ザンビア事務所 瀬戸口です。
10月24日は、ザンビアの50回目の独立記念日でした。
この日に向けて、ルサカの街がどんどんザンビアカラー(緑、赤、黒、オレンジ)で
飾られていきましたが、当日はさらに歩く人たちの衣装までもがザンビアカラー。
▲柵のところをご覧ください。
▲普段はそっけない土台もザンビアンカラーの布でぐるぐる巻きに
▲道行く人もザンビアカラー
▲おぶわれた女の子もザンビアカラー
ちなみにこれがザンビアの国旗
公式イベントとして、ナショナルヒーロースタジアムで国賓などを招いたお祝いが開かれていました。
▲会場となったスタジアム
50周年グッズやザンビアグッズ、軽食を売る露店などたくさんありごったがえしていました。
日本からは外務大臣政務官が出席しており、日本の国旗がマラウィと南アフリカに挟まれた状態で掲揚されていました。
▲マラウィの国旗(左)と南アフリカの国旗(右)
▲ザンビアのビール「モシ」も、50周年バージョン(右。通常版は左)にお着換え中です。
おもしろいなぁと思ったのは、ある子どもたちが来ていたTシャツ。
あいにく写真は取れなかったのですが、
「僕たちが次の50年だ」
とプリントされたTシャツでした。
私たちの活動は、もちろん現在の健康や教育を取り巻く状態をなんとか改善しようという活動でもあるのですが、
それはつまり今の子どもたち、あるいは未来の子どもたちが次のザンビアの社会をしっかり担ってくための活動でもあります。
例えば、TICOは体重が増えていかない子どもを持つお母さんへのカウンセリングに力をいれてたり、
安全にお母さんがお産できる環境を整える取組みをしたり、
はたまた教育環境の改善を狙う事業も行っています。
50年後といえば、モンボシにいる子どもたちの、そのまた子どもたち、孫たち(ザンビアならひ孫まで、ですね)が
大人になっている頃です。
改めて、TICOがやっていることは(微力かもしれませんが)未来を創る仕事でもあるのだと、
モシをおいしくいただきながら思った一日でした。
文責:ザンビア事務所(瀬戸口)
ザンビア事務所 瀬戸口です。
日本は台風が大変だったようですね。
こちらは16日の夜半、最初の雨が降り、少し暑さが和らいだような気がします。
さて、今回は固めのタイトルになりました。
みなさん、
学校教育の価値って何なんでしょう?
当たり前のように「学校に行くことは大切だ」という価値観が流布していますが、
本当に「大切」なんでしょうか?
どう「大切」なんでしょうか?
ここザンビアでは教育を12年生(日本の高校3年生)まで修めることが町で就職するための必須条件。
TICO奨学金事業で支援している学生たちも、口をそろえて「12年生を卒業したい」と言います。
先日、徳島大学の学生さんが当事業地を訪れた際に、ホームステイ先のお父さんとこのようなやりとりがあったそうです。
学生:村の生活でいいところってなに??
お父さん:私は学校に行ったことがないけど、それでも村では食べていけるし、
子どもたちも育て上げることができるから、そこがいいところだね。
また先日、放課後も学校の周りをうろうろしている子どもたちを見かけたとき、
私と一緒にいた村の人の発言。
村人:あの子どもたちは、家の仕事を手伝いたくないから、ああやってすぐに家に帰らず遊んでるんだよ。
瀬戸口:うーん、まあ村の家の仕事は重労働だもんねぇ、、気持ちは分かるなぁ。
村人:だから帰りたがらないんだ。でも、子どもは家の手伝いをしないとね。
またまた先日、私が村の人たちと話していた時のやりとり。
話のきっかけは忘れてしまいましたが
村人1(以下、1):俺は、子どものうち2人は学校に行かせずに手元に置いておくんだ。
村人2(以下、2):そうだよな、全員行かせている家は大変だからな。
瀬戸口(以下、せ):どういうこと?
2:だって、全員、学校に行かせてしまったら、誰も子どもは家に戻ってこないじゃないか。
1:それに家のことを出来る子どもがいないと、自分が歳を取った時に誰も家事や農業ができなくなる。
せ:日本でもそれは同じだね。いま、農村は高齢化が進んでて、農業やってる若い人はほんと少ないよ。
1:そうだろ?だから、俺は将来のことを考えて、子どもを家にキープしておくんだよ。
2:老後を安泰に過ごすために、事前に投資しておくことが大事だよな。
せ:投資って他に何があるの?どうやるの??
