TICOブログ

TICO最新情報をお届けします。

チペンビ農村開発ローン ミルルグループ完済!!

2012年07月30日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

ご報告が遅くなってしまったのですが、
昨年より養鶏販売事業で1ミリオンクワチャ(約1万6千円)を借り、こつこつ返済してきたミルルグループが、4月末に無事ローンを完済しました!

本グループに関する過去の記事はこちら:
*ローン締結前の会計ワークショップの様子
*ローン締結時の様子

10月に鶏舎を作り始め・・・



12月に完成



残すドアの部分も2月にはこの通り


▼鶏舎の中の様子(元気に鶏たちが走り回っています)


最後の返済となった4月には、すべての地鶏が売約済みといううれしいニュースを聞かせてくれました。

▼ローンの返済記録と共に。(左の女性二人がグループメンバー、右の男性はコーディネーターのンジョブさん)


メンバーからは「ローン返済が終わったからといってこの事業が終わるわけじゃないわ!」と頼もしい言葉

確かにTICOとしての支援はこれで終わりですが、彼女たちにとってはこれからがまさに始まり。
飼料となるひまわりや大豆、トウモロコシなどはすでに彼女たちの家庭菜園で栽培されており、
鶏舎を清潔に保ちつつ鶏の病気に気をつけていれば、この事業は順調に発展していくことでしょう。

完済おめでとう!!

※チペンビ地区での本ローン事業は、過去の事業評価から本グループの返済をもって一旦事業を終了します。
いままで本事業を支えて下さったサポーターのみなさま、温かいご支援をありがとうございました。


文責:ザンビア事務所(瀬戸口)

公募合宿開催しました!(7月14日~7月16日)

2012年07月25日 | 地球市民教育

 7月の3連休に、全国各地から集まった(高校生もいました!)11人の参加者の皆さんと、TICO道場にて合宿を開催しました。
中には、「何度来ても新しい学びがある」と、3度目の参加という強者も
私、田村も初めてTICOのワークショップや講義を受けたのですが、心を揺さぶられる経験をしました。


TICO道場に集まった参加者のみなさん

スケジュール

1日目
TICOの活動について
ワークショップ「世界がもし100人の村だったら」
地球人カレッジ「チェルノブイリに見る日本の過去と未来」

2日目
農作業
ワークショップ「貿易ゲーム」
ワークショップ「チャレンジアフリカ」
講義「日本の憲法から読み解く日本の役割」
懇親会

3日目
農作業
ワークショップ「宇宙ステーション」


 「世界がもし100人の村だったら」では、私たちの暮らす日本が、世界の中、アジアの中で、裕福な位置にいることを身を持って感じます。
ワークショップの後の参加者の感想が印象的でした。
自分は大学生で、将来について悩み考えるとしんどい。そんな状況を祖父に相談した時のこと。祖父が自分と同じ年齢の時には、戦争へ出兵するという選択肢しかなかった。その事実を目の当たりにし、自分の生きる世界の豊かさに気付いた。と話してくれました。
こうした感想を聞くと、ワークショップはただ単に考えるきっかけであり、自分で気づくということが、次の行動への足跡になるんだなぁと感じます。

 豊かさを知る一方で、「日本の憲法から読み解く日本の役割」では、日本の中にある問題にも触れられます。
戦後日本が作った憲法前文を読み解くことから始まり、エネルギー政策、環境問題まで、今まで自分が見過ごしてきた政治や経済、環境について、幅広いトピックスが目の前で丁寧に繰り広げられていき、驚きの連続でした。
また、すべてのことに意味や理由、原因があること。ひとつの視点が正しいと信じるのではなく、何が正しいのかを信念を持ってさまざまな角度から視ることを惜しまないこと。今まで知らずに過ごしてきたことを悔やむような、でも、ここで一歩知ることができてよかったと思うような。そんな気づきのあるワークショップでした。




