されるのは
6月のシュート数  5 
7月のシュート数  10
という数字。

つまり、6月は5本シュートして3ゴールを決め、
7月は10本シュートして4ゴール決めたということ。

では、改めて同じ質問。
どちらの月の成績がいいでしょう?




と、これでパーセントを出すことの意義について理解した後は、
自宅分娩の数と施設分娩の数に置き換えて、
「施設分娩率」について計算してみます。


目的とするパーセンテージを出すためには、
割る数と割られる数の関係についてきちんと分かってないと出せません。
苦手な人が多い分野ですよね。


SMAGが過去に集めてきたデータをいくつかピックアップして
自身の担当地域の施設分娩率を計算してもらい、
そこで算出された率と政府が目標とする施設分娩率(60%)と比較してもらいました。




その次は、活動計画の立て方。
9つもグループがあるため、その場で全ての計画を確認することは出来ないのですが、
共通する活動について、全員で検討を加えました。

陥りやすい失敗として
「何をやるか」については述べるものの、
「いつ」「どこで」「だれが」「どのように」という
実践に必要な情報が欠けていることが多く、
また定期的な活動計画の見直しもなく、立てたら立てっぱなし状態、、、
、、と、これは世界共通でしょうか

日本でも会議ばかりで、何も進まない!
というのはよく聞かれる話ですね・・・・


▲ 1)まずはグループに分かれて計画を作成。


▲ 2)全員の前で発表し、より具体的な計画へブラッシュアップ


▲ 3)2)で出た意見を元に、修正した活動計画を発表


データ分析にしても活動計画の5W1Hにしても
慣れない考え方で苦労したメンバーも多かったのですが、
「こういう見方もあるんだと勉強になった」と言ってくれるメンバーも。


事業終了月にあたる9月にはTICOからの卒業を記念して、
マーチング(練り歩き)をSMAGが自主企画してくれているそうで、
お互いが来るべき時にきちんと向かいあえていることを、とてもうれしく感じています。


あと2カ月、SMAGと共に最後まで力を尽くす所存です。
ご声援のほど、よろしくお願いいたします。


なお、今回のワークショップは先行案件で専門家を務められた田淵医師に進行いただきました。
その頃の苦労話?!は、こちらのブログをご覧ください:ザンビアの村に健康を



文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

継続性のある活動のために vol.1

2013年07月15日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

今日は海の日ですね。

というより、もう7月中旬?!!というのが正直なところだったりするんですが、
それも私たちが2010年10月から実施してきた安全な妊娠/出産の支援事業が、事業終了まで残すところあと2ヶ月になっているから。

事業が終了するというのは、安全な妊娠/出産への支援がゼロになってしまう、という意味ではありません。
私たちTICOと委託元であるJICAによるザンビア政府やボランティアを含む地域住民へのサポートが終了するということです。

安全な妊娠/出産に対するサポートは
ザンビア政府/郡保健局や地域住民から成る安全なお産支援グループ(SMAG:スマッグ)が
引き続き継続していくことになっています。

正式な事業成果については、目下、必要なデータを集計中ですが、
事業を始める前と比較して
・医療施設でのお産件数(施設分娩数)は約2倍
・妊婦健診受診率(推奨されている4回以上受診)は3~4割増
といったプラスの変化が推定されています。

とはいえ、施設分娩と自宅でのお産の比率を取ると50:50で、
政府が目標とする施設分娩率60%には、いまだ及びませんが、
私たちが事業展開しているモンボシ地区を含むチボンボ郡全体の
施設分娩率は20%をわずかに越える程度ですので、
かなりの優等生(手前味噌ですが)と言えるでしょう。

妊娠・出産というのは、病気ではありませんので、
何か目標を達成したからといって、活動が終わることはありません。
上記で述べたような成果を、継続して生み出していくことが重要になってきます。

では、私たちの支援が引き上げた後も、
彼ら自身で活動を続けていくために、何が必要でしょうか?