・・・・以下略。
もちろん、上の村人1,2だって文字が読めるようになること、
計算が出来るようになることの価値を否定しているわけではありません。
しかし、学校に通うことで得るものがある一方で、「生活の知恵」など失われるものがあります。
それはいまの現代日本を見れば自明で、伝統的な生活様式の良さや先人たちの知恵を見直す動き、
iターン、Uターンで就農する若者たちが増えているのはその反動のように思えます。
あるいはフリースクールなど、いわゆる「学校」にとらわれない学校も増えているようですね。
去年から、当会と同じく徳島県に居を置く鳴門教育大学との連携事業もスタートしているのですが、
*会報36号の7ページをご参照ください*
その先生方との議論に上がった「教育の価値」とはすなわち
「思考力」を身につけることである、というお話でした。
ザンビアの教育(日本も多かれ少なかれそうですが)は、就職のための教育、になってしまっている。
また、知識や読み書き計算といった技能を身につけるための教育になってしまっている。
しかし教育とは、それらの知識や技能を身につける中で、論理的にものを考える力、といった思考力を身につけることを
目指して行われるべきである、と。
この思考力は、都会に住んでいようが、農村に住んでいようが、
どのような環境でも生き抜いていくために必要な力であると。
うーん、なるほど。
さすがにプロは言うことが違う。
どうやったら思考力は身につくのか????
というテーマも現在実施している母子保健事業との関係で議論したのですが、
それはまた次の機会ということで。
TICOも学校建てたり、いろいろ支援してますが、
物事を一面で判断してはいけないというのが、私の改めての学びでした。
文責:ザンビア事務所(瀬戸口)
よろしくお願い致します
10月11日から12日にかけて、第7回公募型合宿が行われました
今回は、台風19号の影響もあり合宿開催が直前までどうなるか・・ヒヤヒヤでしたが
無事行う事が出来ました
参加者のバックグラウンドは様々で、pptを使った自己紹介も活動してきた内容が良く分かる非常に興味深いものでした
いつも同職者と仕事をする事が多い私は、他職種の方の考え方や経験談を聞かせて頂く事だけでもとても勉強になります
さて
始まりました貿易ゲーム
貿易ゲームとは
世界の貿易を疑似体験するシュミレーション・ゲームです。グループ(国家)によって紙(資源)や道具(技術)の数はまちまちです。
そんな中、紙と道具を使って製品を作り、それを世界銀行で売って、出来るだけ多くのお金を稼ぐ事がこのゲームの目的です。
このゲームを通じてそれぞれのグループ間に「格差」が生じていく仕組みを理解し、自由貿易や経済のグローバル化が引き起こす様々
な問題に気づきその課題解決に向けて私たちの行動のあり方について考えます。
今回、紙(資源)はあるけれど道具(技術)を持っていないチームの中にどうすれば紙(資源)を自国の富に変えることができるのか熟知
している強力な方がおられ、どんどんそのチームが富を築いていきました
また、チーム内のメンバーにどのような仕事をしてもらうか、役割分担を指示するリーダーシップも発揮させ、他のチームとの差はどんどん離れていきました
最後には、換金するための世界銀行が封鎖されてしまい・・・私の国は全く歯が立たず
ゲームを進めていく中で、
資源や技術が豊富な国が、自分の国に有利な貿易をしたり、資源が十分にあってもその資源を生かす技術がなければ富を築く事が困難であったり…
経済は常に変動しており、商品の値や需要の把握、資源や技術の把握にアンテナを張る必要性を知ったり
物を作る事に長けている人、交渉する事が長けている人など 人それぞれ、様々な力を持ち合わせて成果がグンっと上がる事を再認識したり
と多くの事を学びました
次に
シュミレーションゲーム「宇宙ステーション」
宇宙ステーションとは
何らかの理由で地球が滅び、宇宙ステーションで新たにどう生活していくかを考えるシュミレーションゲーム。
宇宙ステーションで生活していくためには、私たちは“居・食・住”をどのように確保していくのか?
それを確保するために必要なエネルギーや、自然環境への問題をどう考えるのか?