 この合宿で私自身、何枚もの皮を剥がされたといいますか、いつのまにか素の自分でいることに一瞬焦りましたが、非常に心地よく感じる3日間でした。
私は人と人のつながりを信じたいですし、自分のいる土地を愛するからこそ、それが今を変えていく足がかりになると信じています。シンプルに、自分のできることをあきらめずに行動していくこと。すっと肩を押されました。
この気持ちを持ったまま、ザンビアへ行ってきます今後はザンビアから進捗情報をお伝えしますね。ぜひお付き合いください




 3日間の合宿を通しTICOは、地球規模の課題や国際協力、持続可能な循環型社会について集中的に学び考えることができる場を提供しています。
何度来ても、きっとその時その時で感じることはありますし、様々な角度から考える視点を多くもらえる場です。
ぜひ、遊びに来てください!!

代表の吉田と、気持ち良い朝日のもと農作業もできますよ


今回来て下さったみなさん、本当にありがとうございました

文責;事務局(田村)

地球人カレッジ 7月

2012年07月25日 | 地球人カレッジ

*とき:7月14日(土)19時~21時
*参加人数:29人(発表者、ネットでの参加者含む)
*ところ:吉野川市山川町;さくら診療所デイケア室
*講演者:宮崎信也さん (高野山真言宗・般若院住職)
*テーマ:チェルノブイリに見る日本の過去と未来~循環型調和の危機~


広島、長崎、チェルノブイリ、そして2011年3月11日の福島第一原発事故。
世界規模での放射能被害のうち、3つが日本で起きているという事実。


日本ペンクラブの視察団の一員として、4月中旬、会長の浅田次郎さんや中村敦夫さんらとチェルノブイリを訪れた宮崎さん。
こどもの甲状腺がんの手術を手がける医師らへの聞き取りのため、キエフの国立放射線医学研究所を訪問されました。

ウクライナでも、甲状腺がんは深刻な問題。当時0~9歳で被ばくした子供たちへの影響は特異的。
既に6千人もの人が甲状腺摘出手術を受けている。
甲状腺摘出手術の件数はいまだに毎年増え続けており、そのピークはまだ来ていないと医師は訴えていたとの報告がありました。

チェルノブイリ原発事故から26年目にして終わりの見えない問題。。


今、チェルノブイリから日本は、そして私たちは、何を学ぶことができるのでしょう。

宮崎さんは、ひとり一人が、今こそ公共の精神を持つべきだと言います。


公共の精神をもつとは、難しく考えるのではなく、閉塞感のある今の日本にあって子供の命を守るとか、子どもたちに何を残していこうとか、本当はごく当たり前のことで、自分の利益だけを守っている状態ではないこと。

エネルギー問題についても然り。既存のものを選択する時代から、誤っているのではないかと思うものに対して私たち自身が行動する。また、必要であれば作っていく。そういった時代が来ているということを宮崎さんは今回の講義で伝えてくださいました。



ここではお伝えしきれないチェルノブイリ視察でのお話や、日本の未来についての宮崎さんからのメッセージがありました。
是非、動画をお楽しみください。こちらへ。



文責:事務局(田村)

 

ザンビア/ンコンジェ小学校 学期末試験

2012年07月22日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。
日本は本格的な夏に突入し蒸し暑い頃と思いますが、
こちらは寒くて朝、布団から出るのがつらい毎日です

先日の予告通り、教員住宅とトイレの建設が進むンコンジェ・コミュニティスクールの日常をお伝えします。

つい数日前に学校をのぞくと、廊下で何やら作業をしている生徒を発見。

お互いに何やら相談しながら、紙に何か書いています。

何かな~と思って、教室に入ってみると・・・











うわ、教室に生徒があふれかえっている!!!!
これはナニゴト??!!?!