長くなりそうなので、続きはまた明日

文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)研修に参加しました

2013年07月02日 | 未分類
 事務局の近森です
 6月末の4日間、JICA四国にて行われたPCM研修に参加してきました

 まず、初めにPCM手法とはなんぞやと思われた方もいらっしゃるのでは
 プロジェクトをモニタリングしたり、評価するために、用いられる手法の一つ
とあります。
 う~ん、なんだか難しい

 例えば、美味しいケーキを作るのに、どんなレシピで、どんな手順で、また、
道具はどんな物が必要なのか、お金はいくらかかるのかなどなど計画を立て、実行し、
美味しいケーキを作るためにはどうすればいいか、その目標にちゃんと向かっているのか
どうかを観察(モニタリング)し、ゴールを目指すといった感じでしょうか

研修では、参加者の皆さんと事例をもとにプロジェクトの計画、活動計画を作成しました
そして、そのプロジェクトのモニタリングを行い、評価を行いました。

自分たちで作成したプロジェクトというのは、愛着が湧くものですね


現在、TICOではJICA四国の委託を受けてJICA草の根技術協力事業安全な妊娠/出産の支援事業
を実施しています。
このPCMもJICA(国際協力機構)などで広く採用されている手法です。今年の9月末には本事業は終了
するため、今回学んだことが生かされるよう頑張りますっ

文責:事務局(近森)

英雄の日に寄せて:GO!!チポロポロ!!

2013年07月01日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です

少し前になりますが、
6月8日と15日、ワールドカップ予選を観戦しました。

ザンビアのナショナルチームの愛称はチポロポロ。
銅の産出で有名なザンビアのチーム、ということでCopper Bullet(銅の弾丸)という意味です。
言葉の持つ意味とは裏腹に、かわいい響きですよね

1990年代、不慮の飛行機事故でサッカーチーム18名が亡くなってから
すっかり弱くなってしまったザンビアチームですが、
2012年のアフリカンカップ(アフコン)で見事に王者に返り咲き。 *記事の下の方をご覧ください。

しかしその興奮もつかの間、その後の試合では引き分けを大量生産し、
ザンビア市民をがっかりさせ続けてきました

ワールドカップに出場経験のないザンビア。
アフコン優勝チームが現役の今回を逃すと
もうチャンスがないかもしれないとはTICOのローカルスタッフの談。

これは気合をいれて応援せねば・・・!!!!
とチポロポロユニフォームを着て臨んだ8日は対レソト戦。
前半は0-0と振るわなかったものの、後半で4点を決め勝利
同じくバーで観戦していたザンビア人と喜びを分かち合い、楽しい夜になりました

よしよし、これは来週も期待できるぞ、と臨んだ15日は対スーダン戦。
前回同様、前半は0-0。
後半、やっとゴールが決まり、大盛り上がり
・・・しているうちにスーダンにゴールを決められ、まさかの同点
そしてズルズルと決め手にかけ、そのまま試合終了。
バーの雰囲気もどんより

というのも、次の試合相手は西アフリカの雄、ガーナ。
アフコンでは奇跡的に(といっては失礼なんでしょうが)勝利した相手ではあるものの、
波に乗りきれていないチポロポロが勝てる相手とは思えません。

ザンビア人も同じ気持ちのようで
もうワールドカップ出場は夢のまた夢となってしまったかのような雰囲気です。
ガーナ戦は9月の予定。
2カ月の間になんとか立てなおしをはかってもらいたいものです。


さて、「英雄の日に寄せて」というタイトル。
本日、7月1日はヒーローズデイ(Hero's Day)という国民の祝日にあたります。
もともとイギリスからの独立を勝ち取った戦士たちを讃えるための祝日で、
明日7月2日は「統一の日」(Unity Day)という国民の祝日。
ちなみに独立記念日は10月24日。

冒頭で述べた例の飛行機事故があってからは
この「英雄」に、その亡くなったナショナルチームメンバーも含まれるようになったそうで、
ザンビアという国にとってサッカーがどれくらい大きな位置を占めるのかがよく分かります。
裸足でサッカー大会!

たとえ試合の日程を知らなくたって、その日になれば、
試合があることが分かるくらい盛り上がっちゃうんです

だって道にはチポロポロユニフォーム着用人口が増え、
庶民の足 ミニバスにはザンビア国旗がたなびき、
スーパーにはチポロポロ応援ソングが大音量で流れるんですから、
気付かないわけがない。
外出してなければ気付かないのでは?、と思うかもしれませんが、
試合時間が近づくと近隣のあちこちでブブセラの音が聞こえるので
やっぱり分かってしまうのです。

今日はザンビアの歴史的なヒーローたちの活躍を忍びつつ、
再度、奇跡を起こしてガーナに打ち勝ち、第3次予選へと駒を進めることを祈りましょう

がんばれ チポロポロ!!

文責:ザンビア事務所(瀬戸口)