宇宙ステーションには必要でないとグループで判断したものの中には、実際 “今” 私たちが生きている地球には存在しているものもあり、
その事実を私たちがどのように受け止め、これから何をしていかなくてはならないのか? を考え直すきっかけとなるのが目的です。
私達も宇宙ステーションで新たな生活をスタートさせます
始めは、最新技術を駆使したものを盛り込んだステーションを作り上げかけましたが
最終的には
自分たちが食べるのは自分で作る! レタスは吉田先生の大反対で作りませんでしたが(笑)
マンゴー・すだちを植える・・・放っておいても勝手に果実を食べられるから
牛・やぎ のみ動物を育てる!・・・ミルクやチーズなども食べれます
服は着ません!・・・葉っぱで隠したい人は隠す
そして
何故か軽トラとLEDはあります!・・・動かなくなった時点でオブジェとします
今回、私たちが考えたステーションは吉田先生いわく、珍しいパターンだそうです
最初は技術を駆使した生活を考えていたのですが、その後、どんどんそぎ落としていく生活になったからです
私たちのチームは、今回考えたステーションでも“居・食・住”を確保し、自然のものは自然に返す事や人間と生物が共存していく方法を
導いていけると考えこのパターンにたどり着きました
合宿を通して、自分が日々当たり前にしている事が、見えない所で環境を壊し
人々の生活に影を落としている事を考え直すそんな機会になりました
文責:事務局(インターン山崎)
ザンビア事務所の瀬戸口です。
すっかりご無沙汰しているうちに、ザンビアでは雨期の足音が聞こえてきました。
つまりとても暑い・・・
確か、このあいだも雨期が暑いって書いたなぁと思って、過去の記事をさかのぼっていたら、2012年11月でした。。
もう2年前ですね。時がたつのは本当にあっという間です。
ザンビア事務所では去年から住民提案型支援事業を実施しています。
地域の発展のために村の人たちが自主的に取り組んでいる活動(企画)を
村の人がTICOに提案(申請)し、TICOが応援したいと思ったら
日本の方々から寄付を募り、その活動を資金的にサポートする事業です。
※本事業の詳細については会報の34号、35号をご覧ください。
さて、現在支援中の事業に「カリミナ小学校 教員住宅建設支援」があります。
▲カリミナ小学校に通う子どもたち
ザンビアでは先生たちは学校のそばに用意された教員住宅に住むのが通例。
本来は政府が建てるべき公務員宿舎ですが、現実問題としては、先生たちに地域に残ってもらうために
地元の人たちがお金や労働力などを持ち寄って、先生のための家を作らざるをえません。
▲家をたてるためのレンガ。村の人たちが共同作業で作りました。
その建設費用の一部をTICOがサポートしているわけですが、
私と支援先のPTAとの間で、支援の金額に対する大きな誤解が発生しているのが判明
これは早めに対処せねば、と関係者と会議を持ったのですが、
先方はTICOからもっと多くの支援がもらえると思っていたこと、
またこの事業からかなり飛躍していろいろ期待を膨らませていた部分もあったようで(よくある話)、
「そんなことは一言も言っていない」
「これはこういう制度だ」
と最初から説明を繰り返す私(よくある話)。
ただ、私の方に全く非がなかったわけではなく、
彼らが誤解をする可能性を持った言い方をしていたことも議論の中で分かってきました。
ただでさえ、村の人たちから期待をされやすい仕事なので、
彼らに過度な期待を持たせないように、かなり神経を使って日々のコミュニケーションをしているのですが、
いままで自分が持っていなかった解釈のパターンを提示されて新たな発見・・・・。
その部分については謝りつつ、でも予算で決まった額以上は出せない、
ということを繰り返し話すのですが、話は平行線をたどるばかり。
どう事態を収拾しようかなぁと、だんだんと私が難しい顔になっていったのでしょう、
さっきまで支援の増額を求めて頑なな態度を崩さなかった村の人たちが、急に
「TICOの支援にはほんと感謝してるよ~」
「支援金額は少なくても、それでも十分助かってるし、自力ではここまでいけなかったよ」
「だからさ、Be Happy!」
「Be Happy!ちか!」
「私たち、違う環境で育ってきたんだし、同じ言い方でも解釈が違うことだってあるよ。」
「だから、気にしちゃだめだよ。TICOのおかげでここまで来たんだから」
「Be Happy!ちか!」
となぜか逆にものすごく励まされて、その日の会合は無事に??終了しました・・・・。
煙に巻かれるとはこういうことを言うのかと思いつつ、
次は私も「Be Happy!」作戦を使ってみようと思います。
▲TICOが支援してから2か月半。「ここまで」家らしくなってきました。
文責:ザンビア事務所(瀬戸口)