もしや、すでに教室や机が足りないくらいに学生が増えてしまったのか?
とドキドキしながら校長先生に尋ねると、

「3年生と4年生にテストを受けさせてるんだ


なるほど、2学期がそろそろ終わるんでした。
▼黒板に先生が書いた問題をみんなで一生懸命解いてたのでした。


▼なんだか懐かしい筆算。


▼出来た生徒から先生にテスト用紙を渡していきます。


私がカメラを向けると生徒たちがどうしても気が散ってしまうので(笑)、早々に退散しました

テスト結果は集計して、合格不合格、成績順位等を出していきます。
そして学期休みが明けると、親との面談があるそうです。

こういう流れは日本とあんまり変わらないですね~。


ンコンジェ・コミュニティスクールに教員用住宅およびトイレの建設にはまだまだ資金が必要です。どうかご支援をお願いいたします

文責:瀬戸口(ザンビア事務所)

最後の頼みの綱は・・・

2012年07月11日 | TICO ザンビア
ザンビア事務所の瀬戸口です。

ザンビアで駐在していて健康が心配でないですか?と聞かれることがあります。
もちろん体調管理も仕事のうちですから、
まずは体調を崩さないように日々気をつけることが大前提ですが、
そうはいっても病気になるときはなります
大事でなければ薬で済ませるか、現地のプライベートクリニックにかかかるか、
ザンビアの医療レベルで難しい場合は南アフリカに緊急搬送ということになります。

じゃあ、ザンビアの人たちはどうでしょう。

私たちのプロジェクトで建設したヘルスポストはザンビア医療行政の末端を担います。
外来診療と出産を扱い、医療スタッフ(看護師)は1名のみ。
その次はヘルスセンターと呼ばれ、規模はさまざまですが医療スタッフは3名~。入院・手術が可能。
そこから第1次病院(郡レベル)、第2次病院(州レベル)と高次医療になり、
公的医療のトップ(第3次病院)はザンビア大学付属病院です。
ザンビア全土で3名しかいないと言われる放射線技師がここにはおり、
政府系病院では唯一CTスキャンを装備しています。首都のルサカにあるのですが、
首都でさえ医療機関が足りておらず、低次の医療機関で診察されるべき症状の患者まで
この大学病院につめかけるため、本来の機能が果たせていないと指摘されています。

前置きが長くなりましたが、まあとにかく
こちらで「大学病院に入院」というのは全国トップの公的病院に入院するということです。

現在進行中のコミュニティスクール支援の建設資材手配で、いつもお世話になっているモーノさんというおじさんがいます。

ある日、彼からとても弱々しい声で電話がかかってきました。
腹部がはれて痛みがあり、血尿が出ているため大学病院まで来た、検査入院することになったということ。
彼の家は、前出のコミュニティスクールヘルスポストの間にある地域にあり、首都から100キロ離れた村の小さなマーケット。

まずその距離を、そんな状態で移動しなければならないことに胸が痛みましたが、
移動手段が確保でき、入院できるお金があるのは恵まれた方かもしれません。

その後、退院して元気になったと聞いて安心していたのですが、
話を聞いていると、検査入院したものの、原因が特定できず、
(スキャンをとったデータを病院側が紛失して再検査したというおまけつき・・)
十分な治療をされなかったため、結局、近所の伝統治療師にかかり、薬草治療を施した、というのです。
そして薬草治療がよく効いてすっかりよくなったと言うのです。(あくまで本人談です。)

なんだかとてもやるせない気持ちになりました

保健医療プロジェクトに携わっている以上、
効果の実証されたいわゆる西洋医学を施す医療機関にかかるよう薦めるのが基本的なスタンスです。
もちろん伝統医療を全て否定するわけではないのですが、
裏づけがない治療法は時に有害となることがあったり、医療機関での適切な処置が遅れる(伝統医療で効果が得られなくて初めて医療機関に行く場合があるため)という弊害があります。

でも、「医療機関」が患者の期待に応えるサービスが提供できない限り、
人々は馴染みのある伝統医療を(効果が実証されていようがいまいが)頼るわけです。
当然のことですよね。

そんなモーノおじさんは、いまも定期的にフォローアップ診断のためルサカに来ています。

もちろんこのケースを一般化することはできませんし、
本当に原因の特定が難しい病気なのかもしれませんが、
この国の人が十分な医療サービスを受けられる日はいつになるのだろうかと、
少し悲観的になってしまった出来事でした・・・。

文責:ザンビア事務所(瀬戸口)